携帯機器用途の小型スピーカの非線形性を評価するため,インパルス応答を用いて動的歪を測定する手法について検討した。まず,大きさ及び共振周波数の異なる6種類の小型スピーカユニットについて高調波歪及び動的歪を測定し,両歪を実験により比較した。その結果,動的歪特性の山谷は,高調波歪特性の山谷とほぼ対応することを確認した。次に,非線形性を持つ単一共振系をモデルとして,正弦波信号を加えた場合に発生する高調波歪とPink-TSP信号を加えた場合に発生する動的歪を計算した。駆動力の掃引速度を変化させた場合,動的歪の山の高さと高調波歪の山の高さの差は,駆動力の掃引速度が速いほど大きくなることが知られた。
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