本稿の目的は、1950年代はじめから1970年代後半までのハワイで日本のポピュラー音楽の演奏を行っていたナイト・クラブについて報告することにある。これらのナイト・クラブは、1950年代はじめから1960年前後までが数も多く、生演奏の他に日本舞踊やストリップ・ショー等もあり、ドアの外で客たちが並ぶほどであった。その後1960年代から1970年代へと時代が下るにつれて数も減り、演奏する曲目もアメリカのポピュラー音楽の占める割合が増えて、1970年代後半には姿を消した。
ナイト・クラブの状況から、全く日本のポピュラー音楽のみを好んでいたのはごく一部の二世までであり、三世以降の日本のポピュラー音楽の愛好者はアメリカのポピュラーも愛好していると推察できる。
抄録全体を表示