安全教育学研究
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16 巻, 1 号
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  • 村越 真, 小山 真人, 河合 美保
    2016 年16 巻1 号 p. 3-13
    発行日: 2016/05/31
    公開日: 2025/08/22
    ジャーナル フリー
    本研究では、実践1で地震を想定した抜き打ち避難訓練における児童の行動実態と課題を明らかにした上で、実践2では課題解決のための事前指導の効果を検討した。実践1では、A、B2小学校の抜き打ち避難訓練の観察と児童への質問紙調査を行い、落下物に対応する意識が低いという課題とともに、遠くても自分の机に戻るという不適切な避難行動がとられる可能性を指摘した。実践2では、これらの点を確認するとともに、机がない場所でも可能な方法で身体を守る臨機応変な初期対応を促進することを目的とした事前授業を行い、効果を検討した。その結果、事前授業は初期対応における落下物への意識を一定程度高めることはできたが、教室以外の場所で机の下に隠れられない場所にいた場合でも、落下物を意識した行動を取らなかった児童の割合はA小学校では17.1%、B小学校では35.5%であった。また、教室内で近くにない自分の机に隠れるという不適切な行動がA小学校では39.5%、B小学校では61.0%の児童で観察された。児童が自分の机の前に座っているという定型的状況で目的を十分説明することなく避難訓練が繰り返し行われると、自分の机を使うという教室空間の特性によって、抜き打ち避難訓練の避難でも自分の机を使うという日常的なルールが優先されてしまう可能性が示唆された。
  • ― 岐阜県下で悪天候から園児・児童・生徒を守るために ―
    村岡 治道
    2016 年16 巻1 号 p. 15-21
    発行日: 2016/05/31
    公開日: 2025/08/22
    ジャーナル フリー
    学校現場では様々な想定外が懸念される。園児・児童・生徒の登下校時にも想定外の発生が懸案され、最悪の場合、生命に関わる問題となる。安全な登下校に向けて、これまでに多くの通達等が出され、また様々な取組が実施されてきた。これらの通達や取組は交通安全ならびに防犯(不審者対策)に偏重しており、強い風や雨のような悪天候時に関するものは一般論に留まった内容であり、具体性に乏しいものとなっている。
    ところで岐阜県下では、近年において悪天候時の下校により尊い命が失われ、学校の下校判断の妥当性を問う事例が2件発生している。1件は小学生が水路に転落した事例であり、1件は高校生が自転車で下校中に川に流された事例である。
    現在発表される気象情報で「徒歩や自転車による下校の可否」を的確に判断することは非常に困難である。結果として、園児・児童・生徒を悪天候時に下校させ、想定外の事態に晒す事例が今後も発生することが危ぶまれる。
    本稿では、「プロアクティブの原則」に則って悪天候時における下校の可否を判断できる数値的な目安を提案する。これは、1時間雨量20ミリメートル相当とし、これを超過する降雨が校区内で発生すると予想される場合、下校させないというものである。この目安により、各校の責任者はプロアクティブの原則に則った対応を図ることが可能となる。
    本稿で提案する目安は、下校時の悪天候に関わるすべての問題を回避するものではないが、安全な下校の実現に役立つことが期待できる。
  • ― 仙台市長町地域を例に ―
    佐藤 健, 桜井 愛子, 藤岡 達也, 小田 隆史, 村山 良之, 北浦 早苗
    2016 年16 巻1 号 p. 23-33
    発行日: 2016/05/31
    公開日: 2025/08/22
    ジャーナル フリー
    東日本大震災後、学校とステークホルダーとの協働は、より一層期待されるようになっている。本研究は、地域に根差した防災教育モデルの一つの提案であり、その意義を論じたものである。ステークホルダーによって学校へ提供された学習材は、本提案モデルにおいて有効に活用することができる。ステークホルダーによるこのような支援は、地域に根差した防災教育の実践に際して学校教員の負担や不安を軽減することに貢献する。本提案モデルの教育実践の蓄積は、災害に強い人づくりや地域づくりに加えて、持続可能な地域社会づくりにも発展するものと考える。
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