スポーツ選手の抑うつ症状は、心身の健康やパフォーマンスを阻害する。しかしながらわが国のスポーツ選手における抑うつ症状の実態や関連要因はほとんど知られていない。本研究の目的は、わが国の大学スポーツ選手における抑うつ症状の分布とカットオフ値以上の割合、抑うつ症状と怪我およびパフォーマンス停滞との関連を明らかにすることであった。大学スポーツ選手368名を対象に、Center for Epidemiologic Studies Depression Scale(CES-D)による抑うつ症状、怪我の経験と怪我に伴う活動停止期間、パフォーマンス停滞の経験とその期間を横断調査した。その結果大学スポーツ選手の3名に1名がCES-Dのカットオフ値(16点)を超える抑うつ症状を経験していた。怪我、パフォーマンスおよび各期間は、抑うつ症状と有意な関連はみられなかった。今後、抑うつ症状との関連要因をさらに検討していく必要がある。
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