2024 年の元日に発生した能登半島地震では地震発生の 2 分後に津波警報が発表され、各テレビ局は災害特別番組を放送した。本研究は、災害特別番組に出演したニュースキャスターがどのようなキャスターコメントを用いて住民に津波からの避難を呼びかけたのかを分析したものである。
5 番組を分析した結果、「高台に逃げてください」などの「高所避難の呼びかけ」の回数は、東日本大震災時より多い傾向だと分かった。また、「今すぐ逃げてください」のような早期避難を促すキャスターコメントも頻出していた。一方で、新聞報道で注目された「命令調」(命令口調)の手法は、 NHK だけが使用していた。
次に、避難を促す意図で「東日本大震災」をキーワードとして引用するキャスターコメントの登場回数は、各局でばらつきがあった。また、「津波避難ビル」や「津波避難タワー」というキャスターコメントはほとんど使われなかった。
さらに、「津波予報区」の登場回数を分析したところ、津波警報発表段階では「石川県能登」の登場回数は最多ではなく、最多となるのは大津波警報発表以降だった。
これらの対応は、事前の想定もしくはその時の判断によるものかは録画した番組からは判断できないが、今後、南海トラフ地震などの津波災害に備え、それぞれの津波避難キャスターコメントを使用する目的や意図について 1 つ 1 つ議論を進めていくことが求められる。
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