園児・児童・生徒が日中を過ごす園内・校内には様々な危険が潜む。地震発生時の天井材・内壁・外壁等の倒壊・崩落や照明器具・ピアノ・本棚等の落下・転倒・移動はその一例である。
「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」をはじめ、多くのマニュアルや図書では、事前指導として地震発生時に「落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」場所へ速やかに移動することの指導徹底を推奨している。しかし、その理解や普及は十分とは言えない。さらなら普及を促進する際、危険事例の果たす役割は大きいと言える。
そこで本稿では、著者が岐阜県内で視察した19校から危険事例を39枚の写真で紹介し、マニュアルや図書では示されていない危険事例を解説する。これらの事例の抜本的な問題解決には専門家によるハード対策の実施が不可欠であることを指摘しつつ、現場で実施可能な2対策を提案する。また、個々の学校を身近な教材として活用する手法として、災害図上訓練(DIG)の校舎内あるいは学校敷地内版を「校舎内DIG」や「学校内DIG」と称して実施することを提唱する。本稿が教員や園児・児童・生徒にとって「落ちてこない、倒れてこない、移動してこない」場所の見極め(目利き)の基礎情報となり、暫定的ではあるが問題回避の契機となることを期待する。
抄録全体を表示