安全教育学研究
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13 巻, 1 号
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  • 森 純子, 及川 研, 渡邉 正樹
    2013 年13 巻1 号 p. 3-17
    発行日: 2013/07/31
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル フリー
    遊びは子どもの心身の成長発達に欠かせないが、子どもの身近にある屋外遊び場では遊具に起因する重大事故が相次いで発生している。子どもに安全な遊び場を提供するためには、遊具事故の実態に見合った遊具事故防止対策の策定が重要である。本研究の目的は、屋外遊び場における遊具事故と要因を明らかにし、遊具事故防止のための対策を考察することである。
    全国の都市公園、保育所・幼稚園・小学校、および世田谷区内にある冒険遊び場において、2005年度から2009年度に報告された遊具事故・傷害のうち、事故の当事者が2歳から12歳であった184件を本研究の資料とした。それぞれの資料から事故の種類と4つの危険要因(物的ハザード、物的リスク、人的ハザード、人的リスク)を抽出し事故原因の分析を行った。さらに、得られた分析結果について遊び場種別間で相互比較を行った。
    主な結果は以下の通りであった。
    1)事故の種類として最も多かったものは「転落・落下」(45.7%)で、「衝突」(12.5%)と合わせると屋外遊び場における遊具事故全体の半数以上を占めていた。
    2)危険要因と屋外遊び場種別間の関連性を調べるためχ2 検定を行った。その結果、物的ハザードの有無において、有意な関連が見られた(χ2 (2)=37.3,p<0.001)。
    3)屋外遊び場における遊具事故全体の傾向として、物的要因による事故よりも、人的要因による事故が多く発生していることが示された。
    またこの傾向は、遊具からの転落・落下事故についてのみを見た場合でも同じであった。
    4)危険要因と冒険遊び場利用頻度の関連については、人的ハザードの有無(χ2 (1)=7.1,p<0.01)と、人的リスクの有無(χ2 (1)=6.1,p<.05)において有意な関連が見られた。屋外遊び場の安全性を高めるためには、屋外遊び場の特徴に基づいた具体的な対策が必要であり、物的要因除去への取り組みに加え、人的要因への積極的かつ多様なアプローチが必要であることが示唆された。また、全国の屋外遊び場で発生した遊具事故データを一元化した事故データバンクシステムの構築が課題として示された。
  • 大沼 久美子, 刈間 理介, 三木 とみ子, 遠藤 伸子, 平川 俊功, 鈴木 裕子, 道上 恵美子, 岩崎 和子, 力丸 真智子, 藤田 ...
    2013 年13 巻1 号 p. 19-36
    発行日: 2013/07/31
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル フリー
    学校教育において児童生徒の安全と健康を確保することは極めて重要な課題である。多くの養護教諭はその職務の中で「ヒヤリ」としたり「ハット」したりするいわゆるヒヤリ・ハット経験をしている可能性が考えられる。本研究は、養護教諭のヒヤリ・ハットを「重大な災害や事故には至らないもののそれに直結してもおかしくない一歩手前の事例、文字通り、突発的な事象やミスにヒヤリとしたり、ハッとしたり、大事には至らなかった小さな失敗事象」と仮定義し、養護教諭のヒヤリ・ハットの実態やその関連要因、ヒヤリ・ハット経験時の心身の状態を明らかにし養護教諭のヒヤリ・ハットを検討することを目的とする。
    調査は8県の養護教諭565人に研修会終了後に同意を得て無記名自記式質問紙調査を実施した。回収はその場もしくは郵送とした。回収数は481(回収率85.1%)、有効回答数は470(有効回答率97.7%)であった。調査内容は、ヒヤリ・ハット経験の有無、経験したヒヤリ・ハット事象の種類・内容、そのヒヤリ・ハット経験に関連した要因と心身の状態についてであった。
    結果として、有効回答とした470名うち467名(97.7%)の養護教諭がヒヤリ・ハット経験を有しており、ヒヤリ・ハット経験はほぼ全ての養護教諭に認められることが示された。回答者の中には1人で複数のヒヤリ・ハット経験を報告した養護教諭も少なくなく、本研究における調査では合計1079事例のヒヤリ・ハット経験が報告された。これらヒヤリ・ハット経験は養護教諭の職務全般にわたって認められ、特に、養護教諭のヒヤリ・ハット経験が発生する職務では、「外科的救急処置」における事象が338事例(31.3%)と最も多く、次いで「健康診断」229事例(21.2%)であった。また、養護教諭のヒヤリ・ハット経験の関連要因は事例記述の内容分析により7つのコアカテゴリー(アセスメント、判断、指導・対応、準備・後始末、情報管理、体制管理、連携、その他)に分類された。中でも「連携」(23.3%)が多かった。養護教諭のヒヤリ・ハット経験時の心身の状態は「いつもと変わらない」が大多数であった。養護教諭のヒヤリ・ハットを未然に防ぐためには、関連要因に対する対策を講じていくことが必要と考えられる。
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