日本では災害時の避難所として既存施設を転用しているため、空間や機能の制約が存在することは否めない。本研究の目的は、避難所の空間や機能の制約により発生する課題を空間配置・機能工夫により対応・解決をはかる一連の構造を明らかにすることである。手法としては、学識経験者等から推薦された 11 避難所にて得たインタビューデータを分析し、避難所で発生する課題の発生構造について、空間に起因するかどうかを解き、課題への対応について概念図化し、レイアウト上で表し、空間問題として対応できうるかの整理を行い、解決手法の体系化に向けて試行した。本論においては、学識経験者等から推薦された 11 避難所の運営関係者等から得たインタビューデータ 4, 629 文について分析し、60 点の理論記述を得た。次にこれらをKJ法で分類し、「建物被災」「管理者視点」「管理者と避難者」「避難者個人」「避難者同士」の課題グループと「ルール・取り決め」「空間配置・機能工夫」の2つの対応・解決グループに分類した。ここから課題と対応・解決の相互関係を整理し、数点を具体的な避難所空間に落とし込み、避難所で発生した課題を空間に起因するものとして整理し、空間上の工夫で対応・解決が図られた一連の構造を示した。避難所対応として、生活空間の中で機能を分けることが、公衆衛生上も健康対策上も、さらには被災からの回復という点からも重要であり、それを空間配置・機能工夫により実行していることを明らかにした点が本研究の成果の一端と言える。
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