本校ではこれまで3年間にわたり、中学生が主導する住民参加型の地域防災訓練や、住民と共に学ぶ防災教育を推進してきた。「中学生が主導する」とは、中学生の自発性・主体性を重視し、防災教育の実践活動において企画、計画、実行、評価の各段階に可能な限り参画することである1)。地域防災訓練においては、中学生が避難所開設・運営、集団避難の誘導、炊き出し調理、救急救護、備蓄物資の展示・説明、町内会長とともに対策本部、の6つの班を担当し、住民が避難者として参加する訓練を計画的に実行することである。そして生徒会が運営と司会等を担い、住民も参加して講演や中学生の学習成果発表など防災教育シンポジウムを開催することである。また、津波被災農家の講話を聴き、その後に“津波被災農家に弟子入り体験”として被災地で農作業を支援してきた。このように、中学生が主体的に防災教育に関わって活動し、他者を支援し、教訓を継承し、世代を超えて交流を重ねることで、確かな地域防災力の向上と地域防災の担い手として育まれ、地域づくりにも貢献してきた。このことで中学生は、自助と共助の術と技を培い、“支えられる人”から“支える人、支え合う人”へと心と姿勢も育まれている。
さらに、防災教育により培われる自助と共助が、今日的教育課題であるいじめや不登校の問題解消に向けて、自他を支え、自他と支え合う確かな心の育成を図る。このために、マインドフルネスといじめ抑止教育に取り組み、災害時の自助と共助だけでなく日常生活においても、これらの教育が相乗的効果を生み出すことを目的に教育実践を行った。そして、心を育み鍛えるマインドフルネスのような学術研究を教育現場で活用し、課題解消に向けた新たなるアプローチと教育方略に挑む実践でもある。すでにマインドフルネスは、海外の企業や医療の分野、そして学校教育においてもその成果や効果が科学的に実証されており、いじめ解消や学力向上なども報告されている。そこで本実践研究では、マインドフルネス瞑想を行って自助のチカラを育み、いじめ抑止教育では心理的教育プログラムによる授業を実践して共助のチカラを強め、防災教育で自助と共助による生き抜く力の術と技を培ってきた。
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