経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
2003年度春季全国研究発表大会
選択された号の論文の61件中1~50を表示しています
  • 相原 憲一
    p. 1
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本文では、地域の自立は経営感覚の導入が前提で特に“情報”の扱いが今後の勝敗を決めるとの観点から情報ユニバーサルデザインの必要性を論じる。地域コミュニティ・ビジネスが日本の活性化の軸足になるとの視点で等身大のビジネス展開を実現することは今後着実な社会構造の改革を達成するのに最も有力な経営的実現手法と考えられる。最初に、経営感覚、地域の自立の基本事項を確認し、引き続き、情報ユニバーサルデザインの概念を導入している。それを踏まえて、地域情報の発信のあり方を整理している。最後に導入事例の紹介と考察を加えている。 
  • 赤尾 嘉治
    p. 2
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    企業等の組織では事業資産の中で情報がその地位と取り扱いへの要求を拡大している。組織では負の要因やリスクからの回避を考えることも事業達成への重要な要因となりつつある。ハード、ソフトな面は発見されると直ちにパッチを当てる等の作業が開始される。しかしながら、人的な場合はその対策は、教育訓練に終始している。今回は、その人的な面でのセキュリティを考察したものである。
  • 中條 尚子, 木嶋 恭一
    p. 3
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    高等教育における新しい学習形態として、「プロジェクト型教育」と呼ばれる授業があちこちの大学において実践され始めている。しかし、消極的な学生が多い授業では、単にプロジェクト編成をし、学生の自発的学習に任せただけでは、期待された成果を得ることは難しいというのが実情である。本研究では、著者の大学における「プロジェクト型教育」の実践に基づいて整理し、その知見を「プロジェクト型教育」方法論のプロトタイプとして体系化し提案する。この方法論は、教員がSSM(Soft Systems Methodology)を内在化し、SSMのサイクルを回しながら授業を実践する点に特徴がある。その実践結果から、より適切な指示や介入が可能であること、学生の授業に対する満足度が高いこと、その実践の場が教員にとっての学習の場でもあることを確認した。
  • 後藤 允, 田畑 智章, 大野 高裕
    p. 4
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,競争状態におけるプロジェクト評価を取り扱う.従来のNPV法では意思決定の柔軟性が考慮されておらず,プロジェクト価値を過小評価してしまう傾向にあった.リアルオプション・アプローチはこの欠点を補完できる手法として,注目されているが,金融市場と同じく意思決定主体を単一としている.しかし,実際の場面においては競合の意思決定の影響を評価することが不可欠となってくる.この競合の意思決定(戦略)を考慮し,自らの行動を最適化するには,ゲーム理論が有効なツールである.モデルはリアルオプション評価により定式化を行ない,部分ゲーム完全均衡を導くことによって競争による価値の低下に対する解法を与える.
  • 原田 信行
    p. 5
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、これまでほとんど明らかになっていなかった、創業後比較的間もない時期の企業家の労働時間について観察し、実証分析を行うものである。今回独自に実施したアンケート調査によれば、創業後3-7年の時期にあたる企業家の労働時間は、平均で週あたり66時間であるとの結果が得られた。これは、一般の男性常用雇用者に比べ約18時間長い。さらに、企業家の労働時間の決定要因を検証する労働時間関数の推定を行った結果、将来的な株式公開予定は労働時間に対して正、売上高変化率は負の影響があることなどが示された。前者は、企業家が将来の所得期待に強く動機付けられている可能性を示唆する結果であり、後者は、Fraja (1996) の起業モデルを支持するものである。なお、推定にあたっては、標準的な最小自乗法のほか、標本選択の過程を明示的に考慮したサンプルセレクションモデルの適用も行った。
  • テクノ・ダイナミックス・モデルの企業適用
    早坂 弘達, 中邨 良樹, 辻 正重
    p. 6
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、企業が研究開発を促進するために、過去に研究されたテクノ・ダイナミックス・モデルを参考に研究開発投資のあり方を検討し、その有効性を検証することを目的とする。このテクノ・ダイナミックス・モデルとは技術を資産として捉え、定量化したものである。しかし、その有効性については日本の産業というマクロ的な観点では検証されているが、企業レベルでの検証が行われていない。そこで、本研究では研究開発投資に関する研究の一考察として、電気系企業にテクノ・ダイナミックス・モデルを適用し、その有効性を検証した。
  • 廣田 伝次郎
    p. 7
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,データマイニング技術の行政機関への適用を試みるものである。データマイニング技術を組織活動に活用した例は既に多く存在している。しかし,これらの多くは企業組織である。データマイニング技術が地方自治体において活用された事例はあまり見られない。地方分権時代と称される今日の地方自治体に対しては,各団体がそれぞれ独自の政策・施策を企画・立案・実施することが求められている。このような状況に対応するため,地方自治体において有効に活用されずにいる情報を如何に活用するかが課題となっている。そこで本研究では,このような課題に対して,今日の情報関連諸制度における情報管理上の問題点を指摘した後,キーワード検索に関する限界と課題を考察し,その後,地方自治体におけるデータマイニング技術の適用可能性に関する一つの考察を試みる。
  • 包 捷, 飯島 淳一, 戸田 保一, 小林 隆, Byun Daeho, Kim Hangook
    p. 8
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    従来のビジネスプロセス分析・設計手法は,組織の内部からみたビジネスプロセスを対象にしてきた。一方,経営における「顧客の視点」は,ますます重要視されてきている。そこで,本研究では,組織と顧客の間のやりとりを顧客プロファイルにもとづく顧客行動シナリオとして記述し,それをモデル化し,そのモデルから出発して,ビジネスプロセスの設計を行うための方法論を提案する。
  • 今泉 幸雄
    p. 9
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    ITジャパンは4つグループから構成されて、R&D_-_IT(研究開発部門担当のIT)は、ITジャパンあるいはR&Dのビジネスの組織に入っていた。2002年の春には、R&D-ITは、幾つのアプリケーションがあるのか、誰がシステム・オーナーか、どのようにコスト・アロケーションがされているか、ITの戦略とR&Dのビジネスの方向性等があいまいであった。R&D-ITは予算、スケジュール、工数を把握して、R&Dのビジネスへ報告をした。その時に、MS社のExcelを用いてABCを導入した。同じITジャパンの配下のインフラ・ストラクチャーーITも2002年の夏にABCを導入した。当初は、おのおの別なABCシートを用いていたが、その後一つに統一された。ABCの導入始めのころは月単位にレヴューを実施していたが、3_-_4ヶ月後(2002年冬)に、全員参加の毎朝15分間のABMとして切り替えた。
  • 今泉 幸雄
    p. 10
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    PDA ( Personal Digital Assistant )のプロジェクトは、2つのフェーズがあり、第一のフェーズは2つのステップで実施した。フェーズ1の第一ステップは、ITと社内顧客が、幾つかのベンダーから一つのPDAを選択し、日々の作業で用いる、電子メール、スケジュール管理、インターネットアクセスができるようにした。第二のステップでは、治験計画書実施担当者が使用していた治験計画アプリケーション(クライアント・サーバで動作する)を、JAVA言語が動作するアプリケーション・サーバTomcatで、試験的に動作させた。ITの開発者の作業時間は、ABCシートに入力されていた。フェーズ2では、はっきりした方向性が見つけにくかった。私たちは、幾度も討論してから BSCを書いた。BSCのKPIの活動基準項目は、ABCシートと関連付けされた。もしITのメンバーが解決案に迷ったりした場合は、PDAプロジェクトのミッションを基に道を見つけた。
  • 犬童 健良
    p. 11
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    論理プログラミング言語Prologは知識処理の代表的な手段として知られる。Prologは他の手続き的言語や表計算では厄介な離散的領域でのモデリングに適している。また少々の数学的ユーティリティを作成することにより、動学的最適化を含む意思決定技法や情報システムのモデリングに幅広く適用できる。筆者は、決定木分析、最適探索、線形代数、協力ゲーム、信念関数、最短路アルゴリズム、関係代数などのProlog化を試み、実際にうまくいくことを確かめた。
  • 石島 隆
    p. 13
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    企業の財務諸表の適正性について第三者が意見表明を行う社会制度である財務諸表監査において、有効な内部統制は、監査実施の前提条件となる。企業の会計情報の作成過程において、ITを活用した情報システムへの依存度が高まる中にあって、情報システムの内部統制の有効性評価は、ますます重要になっている。本稿では、情報システムの内部統制の有効性評価について、その実務の現状を述べ、今後の課題を提示した。
  • 石岡 賢, 安田 一彦, 岩田 恒一
    p. 14
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    新製品は市場への投入後、製品ライフサイクルの4つのステージをたどるが、特に成長期から成熟期にかけた効果的な製品開発マネジメントは、その製品の利益獲得・増大に大きく関与する。本報告では、各ステージにおけるマーケティング戦略と新製品採用時期別の顧客特性の異なりを組み合わせて構築した市場対応型の製品開発戦略を基に検討を行う。成長期における戦略は市場の急速な拡大や新規参入製品への対応方法によって競争優位が獲得されるが、成熟期では停滞した市場拡大や顧客の製品に対する要求への対処方法によって、市場地位が確立される。このように異なる特性を持つ各ステージの戦略の効果的な移行方法について概念的考察を行う。
  • 河合 龍憲, 江崎 通彦
    p. 15
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本論文は、2002年秋季全国研究発表大会において発表をした「理工系の人にわかりやすい新しいパラダイムを開く管理会計の方法[1]」と「知識を知恵にかえる方法[2]」を結合してできた論文である。前回の論文は、事務系の人が行っている会計における仕訳表現は、「左側に借方」、「右側に貸方」として表現されているが、理工系の人にわかりやすい「左側にインプット(貸方)」、「右側にアウトプット(借方)」として表現することにより、仕訳を左から右へ流れるインプットとアウトプットの流れの関係として示すことができるので、理工系の人と事務系の人の共創の場を創り出すことができるようになるというものであった。本論文は、この仕訳表現と「知識を知恵にかえる方法」を結合して「知恵を創り出す管理会計手法の着想」として発表するものである。
  • 木嶋 恭一
    p. 16
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、交渉のドラマティックモデルを提唱し、それに基づき得られる洞察を検討する。それにより、(a)交渉とはそれに関与する当事者が直面する矛盾(ジレンマ)を解消する過程であること、(b)そのようなジレンマには2種類ありそれの解消と合意形成は同値であること、を導く。
  • 菊池 誉, 竹野 健夫, 菅原 光政
    p. 17
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    製品を加工する際,その生産形態において工程の型が分類されている.一般的には多段分解型工程と多段組立型工程の製品構成に大別され,それぞれ生産計画立案支援システムの提案がなされている.しかし,同一企業において,分解型工程と組立型の多段工程が混在する多段複合型の製品製造を行う際には,工程のレベル毎に資材情報と資源情報を再構築する必要が生じ,生産計画立案プロセスがより複雑になり,これに対応した生産計画立案支援システムはあまり見うけられない.本研究では多段複合型工程を持つ事例として,水産加工業の生産工程に着目し,多段複合型工程に対応した生産スケジューリングと原材料所要量計画立案支援システムを提案する.本稿では,対象企業のデータを使用して原材料所要量計画サブシステムの動作の確認を行い,その課題を抽出する.
  • 岸川 善紀, 住田 友文, 嶋崎 真仁
    p. 18
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    高齢者や障害者はその要介護度の進展に応じて、介護支援方策もまたそれに対応しなければならない。また要介護度のみならず家族の状況、収入といった社会的な条件も考慮する必要がある。本研究は高齢者や障害者の介護・福祉のために、その要介護度に応じた支援方策の一つの考え方を提案するものである。また、それぞれの課題に対する情報システムを援用した支援方策を検討する。
  • 岸川 善紀, 嶋崎 真仁, 住田 友文
    p. 19
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、SCM研究の実態を調査する上で、その前段階として新聞記事を元にした項目の累計調査を行う。まず、商品を生産タイプの違いによって分類し、それぞれについてSCMに求められる目的、手段の違いについて調査する。次に、サプライチェーン各段階での調査を行い、段階別でのSCM導入の目的、手段の違いについて分析を行う。
  • 北村 浩
    p. 20
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    企業の基幹業務において,企業間の取引や異業務間の取引を柔軟に行って,インターネット上の連携を推進することは,創造的な経営を実現するのに重要な情報化戦略である。従来型の業務プロセスを統合し市場の変化に対応したものに再編成するには,新しい情報化の提言が必要である。筆者は,業務プロセスを目的別に部品化し,この部品群をインターネット上のエージェント(Agents)を介して論理的に統合する業務サービスのパッケージ化を行う経営情報システムを提言した。このサービスを使用することで,汎用的な業務や専門的な業務がどのように連携され,循環的な企業活動がいかに支援されるかを考察した。
  • プロトタイプとリアルオプションの適用
    小松 昭英
    p. 21
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    情報システムを生産システムあるいは複数の利益創出システムに所属するサブシステムとしてとらえ、境界条件を明確に設定できる「システム全体に埋め込む」方法により、その経済性を評価する。さらに情報システムを利益創出に直接関与しないERPなどの企業内情報システムと、利益創出に直接関与するCRM/SCMなどの企業外情報システムに分け、段階的に実施するものとしてモデル化する。その経済性評価方法としては、正味現価、モンテカルロ現価、リアルオプションを比較の上、生産システムと企業内情報システムは正味現価法を、企業外情報システムはリアルオプション法を適用する。このプロトタイプを数値例により具体的に提示し、その合理性を明らかにする。
  • 河野 宏和, 山下 裕丈, 石田 育秀, 加門 大地
    p. 22
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、事務作業プロセスを、各主体が行なう作業ステップと、そこで必要となる情報項目および作業結果として生み出される情報項目が主体間で情報フローとしてやりとりされる一連のプロセスとして捉える。そして、対象とする事務作業を、時間の経過の中で作業ステップ、情報項目、情報フローに着目して記述する分析方法を、実際の企業での例を用いて提示する。さらに、対象とする事務作業の終わりの時点で真に生み出すべき情報項目に着目し、不必要な情報項目を排除するという考え方から、作業ステップや情報フローを排除・簡素化して事務作業を改善するためのフレームワークと具体的な改善のための問いかけを提案する。
  • 小坂 武
    p. 23
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    IS実施を捉える図的表現枠組みの開発において、アクタ・ネットワーク・セオリーと活動理論はそのベースとなる可能性を有するかを、それらが媒介性をどのように捉えているかを分析することで評価する。
  • 益満 環, 安田 一彦
    p. 24
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    ビジネス・プロセス・エンジニアリング(BPE)を迅速かつ確実に推進するためには、既存のビジネス・プロセス(AS-ISモデル)を明確に記述する必要がある。Business Process Modeling(BPMod)はそのための重要な活動であり、多数のBPMod技法が存在するが、BPModの視点や対象によって使用されるBPMod技法も異なる。我が国においては企業のビジネス・プロセスを表現するBPMod技法の種類や用途、対象について分析がなされておらず、業務改革におけるAS-ISモデルの記述をより困難にしている。そこで本研究では、AS-ISモデルを記述するためのBPMod技法を調査し、その特徴を整理する。
  • 目に見えない資産を視覚として
    松田 潤治
    p. 25
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
     価値の源泉は、人的資本にあり、そこで創造された価値が抽出されて、知的資産になる。人的資本から有用な価値を引き出すためには、徐著資本の管理が重要となってくる。 本稿では、上記のことを踏まえ、定量化が困難な情緒資本の分析と評価の問題を提起し、定性的に評価したものを、管理すべきであることを提言した。
  • 松本 憲洋
    p. 26
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    現在の厳しい経済環境の下では、企業は潜在需要を掘り起こし、顕在化した需要からできるだけ大きなシェアを確保するために、先ず差別化できる戦略を持つ必要がある。しかし、それだけで十分ではない。その戦略実現に向けて中期計画を実行できる優れたオペレーションがそれ以上に重要である。本論文では従来の予算管理を中心にした業務管理ループに、戦略の評価と見直しを主目的とした戦略学習ループを加えたバランスト・スコアカード(BSC)経営をとりあげる。BSC経営において戦略目標値の設定法と、戦略の前提となっている仮説の設定・分析・検証法に問題が残されていることを指摘した。そして、システム・ダイナミックスによるモデリングをベースにした「モデル・ベースト経営」を活用してその問題を解決することを提言した。
  • 三浦 吉孝
    p. 27
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本論では、既に報告した2つの組織モデル(フローモデル、ストックモデル)を用いて、財務分析として広く用いられている比率分析の再記述を試みる。 まず、フローとストックの次元整合の確認として、「金・人・時間」を基本単位に設定し、組織モデルで扱う変数のそれぞれの次元を導く。 次に、比率分析で用いる各指標について、フローとストックの複素数表示と実数表示による再定義を行い、組織活動の記述性を考察する。
  • アマチュア的オンライン古書店の互助的活動の事例を中心にして
    桃塚 薫
    p. 28
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    文化産業は,社会における文化・営利という相反する2つの価値観を組織の中に導入する.出版不況は熱心なアマチュア読者層の縮小に原因があるが,オンライン上では,古書愛好家が古書の供給者となる例があり,そこでは,文化・営利的価値観だけでなく,非意図的変革活動(オルト・エリート)の価値観が取り込まれている.このような活動の組織化に失敗した事例を観察した結果,オンライン上の古書愛好家たちの相互行為を活性化するには,オルト・エリート的価値観の内面化と営利的価値観のマネジメントの成功が鍵を握ることが明らかになった.
  • 向日 恒喜, 中村 雅章
    p. 29
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、電子コミュニケーション(CMC: Computer-Mediated Communication)を活用している企業の従業員から得られたデータをパス解析によって分析し、企業におけるCMCの運用が、CMCの効果や組織の変化を介して従業員の職務満足に与える影響について検討した。その結果、企業による効果的なCMCの運用が、直接的に、また間接的に職務満足を高めることが明らかにされた。
  • 南波 幸雄, 飯島 淳一
    p. 30
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    情報システムのアーキテクチャを、建築学におけるアーキテクチャとのアナロジーから考えるアプローチが,数多く提案されている。しかし、企業情報システムのような、大規模で複雑な構成を持つシステムには、このアナロジーをそのまま適用することは難しい。これは主として、個別のアプリケーションのアーキテクチャを考えることと、ア_-_キテクチャの集合体としての企業システムのアーキテクチャを考えることに対して、異なるアプローチが求められるためである。本報告では、アーキテクチャの集合体のアーキテクチャが、個別の建築物の集合体としての都市計画に相当すると仮定して、IT都市計画アプローチを提案する。そして、企業システムに対しての、建築学における都市計画の考え方、方法論の、適用性と有効性について検討する。
  • 小笠原 泰
    p. 31
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    ネットワークのオープン化への方向性を決定付けたICT(情報通信技術)の飛躍的発展を鑑みて、ICTを単なるツールとしてではなく、価値創造のプロセスへの構造的インパクトを与えるパラダイム・シフトとして捉え、企業活動へのインパクトについての考察を行う。そして、この文脈の中で、何故ビジネス・モデルというコンセプトが、ビジネス・システムとビジネス・プランに加えて、出現したかを検討し、その後、ビジネス・モデルを要素モデルと言う観点から分析し、日本に置けるオークション・ビジネスを例として、ビジネス・モデルにおける要素モデルの有機的連関性についての試論的検討を試みる。
  • 大武 諭, 奥田 隆史
    p. 32
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    現在のネットワークを継続的に発展させていくためには,ネットワークプロバイダ間の公正な競争を可能にする価格設定メカニズムが必要である.本研究では,ISP(インターネットサービスプロバイダ)の価格設定問題についてゲーム理論を用いて検討を行う.ゲームの参加者(Player)をQoS(Quality of Service)が利得となるユーザと利益の最大化を目的とするISPとし,それぞれの効用つまり利得をISPの設定する料金によって算出し,お互いの最適解を分析する.
  • 大石 太郎
    p. 33
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    要旨近年、大企業の合併による超巨大企業の誕生が相次ぐ反面、ベンチャーを含む中小企業のネットワークの重要性も叫ばれている。20世紀を大量生産・大量消費型の大企業の時代と位置づけるならば、21世紀はその延長線上でさらに巨大な企業の時代となるのだろうか、あるいは小型企業のネットワークの時代となるのだろうか。この疑問に答えるために、インターネットの持つ特性という観点から検討したところ、インターネットが中小企業に優位性をもたらしていることがわかった。したがって中小企業にとって、インターネットの導入を付加価値に結びつける戦略が必須である。一方、消費成熟化社会では、その付加価値がオリジナルな価値であることが求められる。オリジナルな価値は、カスタマイズ価値、イノベーション価値、ポテンシャル価値の3つに分類できる。最後にそれら3つの価値の視点から、中小企業がとるべき戦略について提言した。
  • 韓国中小企業を対象にしたケース・スタディー
    朴 英元
    p. 34
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年、多くの企業では情報システムの導入を行っているが、情報技術の導入には実際には様々な問題があり、経営の効率化は必ずしも容易ではない。その中の大きな問題の一つが、コア・コンピタンスと情報技術との適合性の問題である。導入過程において、コア・コンピタンスと情報技術との適合性がないところは、情報技術を導入しても失敗する可能性は高いと思われる。そこで本稿では、韓国中小企業のERPシステムの導入ケースを取り上げて両関係を分析した。分析結果は、以下のように三つに分けることができる。第一に、ERPシステムの導入には、生産仕組みなどの技術コンピタンスとの適合関係があることが分かった。第二に、ERPシステムの導入を成功させるためには、自社のコア・コンピタンスを考慮しなければならないことが分かった。最後に、それに合わせて、経営者の支援とユーザーの参加も必須的であることも明らかになった。
  • 斎藤 正武
    p. 35
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    現在、大学では実践教育の重要性が認識され始めている。そこで、本研究では製品開発をテーマとして取り上げ、製品開発手順を体系化し、学習者に製品開発の手順と各ステップで利用する手法を実践的に学習させる教育支援システムの開発を目的とする。研究内容としては1)教育シナリオの提案、2)提出物のフォーマットおよび模範解答の作成、3)教育シナリオで適宜利用されるサブシステムの開発を行った。また、開発した教育支援システムの有効性の検証として、実際に被験者(学生)および製品開発に関連のある教育者にシステムを体験してもらい、アンケートおよびインタビューを行った。
  • 酒井 哲也, 伊藤 潤, 後藤 正幸, 石田 崇, 平澤 茂一
    p. 36
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    大学における授業の改善を最終目標として学生アンケートの自由記述を自動分析したのでその分析手法および分析結果について報告する。情報検索における擬似適合フィードバック技術の適用が、学生の考えを効率よく把握するのに有用であることを示す。
  • 笹平 敏昭, 金田 重郎
    p. 37
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    中小企業のIT導入は大企業と比べ遅れている。IT政策策定における、アンケートによるニーズ把握が必ずしも十分機能していないとの下、客観的手法で問題を構造化して、分析の深化を図り検証した。その結果、導入や取引先との調整に関するノウハウを持った人材の確保、という中小企業固有の問題が導かれた。従来の顧客企業支援を中心の政策に加え、ITベンダーを中小市場に参入させるベンダーサイドの問題として注目される。具体的アプローチは、1)中小企業のIT化に関するキーワードを雑誌等のDBから使用頻度を求め、ISMに適用して問題を構造化する。2)ISMによる分析結果を下に、WD(Work Design)で具体的解決策を探究する
  • 佐藤 亮, 蔡 東倫, 二村 暢之
    p. 38
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    MRP/MRP IIによる生産計画はタイムバケットを使い、月次や週次の計画を立てる。一方、スケジューリングに基づく生産計画は、能力計画と所要量計算を統合するほかに、タイムバケットなしに連続的に生産計画と管理を行うことができリアルタイム・システムと呼ばれる。直観的には後者がタイムバケット方式より有利だが、いくつかの側面ではタイムバケット方式とスケジューリングに基づく生産計画との組み合わせ方式が優れている可能性がある。本発表ではビジネスプロセスの理論を使ってシミュレーションによる比較を行う。
  • 沢 恒雄, 西牧 武彦
    p. 39
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    知識社会で社会システムの中核となる情報システム化の先導役としてITコーディネータの制度が創設された。ITC概念やITCA(協会)は、成長期にあるにもかかわらず、活動は低調で未成熟である。社会システムのコアとなるべき認識も薄い。中小企業へのIS化の啓蒙と浸透を目的としたITC制度とITC概念の改革を提示する。業種や業態別のポータル化の提案を当論文で行う。IIIP(Integrated Industrial Information Portal)Systemである
  • 沢井 太郎, 小坂 武
    p. 40
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本発表は経営学の分野で議論される組織的な(協同での)知識創造の有効性について、より詳細な検討をするために、外化媒体を用いた協同行為を取り上げ、 その解析に認知科学分野の研究方法を取り入れ行った実験結果を報告する。具体的な研究報告の焦点は次の二点である。1.協同で知識創造をする場合は個人で行う場合と比べて、知識創造のプロセスの面でどのような違いがあらわれるか。2.協同で知識創造を行う場合、どのような環境の下で行うとより効果的か。
  • 関 恒善, 辻 正重
    p. 41
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    環境問題が人類の生存に関わる問題としてクローズアップされてきて、環境に関する様々な情報を認識することが重要になってきた。そこで本研究では、複雑かつ多岐にわたる環境問題の実態を総合的に把握し、環境問題に関して興味を持った人なら誰でも時間・場所などを意識せず利用でき、情報を知ることが出来るwebシステムを開発することを目的とする。そのためにこのシステムでは、1)環境問題を日本、世界に関して各々大きく5つの分野に分割、2)5つの分野に関してそれぞれフローチャートを作成、3)各分野の詳細項目に関しての説明・知識、および具体的な統計データの掲載、4)因果関係のある項目同士の統計データを用いての回帰分析、5)各詳細項目ごとに関するリンクの張り付け、と設計されている。
  • ワークショップ:定性的研究の5つの伝統とIS研究への適用可能性(その2)
    柴 直樹
    p. 42
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本記事では,社会科学における「定性的研究」を分類する試みの1つとして,Creswellによる,5つの伝統(tradition)に関する議論を,特にそれらの相違点に着目してまとめる.
  • 柴 直樹, 成田 顕
    p. 43
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    筆者の一人は,先行研究において,企業などの情報開示戦略の効用を検討するための枠組として,囚人のジレンマゲームをベースにした情報のやり取りを含む繰り返しゲームを用いた分析方法を提案している.本研究では,先行研究で取り扱った3つの特徴的な戦略を含めた多様な戦略プールの中から,淘汰(selection)によって優位な戦略を探索する試みを行なったので,報告する.通常の繰り返し囚人のジレンマゲームで優位とされているTFT(tit for tat)戦略をベースにした4096通りの戦略の中から,淘汰圧パラメータを変えることで,優位なものとして選ばれる戦略が異なることや,淘汰後に残った優位戦略に共通な戦略パターンが見られることを報告する.
  • 企業創生への新しいアプローチを求めて
    柴田 祐作, 古川 忠始
    p. 44
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    21世紀も3年目に入り、新しい世紀、というよりミレニアムの特異性が徐々に明らかになってきた。それは、目標の観点から見れば技術・経済から文化・感性への転換であり、手段の観点から見れば量的生産の効率から文化創出の創造性への転換である。この変化に対応することは、従来のナレッジ・マネジメントを超えることを意味しており、新しい戦略論と組織論とが待望されている。さらに、それらの新しい理論を現実の組織行動に移植するためのイネイブラー、ないしチェンジ・エージェントが必要となってきた。今回の発表では、JASMIN東海「成熟度ワークショップ」と、同じく「ミームワークショップ」の成果に基づき、イネイブラーの観点から一つのアプローチ“SINPL-MEGANET”を提案する。
  • 嶋崎 真仁, 住田 友文, 山本 佳広
    p. 45
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    産業構造の進展に伴い、高等教育の需要が高まると同時に中等教育の役割が構造変化してきている。地方においては、産業の空洞化の影響で、これまで労働力の中心となっていた専門高校卒業生の需要が落ち込む一方で、高等教育への進学を希望する生徒の割合が相対的に増加している。このため、本稿は、地域における専門高校の役割を考察するため、産業構造の進展と専門高校の設置再編との関係を論ずるものである。
  • 嶋崎 真仁, 岸川 善紀, 住田 友文
    p. 46
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    本稿は、携帯電話の使用に伴う青少年の日常行動について考察するものである。携帯電話がコミュニケーション手段として定着した一方、それを使用する青少年は影響を受けている。そこで、秋田県本荘由利地区の高校生と大学生を対象にアンケートを行い、その実態の一面を明らかにしようとするものである。
  • 志村 健一, 出口 弘, 新藤 久和, 吉澤 正
    p. 47
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    TQMにおける改善活動の導入過程について、社会学習動学に関するモデルを適用する事を試みた。ここで取り上げる社会学習動学(Social Learning Dynamics 以下LDと略す)モデルは出口(2000)1)により提案されたものである。TQM活動が組織に行き渡った状態を1とし、導入前の状態を0として、0から1への変化を扱う力学系のモデルとして定式化する。そしてどのような場合に1が不安定解になり、どのようなパラメータを与えることにより安定化できるかについて検討を行った。その結果、トップ診断がモデルを安定化する上でのパラメータとして定式化できることなどを示した。
  • 電気通信事業と他産業の比較
    白石 規哲, 飯島 淳一
    p. 48
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    企業の競争力を獲得・増大させる手段として、戦略的提携や資本提携あるいは買収等(ここではこれらを包括的に戦略的関係と呼ぶ)を行うことが一般的になりつつある。これらの関係のうち、いずれの形態を採用するかは個々の企業戦略によると理解されているが、業界によりその傾向は明らかに異なると考えられる。ここでは電気通信事業を中心に、航空業界および医薬における戦略的関係の傾向との差異を明らかにし、各々の産業におけるビジネスプロセスとの相関を指摘する。さらに戦略的関係を決定する要素のひとつとしてビジネスプロセスをも考慮した企業間関係のモデルを提示する。
  • 住田 友文, 嶋崎 真仁, 土田 正
    p. 49
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    近年、経営手法の進展に伴い、アウトソーシングが普及している。アウトソーシングを経営戦略に位置づけるためには、その効果が測定されなければならない。しかし、そのための知見は未だ十分に得られていない。そこで本稿は、その前提としてアウトソーシングを把握する枠組みに関する試論を展開するものである。
  • 住田 友文, 嶋崎 真仁, 笹森 洋
    p. 50
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    わが国の企業の太宗は零細企業である。とくに、地方においてはその傾向が顕著である。したがって地方の地域経済を支えている経済主体として零細企業の動向はきわめて重要な意味を持つ。しかしながら、零細企業の経営にとってどのような経営情報が必要とされているかは、まだ十分に明らかになっていない。そこで本稿は、まず地方のケースとして秋田県を取り上げ、零細企業の実態と経営者が抱えている経営課題を明らかにしようとするものである。
  • 住田 友文, 嶋崎 真仁, 岸川 善紀
    p. 51
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    市場調査のためにはさまざまな手法が開発されている。しかし、地域に関連した市場調査については、その手法は必ずしも定着しているとは言えない。そこで本稿は、地域の特性を抽出する一手法を提案し、そのケーススタディを行うものである。
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