安全教育学研究
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17 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • ― 日常活動に焦点を当てた犯罪予防は有効か?
    齊藤 知範, 山根 由子
    2018 年17 巻2 号 p. 3-24
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー
    海外の実証研究では、状況的要因と被害との関連について知見が蓄積されてきた。本研究は、若年者の被害について、機会構造/選択モデルの適用可能性を検証することを目的とした。
    900名(女性600名、男性300名、平均年齢25.49歳(18歳から32歳まで))に対するWeb調査のデータにもとづき、ロジスティック回帰分析と負の二項回帰分析を用いて、機会構造(近接性、状況への曝露)、選択(見守りの不在)が被害の危険性と関連するかを検証した。主要な結果として、状況への曝露は概してすべての種類の被害リスクと関連すること、近接性は一部の被害リスクと関連すること、見守りはどの種類の被害とも有意に関連しないことが明らかになった。状況への曝露(夜間や屋外での日常活動)が被害リスクの高さと関連するという結果から、夜間における屋外の日常活動に焦点を当てた教育プログラムが被害リスクを低減する上で有効である可能性が示唆される。
  • ― 全国のコミュニティスクールを対象として ―
    中迫 由実, 瀬渡 章子
    2018 年17 巻2 号 p. 25-32
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー
    子どもに対する声かけ事案は未だ後を絶たない。本報告は、全国のコミュニティスクールに指定された小学校の管理職または安全指導担当教員を対象に学校での防犯教育の取組みの実態調査の結果であり、今後の学校での防犯学習の取組みの方向性を探ったものである。
    体験型の学習やロールプレイを行うなど児童の思考を促すような学習は全体では8割以上で実施されていたが、体験型の学習には地域差がみられた。また低学年に特化した防犯学習の取組みを行っていたのは44.0%で、学校規模や地域による差が見られた。
    防犯学習を含む生活安全のための学習時間を確保する必要性を感じている回答は多く、また外部団体からの支援や教材等が必要とされている。効果的な防犯学習ツールや学校に対する支援体制の整備を行うとともに学校外での防犯学習の機会の確保についても把握していく必要がある。
  • ― 大規模小学校における緊急時引き渡し訓練に注目して ―
    八木 利津子
    2018 年17 巻2 号 p. 33-41
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2025/08/20
    ジャーナル フリー
    近年、地震等による災害発生時の危機対応として児童生徒を保護者へ引き渡す訓練を実施する学校が増えている。本研究は、児童の安全確保に向けて、引き渡し時に困難が予想される大規模小学校において、引き渡し訓練を通して、その現状と課題を把握することを目的とする。調査では、小学校2校の教職員10人に、訓練実施計画及び訓練の現状と課題についてインタビュー調査を行った。また、同意が得られた1校の保護者300人を対象に、訓練に関する意見、感想について自由記述式質問紙調査を実施した。さらに、結果から主要な課題を抽出した。
    その結果、引き渡し訓練は年間1回の位置付けであること、学校により保護者への事前通知、保護者の確認方法、引き渡し場所等に違いがあること等が示された。また、課題については、教員は、訓練当日の課題のみならず、悪天候、負傷者発生、保護者の迎えの遅れ、引き渡し場所の変更、引き渡し時間の延長等の懸念を挙げた。一方保護者は、引き渡し訓練における全体の混雑、他の保護者の動向、標示等を指摘した。今後は、引き渡し訓練に対する家庭と学校の共通理解、さらには地域とも協働した訓練が望まれる。
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