本研究では,学校の危機管理力を高めるための校内研修のモデルとして,討論型演習とロールプレイング演習を組み合わせた以下の研修を行い,その効果を検討した。
1)「危機の洗い出しと評価研修(討論型演習)」では,自校で起こりうる危機を洗い出し,対策の優先順位を話し合った。その結果,教職員の危機に対する感性を高め,危機管理意識を向上させることができた。
2)「具体的な危機を想定した卓上訓練(討論型演習)」では,危機発生時の組織的対応の在り方を話し合った。その結果,危機発生時の組織的対応を全体としてイメージ化することができ,危機管理マニュアルの見直しや危機管理体制の再構築の必要性に参加者自らが気づくことができた。
3)「具体的な危機を想定したシミュレーション訓練(ロールプレイング演習)」では,危機発生時の組織的対応をより実践的にシミュレーションした。その結果,危機発生時には冷静に判断し行動することが困難であることが認識され,組織的対応への意識を高めることができた。
4)「事故発生後のメディア対応演習(ロールプレイング演習)」では,事例に基づいて記者会見をシミュレーションした。その結果,冷静に対応することが難しいことに参加者が気づくとともに,平素からの教育活動を説明責任という視点で考え直す契機となった。
以上のことから,討論型演習とロールプレイング演習を校内研修に取り入れることで,安全・危機管理に関する研修の有用感や教職員の研修意欲を高め,学校の危機管理力の向上を効果的に図ることができる可能性が示された。
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