視覚障害者の音による移動支援の在り方を検討するために,視覚障害者を対象とするアンケート調査を行った。その結果,回答者は音響式信号機や誘導チャイム,案内放送等の付加音だけでなく,街頭の音や交通騒音等,様々な環境音を積極的に活用していることが分かった。また,視覚障害者の聴覚情報利用には個人属性によって様々な傾向があり,歩行訓練を受けることでより多くの情報を音から得られるようになることや,高齢の視覚障害者は音の利用に困難を感じていることが示された。そのため,視覚障害者の音による移動支援は,視覚障害者すべてを一様に捉えるのではなく属性ごとに検討し,おのおのに適した手法を構築していく必要があることが分かった。
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