看護教育学研究
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【総説】
  • 植田 満美子, 舟島 なをみ, 服部 美香, 伊勢根 尚美, 亀岡 智美, 金谷 悦子, 鹿島 嘉佐音, 宮芝 智子, 山下 暢子, 山澄 ...
    2020 年 29 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー
     大学院生を含む看護学生や看護職者の学習、研究、職業活動には、「書く」という行為が欠かせない。「書く」という行為は、看護学の学習の場や臨床実践において、他者への感情や思考の伝達や説明、産出された研究成果の共有、他職種と意思疎通を図り連携し協働するために必要となる。そのため、看護学生や看護職者の発達に向けては、「書く」という能力の向上が不可欠である。様々な「書く」という行為のうち、専門的な学問領域の知識を系統的に執筆することを「学術的執筆」という。筆者らは、看護教育学の研究者たちと看護学教育における学術的執筆に関する10件の海外文献を検討した。その結果、看護学教育への課題として、次の3点を確認した。その3点とは、①水平軸に学生の学術的執筆能力の発達への支援を据えたカリキュラム開発、②教員自身の執筆能力や執筆指導能力の発達、③教員の経験に基づく学生への学術的執筆支援から、研究成果に基づく支援への発展、である。また、看護教育学研究の課題として、次の3点の示唆を得た。その3点とは、①学術的執筆を指導する教員に焦点を当てた研究成果の蓄積、②①の研究成果と学生に焦点を当てた研究成果の統合、③看護学生や看護職者の学術的執筆能力を評価するための信頼性および妥当性を確保した測定用具の開発である。
【原著】
  • 南本 ゆみ, 中山 登志子, 舟島 なをみ
    2020 年 29 巻 1 号 p. 11-24
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、看護基礎教育機関を退学した学生の退学に至る経験を表す概念を創出し、その特徴を考察することである。看護基礎教育機関退学後5年未満の者11名を対象に、半構造化面接を実施し退学を思案する6ヶ月前から退学に至るまでの経験をデータとして収集した。看護概念創出法を適用し収集したデータを分析した結果、看護基礎教育機関を退学した学生の退学に至る経験を表す19概念を創出した。19概念とは【看護学の学習への期待と学生生活の満喫】【教員からの看護師就業意思決定への干渉受理】【家族への退学願望秘匿と契機獲得による退学願望表出】【退学決断による新たな目標実現に向けた活動】等である。考察の結果、看護基礎教育機関を退学した学生の退学に至る経験を表す19概念が〔授業の目標達成を目指し学習を進める一方、その過程で困難に直面する〕〔青年期の発達課題の克服を困難にする可能性がある〕〔学生と指導者の間の上下関係により、学生が弱者となった結果生じる〕〔最終的に退学を決断し、それを表明するまでの過程により生じる〕〔新たな目標が明確に定まるとそれに向けて尽力する〕の5つの特徴を持つことを示した。教員や実習指導者は、退学した学生が、これらの特徴を持つ経験をしていることを理解することが必要である。
  • 佐藤 栞, 中山 登志子, 舟島 なをみ
    2020 年 29 巻 1 号 p. 25-37
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、手術看護に携わる看護師の学習ニードを解明し、その特徴を考察することを通じて、手術看護に携わる看護師の効果的な学習の促進に向けた示唆を得ることである。全国の病院の手術部に所属する看護師777名を対象とし、学習ニードを問う自由回答式質問を含む質問紙を用いてデータを収集した。質問紙の内容的妥当性は、パイロットスタディにより確保した。回答を得た372名(回収率47.9%)のうち、学習ニードを問う自由回答式質問に回答した256名の回答をBerelson, B.の方法論を参考にした看護教育学における内容分析を用いて分析した。分析の結果、手術看護に携わる看護師の学習ニードを表す36カテゴリが明らかになった。36カテゴリとは、【麻酔下にある患者の看護に必要な知識と技術】【周手術期の看護実践の基盤となる看護学・解剖生理・病態・疾患・薬剤の知識】等である。Scott, W, A.の式によるカテゴリ分類への一致率は70%以上であり、カテゴリが信頼性を確保していることを示した。考察の結果は、手術看護に携わる看護師の学習ニードが、〈手術をうける患者への看護実践の基盤〉〈手術をうける患者に固有の看護実践〉〈円滑な手術進行に向けた専門性の発揮〉〈周手術期にある患者への看護の継続〉等の9つの特徴を持つことを示した。本研究の成果は、手術看護に携わる全ての看護師が自己の学習ニードを明確にするための指標となり、効果的な学習に向け活用できる。
  • ―看護実践の質との関係に焦点を当てて―
    髙橋 聡子, 上國料 美香, 亀岡 智美
    2020 年 29 巻 1 号 p. 39-53
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/06/30
    ジャーナル フリー
     研究目的は、病院に就業する看護師が展開する学習活動と看護実践の質との関係を探索し、看護実践の質向上につながる効果的な学習活動のあり方とその実現に向けた課題を検討することである。
     文献検討に基づき概念枠組みを構築した。測定用具には対象者の人口統計学的特性、学習活動を問う項目、看護実践の質を測定する「看護実践の卓越性自己評価尺度-病棟看護師用-」(舟島ら、2015)から成る調査票を用いた。全国91病院に就業する臨床経験5年以上11年未満の病棟看護師1,177名に調査票を配布し、返送された516部(回収率43.8%)のうち有効回答383部を分析した。
     その結果、〔意図的・計画的に学習機会を確保する〕、〔疑問点や不明点を放置せず根拠に基づき納得できるまで探究する〕、〔日常の看護実践場面に学習機会を見いだし積極的に活用する〕等、5種類の学習活動が看護実践の質に関係していた。
     考察の結果は、これら5種類の学習活動の実現に向け、看護師が質の高い看護実践への責任を自覚し、学習の重要性、根拠に基づく看護実践を価値づけ、行動の基盤としていることが重要であることを示唆した。
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