本実践では、2008年度から宮城県内の4つの中学校において、多様な地域組織と連携する地域学校協働組織を設立してきた。その組織の支援を受けて、中学生が住民参画型の地域防災訓練を実施したり、生徒会が住民と共に学ぶ防災教育シンポジウムを開催したり、中学生が主導して地域を巻き込む防災教育を推進してきた。さらに、中学生は40数年周期で繰り返されてきたM7規模の宮城県沖地震と2011年・M9の東日本大震災の災害から、その教訓を被災者等から学び取る活動や、復興支援ボランティアなどを実施してきた。
これらの実践から、中学生は多彩な体験的活動を通じて防災・減災の知識やスキル、防災対応能力を習得し、地域の防災・減災を担う人材を培った。中学生は地域防災の担い手として卒業し、毎年地域に増員され続けることで、着実に地域防災力の向上を図ってきた。そして、防災教育を通じて中学生は世代を超えて住民と触れ合い、地域の人・物・事の魅力と誇りをも見出すことができた。アンケート調査から、高い割合で中学生が自助・共助の術と技を身に着け、“支えられる人”から“支える人、支え合う人”へと心と姿勢をも変容させ、自己肯定感と自己有用感も得てきた。
さらに本実践では、安全・安心な地域づくりと地域創生に向けたコミュニティ形成にも波及・寄与できるよう、宮城県内の4つの中学校で10年間続けた実践とその成果や課題を報告する。
抄録全体を表示