東日本大震災以降、各放送局では津波からの住民の避難を“後押し”するため、特にキャスターコメントやアナウンスメントの改善作業を行い、その後の津波警報発表時の災害特番で使用した。また、近年これらの改善策への住民の受け止めについての調査や研究が実施されつつある。
本研究では、震災後に登場した新たな津波避難キャスターコメントに対する住民の評価と地域傾向を調べるため、和歌山県内の住民を対象としたインターネットアンケートを行った。
13 市町を津波襲来想定時間で 3 地域に分類し分析したところ、キャスターコメントに対する高評価/低評価は概ね同じ傾向だった。例えば、「今すぐ避難してください」や「今すぐ逃げてください」、「ためらわずに」や「命を守るために」をいずれの地域の住民も高く評価した。
一方で、統計的に有意な差があるキャスターコメントは、津波襲来想定が「5 分以内の地域(串本町など)」と「46 分の地域(和歌山市)」の間で、「津波避難タワー」などの 4 キャスターコメントに留まった。
考察として、少なくとも津波避難タワーが存在しない和歌山市への津波襲来時には、当該キャスターコメントを使用する必要性はないだろう。津波襲来まで時間が限られる中、災害特番では使用するキャスターコメントを事前に厳選し、優先順位も検討しておくことが重要である。
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