学校現場では様々な想定外が懸念される。園児・児童・生徒の登下校時にも想定外の発生が懸案され、最悪の場合、生命に関わる問題となる。安全な登下校に向けて、これまでに多くの通達等が出され、また様々な取組が実施されてきた。これらの通達や取組は交通安全ならびに防犯(不審者対策)に偏重しており、強い風や雨のような悪天候時に関するものは一般論に留まった内容であり、具体性に乏しいものとなっている。
ところで岐阜県下では、近年において悪天候時の下校により尊い命が失われ、学校の下校判断の妥当性を問う事例が2件発生している。1件は小学生が水路に転落した事例であり、1件は高校生が自転車で下校中に川に流された事例である。
現在発表される気象情報で「徒歩や自転車による下校の可否」を的確に判断することは非常に困難である。結果として、園児・児童・生徒を悪天候時に下校させ、想定外の事態に晒す事例が今後も発生することが危ぶまれる。
本稿では、「プロアクティブの原則」に則って悪天候時における下校の可否を判断できる数値的な目安を提案する。これは、1時間雨量20ミリメートル相当とし、これを超過する降雨が校区内で発生すると予想される場合、下校させないというものである。この目安により、各校の責任者はプロアクティブの原則に則った対応を図ることが可能となる。
本稿で提案する目安は、下校時の悪天候に関わるすべての問題を回避するものではないが、安全な下校の実現に役立つことが期待できる。
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