安全教育学研究
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20 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 村田 祐樹
    2021 年20 巻2 号 p. 3-16
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    スポーツ選手におけるスポーツ関連脳振盪(SRC)の知識と対処策に関する国内の先行研究は限られている。本研究の目的は、本邦のコンタクトスポーツ選手におけるSRCの知識とSRC発生時の対処策の実態を把握すること及びそれらの関連性を検討することであった。研究参加者は、コンタクトスポーツを行う者(n=319)、ノンコンタクトスポーツを行う者(n=231)、文化部または無所属の者(n=336)であった。SRCについての知識を10題の質問にて、対処策を3題の質問にて評価した。コンタクトスポーツ選手では、SRCの知識に関する質問のほとんどで8割を超える正答率を示した。一方で、SRCによる長期的な健康問題に関する質問へのコンタクトスポーツ選手の正答率は3割であり、文化部・無所属の者のよりも低かった。コンタクトスポーツ選手において、頭に強い衝撃を受けた場合のプレー中止という対処策とSRC症状がある状態での競技復帰の回避という対処策は8割以上の者が実施していると回答した。一方、SRCからの段階的競技復帰リハビリテーションという対処策を実施していると答えた者は6割であった。SRC後の即時の競技復帰が禁止されることについて正しい知識を持っている選手は、SRC症状が自覚される間は競技復帰を見送る対処策を実施する割合が高かった。本研究の参加者はSRCについて知識が比較的豊富であり、SRC受傷後の良好な対処策を実施していた。一方で、SRCによる長期的な健康問題と段階的競技復帰プロトコールについての認知には課題が示された。コンタクトスポーツ選手に対してSRCの知識を総合的に高め、適切な対処行動を実践できるよう啓発を行っていく必要がある。
  • ― A県の小学校や中学校、高等学校、特別支援学校の教員等への調査を踏まえて ―
    鈴木 久米男
    2021 年20 巻2 号 p. 17-29
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、教員等の学校危機に対する認識や求められる資質・能力の実態と課題を明らかにすることである。そのために、学校管理職及び教員(以下 教員等)に対して質問紙による調査を実施し、結果を分析した。 調査結果から、学校危機に対する認識及び求められる資質・能力への認識を明らかにした。明らかになった結果の第一は、学校危機に対する発生頻度及び深刻度に対する教員等の認識の実態である。具体的には、学校危機に関して、発生頻度よりも発生した場合の深刻度がより重要であると教員等は認識していた。さらに学校危機の各項目については、発生頻度及び深刻度の両者が高い高位群が存在していた。また、高位群以外の項目の発生頻度についての認識は全体的に低かった。しかし、深刻度への認識は学校種により異なることが分かった。 第二は、学校危機の対応時に求められる資質・能力への教員等の認識である。具体的には、各校種とも危機管理における資質・能力の必要度は高かったが、到達度は低くなる傾向がみられた。特に、危機発生時の対応において求められる資質・能力を課題としていることが分かった。
  • 稲垣 良介
    2021 年20 巻2 号 p. 31-37
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究は、着衣のまま水に落ちた場合の対処の授業が児童の水難事故に対する認知に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。予防行動の意図に影響を及ぼす要因である、恐怖感情、脅威への脆弱性、脅威の深刻さ、反応効果性を導入し、授業の直前、直後、50日後での教育効果測定を実施した。分析の結果、脅威への脆弱性、脅威の深刻さ、反応効果性に対して授業の直後効果がみられた。恐怖感情は、授業の直後効果がみられなかった。しかし、授業による認知への影響は、持続しないことが示唆された。性別、プールにおける自信の有無別、救命胴衣の使用経験別に分析した結果、恐怖感情は、時点を問わず男子より女子の方が高いことが明らかになった。また、今後の効果的な授業の在り方について議論した。
  • 林田 由那, 戸田 芳雄, 佐藤 健
    2021 年20 巻2 号 p. 39-50
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、学校の避難訓練の第三者による評価を実施していくための評価指標の開発過程を示し、避難訓練を評価する際の視点を明らかにしながら、評価指標の開発に向けた課題を整理することにある。現在、筆者は、宮城県内全域の学校において第三者による避難訓練の評価を実施し、それが持続可能な形で運用されていく仕組みを開発し、学校がPDCAサイクルのなかで、より円滑に避難訓練の見直し、危機管理マニュアルや学校安全計画の改善・充実が推進されることを目指し、避難訓練の評価指標の開発をすすめている。2019年4月より研究を開始し、避難訓練における児童生徒等、および教職員の双方の取組・行動に対する評価の視点の整理、その評価の視点に基づき避難訓練における評価指標である暫定的なチェック項目の策定、そして宮城県内全域での試行などの実践を重ねている。本稿においては、避難訓練の評価指標の開発に向けたこれまでの宮城県内での実践をもとに、避難訓練を評価する際の評価の視点の整理、評価の視点を土台とした具体的なチェック項目、およびチェック項目の試行段階における課題を整理し、改訂の過程を示した。そして、2020年秋頃の運用開始に向けた課題の整理を行った。
  • ― 国公立大学への実態調査の結果から ―
    大沼 泰枝, 村中 泰子
    2021 年20 巻2 号 p. 51-62
    発行日: 2021/03/31
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、国公立大学における全学的な防災対策、および障害学生支援部署・機関における防災対策の現状について明らかにし、障害のある学生を対象とした防災対策の今後の課題について検討することであった。調査の結果、一般的な防災対策については多くの大学で取り組まれているが、障害のある学生への防災対策に関する取り組みを行っている大学は、非常に少ないことが明らかとなった。さらに、障害学生支援部署・機関における防災対策を検討した結果、こちらに関する取り組み事例も非常に少ない現状が明らかとなった。障害のある学生の防災対策の充実のため、障害のある学生を対象とした防災対策に関する情報収集と発信が今後の課題として挙げられた。
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