安全教育学研究
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20 巻, 3 号
東日本大震災10周年特集号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 佐藤 健
    2021 年20 巻3 号 p. 43-60
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本論は、防災学術連携体主催による「東日本大震災からの十年とこれから-58学会、防災学術連携体の活動-」において発表した内容に、その後の考察を加えたものである。東日本大震災の発生から10年が経過したことを受け、日本安全教育学会がこの10年間で組織的に取り組んできた学校安全に関する研究と実践、社会貢献の概要を報告する。 また、日本安全教育学会の会員が個人として、多様な場面で社会貢献を果たしてきたことについても著者が関連したものを中心に言及する。 最後に、世界の安全教育を推進するために、日本安全教育学会がわが国において希少価値の高い学術団体であることを示す。
  • -判決書教材とフィールドワークで学ぶ教員養成の授業-
    新福 悦郎
    2021 年20 巻3 号 p. 61-71
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、判決書教材を活用した授業と震災遺構のフィールドワークによる学習内容や方法が教員養成の防災教育において教員の専門性向上につながるかどうかについて明らかにすることである。 授業では、仙台高等裁判所判決文を教材として活用した。また、大川小学校の被災した校舎を見学し、遺族から話を聞いた。そして、学生が授業後に提出したレポート記述を分析し、学習内容の要素を抽出した。分析方法として質的統合法を活用した。その結果、フィールドワークを通して「いのちの尊厳の学び」があった。また、判決書を活用した授業によって「教員の具体的な安全確保義務の学び」があった。そしてそれらを通して、「未来を拓くために教員として語り継ぐ決意」を生み出す要素を抽出することができた。本研究の学習内容と方法は教員養成の防災教育において教員の専門性向上に効果的な側面があることが分かった。
  • 藤本 一雄, 戸塚 唯氏, 坂巻 哲
    2021 年20 巻3 号 p. 73-83
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究では、避難誘導時の対人説得場面において承諾を獲得するための技術を高める方策として、架空の説得場面において、被説得者に対して、どのような説得メッセージを用いて説得を試みるのかを話し合う「避難説得ワークショップ」の開発を試みた。具体的には、千葉県内の高校生188名に対しては個人で説得メッセージを考えてもらい、兵庫県内の高校生40名に対しては集団(グループ)で説得メッセージを考える「避難説得ワークショップ」を行ってもらい、両者の結果を比較した。その結果、説得メッセージに含まれる理由に関して、「人的リスク」や「愛他性」に関するものが多く見られた一方で、「優先順位」や「避難コスト」に関するものはかなり少ないこと、説得メッセージで用いられる「言葉遣い」に関して、「提案型」(避難しましょう)が多い一方で、「命令型」(避難しろ)は極めて少ないこと、などの知見を得ることができた。
  • 酒井 郷平, 塩田 真吾
    2021 年20 巻3 号 p. 85-97
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    近年、災害時におけるSNS上での誤情報・虚偽情報の流布が社会問題となっており、災害時にSNSを上手に活用して防災・減災に役立てていく一方で、情報を見極め、誤情報や虚偽情報の拡散を防ぐことが求められている。そこで本研究では、中学生を対象として、災害時における誤情報や虚偽情報を見極め、拡散を防ぐための教材を開発し、その効果を検証することを目的とした。中学生向けの教材では、災害場面を設定し、SNSの情報を実際に見極める活動や信頼性を議論するワークを取り入れ、「誰が言ったのか」、「いつ言ったのか」、「複数の情報を確かめたか」の3つを確認する内容で構成し、中学校での実践を想定した授業を開発した。教材の評価を行うため、中学生を対象とした授業実践を行った結果、事前と事後の質問紙調査において「情報を読み解く自信」や「自らが誤った情報を広めてしまう危険性の認識」について、得点の平均値に有意差が確認された。このことから、本研究の実践により、防災時の情報を見極めるためのポイントの理解や自らが誤った情報を拡散してしまう危険性の認識を促すことできたと考えられる。
  • -学校と多様な地域組織が連携・協働した東日本大震災・前後10年間の実践-
    髙橋 教義
    2021 年20 巻3 号 p. 99-110
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本実践では、2008年度から宮城県内の4つの中学校において、多様な地域組織と連携する地域学校協働組織を設立してきた。その組織の支援を受けて、中学生が住民参画型の地域防災訓練を実施したり、生徒会が住民と共に学ぶ防災教育シンポジウムを開催したり、中学生が主導して地域を巻き込む防災教育を推進してきた。さらに、中学生は40数年周期で繰り返されてきたM7規模の宮城県沖地震と2011年・M9の東日本大震災の災害から、その教訓を被災者等から学び取る活動や、復興支援ボランティアなどを実施してきた。 これらの実践から、中学生は多彩な体験的活動を通じて防災・減災の知識やスキル、防災対応能力を習得し、地域の防災・減災を担う人材を培った。中学生は地域防災の担い手として卒業し、毎年地域に増員され続けることで、着実に地域防災力の向上を図ってきた。そして、防災教育を通じて中学生は世代を超えて住民と触れ合い、地域の人・物・事の魅力と誇りをも見出すことができた。アンケート調査から、高い割合で中学生が自助・共助の術と技を身に着け、“支えられる人”から“支える人、支え合う人”へと心と姿勢をも変容させ、自己肯定感と自己有用感も得てきた。 さらに本実践では、安全・安心な地域づくりと地域創生に向けたコミュニティ形成にも波及・寄与できるよう、宮城県内の4つの中学校で10年間続けた実践とその成果や課題を報告する。
  • 〜学校防災をめぐる国際的政策動向と取組体制〜
    桜井 愛子
    2021 年20 巻3 号 p. 111-120
    発行日: 2021/09/30
    公開日: 2025/07/16
    ジャーナル フリー
    本研究では、仙台防災枠組の下で学校防災がどのように位置づけられ、世界的に推進されているのかについて、国際的動向、地域、国、学校の各レベルでの取組からその全体像を明らかにすることを試みた。仙台防災枠組の下、学校防災を世界的に推進しその進捗を把握していくために包括的学校安全枠組が位置づけられている。地域的取組の一例として検討したASEAN地域では、ASEANセーフスクール・イニシアティブを通じて各国での学校防災拡充のために国際機関等と協力しながら加盟国に対して資金的技術的支援を行っている。フィリピンは、ASEANの中でも取組の最も進んだ国のひとつで、教育省の学校防災担当専門部局が2015年以降積極的に学校防災拡充を図っている。
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