システム農学
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23 巻 , 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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研究論文
  • 飯泉 仁之直, 石田 憲治, 平児 慎太郎, 永木 正和
    23 巻 (2007) 4 号 p. 273-282
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    主に異常気象から生じる収量変動は農業経営上の主要なリスクである。農業生産者は栽培管理を通じて収量被害を減らそうと試みるため、収量被害の特徴は農家や集落の社会・経済特性と関係があると考えられる。そうした関係の理解は、効果的な農業政策を検討するうえで重要であるだけでなく、その関係を被害評価モデルに組み込むことで、農業生産に対する温暖化の影響評価をより現実的なものへと発展することが期待される。そこで本研究では、水稲の収量被害と集落の社会・経済特性との定性的な関係の解明を目的とする。解析の結果、被害の強度と年々変動は共に、自給的農家率が高く、経営水田面積が小さく、耕作放棄面積が多く、高齢農業人口割合が高く、若年農業人口割合が低い地域で相対的に大きいことが示された。こうした傾向は地形条件が異なる場合でも一貫している。相対的に大きな被害量と年々変動を説明するために、次の二つの仮説を提案した。一つは高齢化からくる労働力の量あるいは質の低下、もう一つは低い農業収入比率からくる手厚い管理を行う意欲の低さ、である。この仮説は、販売農家は確保された労働力と自助努力により被害を軽減している一方、高齢農家は、労働資源と意欲の不足から十分な栽培管理を断念しているという可能性を示唆している。
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  • PERVEEN Mst. Farida, 長澤 良太, CHONGO Daniel, Ahmed A. Ould Cherif
    23 巻 (2007) 4 号 p. 283-295
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    バングラデッシュ国においては農業は国家の基幹産業であり,米は主要農作物であるにもかかわらず,生産性は著しく低い。その生産量は,現実に急速な人口増加に伴う需要の増大に対応できない状況にある。本研究では,リモートセンシングと地理情報システム(GIS:Geographic Information System)技術を駆使して水田の適地選定を行うとともに,その結果と土地利用の現況を比較して,今後の農業的土地利用計画に資する情報の整備を行った。調査対象地域は,同国北西部に位置するハリプール ウパジラ郡で,今回は主に土壌,地形に関する自然環境要因に基づいて解析を進めた。評価の方法としては,MCE(多目標関数評価)法およびAHP(解析的階層化法として知られる1対比較行列)法を採用した。現況の土地利用はTerra/ASTER の最尤法分類によって解析した。解析の結果,現在水田として利用されている土地の37%が最適地,25%が適地とされたが,35%はかろうじて適地であるという評価になった。
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  • 田中 真哉, 後藤 誠二朗, 牧 雅康, 秋山 侃, 村元 靖典, 吉田 一昭
    23 巻 (2007) 4 号 p. 297-303
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    冬小麦の子実タンパク含有率を早期に予測するために、小麦の出穂-開花期において、新しい植生指数を用いて葉身クロロフィル濃度を推定する手法について提示した。地上での分光反射計測データから算出した従来の植生指数NDVI(Normalized Difference Vegetation Index )、TCARI/OSAVI(Transformed Chlorophyll Absorption in Reflectance Index/Optimized Soil-Adjusted Vegetation Index)及び新しい植生指数rbNDVI(red and blue Normalized Difference Vegetation Index)を比較したところ、葉身クロロフィル濃度に対する相関はrbNDVI で最も高く(2006 年: r2=0.701, 2007年: r2=0.802)、得られた推定式の年次間差も小さかった(RMSE: Root Mean Square Error=4.77µg cm-2)。rbNDVI について、ALOS/AVNIR-2(Advanced Land Observing Satellite/Advanced Visible and Near Infrared Radiometer type 2)の帯域幅に合わせて計算したところ、狭帯域幅での結果と同程度の決定係数を得たことから、衛星レベルにおいても本手法を適用できる可能性が認められた。小麦の出穂-開花期におけるクロロフィル濃度は、子実タンパク含有率と高い相関があることから、本手法を用いることによって広域にわたる栽培圃場の子実タンパク含有率の評価や当該年の栽培管理に有用な情報を提供できると考えられた。
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  • 劉 晨, 王 勤学, 水落 元之, 楊 永輝, 石村 貞夫
    23 巻 (2007) 4 号 p. 305-316
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    長江流域農村地域の持続管理について検討するため、人間生活(食物消費や排泄物の排出など)が窒素フローに及ぼす影響を定量的に解明した。まず、中国長江中下流にある湖南省桃源県(平原地域で、農業機械化が進展している現代化農村地域)と江西省泰和県(丘陵地域で、伝統的な農業が維持されている伝統的な農村地域)の2代表地域における日常生活調査を行い、1日1人当たりの各食物から摂取する窒素量および排泄物として環境への窒素潜在負荷量を推定した。その結果、各食物から摂取する窒素の量は、桃源県では17.0 g-N/人/日であり、泰和県では16.0 g-N/人/日であった。桃源県は総カロリーのおよそ47%が穀物類から、33%が肉類、卵類、水産類および乳類などの動物性食品から摂取されているが、泰和県は50%が穀物類から、29%が動物性食品から摂取されていることがわかった。また、桃源県と泰和県の人間の排泄物の土壌に還元される割合はそれぞれ26 %と67%であり、河川への排出割合はそれぞれ74%と33%であった。したがって、人間の排泄物の環境への潜在窒素負荷量は、桃源県では年間1人当たりおよそ1.61 kg-Nが土壌へ、4.58 kg-Nが直接河川へ、泰和県では年間1人当たりおよそ3.91 kg-Nが土壌へ、1.93 kg-Nが直接河川へ排出された結果となった。さらに、作物生産・消費の両方を取り込んだ窒素フローモデルを用いた両地域の比較によって、生活の変化が窒素フローに与える影響を検討した。その結果、経済の発展や都市化の進展により、農村地域における肉類の消費量を増加させ、作物の一次生産よりも肉類などの二次生産が重視されるようになった。また、地域内の人間の排泄物などの有機物資源の循環利用が減少し化学肥料や県外からの輸入飼料に依存するようになることが明らかとなった。
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  • 長命 洋佑, 竹内 佳代, 福井 弘之, 先川 香緒里, 熊谷 元, 広岡 博之
    23 巻 (2007) 4 号 p. 317-325
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    イネ発酵粗飼料(イネWCS)の生産と飼料用水田への堆肥の還元は、水田の維持と家畜由来の環境問題の解決の有効な手段として期待されている。本研究では、徳島県高志地区において飼料イネを生産し、飼料として利用している15戸の酪農家に対して実施した聞き取り調査の結果をもとに農家の特徴づけを行った。農家の分類は、「ふん還元率」、「飼料用水田比率」、「ふんの飼料用水田への還元率」および「飼料用水田の借地率」の4変数を用いたクラスター分析によって行った。分析の結果、農家は2つのグループに分類することができ、第1グループは、乳生産による所得向上を目的としている農家で構成され、第2グループは、農家内の資源循環の向上に重点を置いている小規模農家で構成されていた。第1のグループに属する農家は、第2グループの農家と比べて、飼料イネを乾草より安価な飼料として評価し、また助成金の受給およびコントラクターによる労働作業の軽減に対して高く評価していることが示唆された。
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総説
  • 近藤 美由紀, 内田 昌男, 小泉 博
    23 巻 (2007) 4 号 p. 327-337
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    大気−生態系間のCO2交換を左右する炭素循環のプロセスと炭素収支変動のメカニズムの解明など、炭素循環研究において安定同位体を用いた新しい手法が利用されるようになってきた。これは、CO2とその起源物質の炭素安定同位体比(δ13C)を用いることで、CO2の発生起源の推定や、炭素のプール間あるいはプール内での炭素循環プロセスの理解や各フラックスの評価が可能になったためである。たとえば、呼吸によって放出されたCO2が光合成によって生態系に取り込まれる再固定過程(CO2 recycling)は、炭素安定同位体を用いることにより初めて評価することが可能になった循環過程である。また、このCO2 recyclingは、渦相関法によるCO2フラックス観測に同位体フラックス観測を組み合わせ、光合成と生態系呼吸を別々に評価する際、推定に誤差を生む原因として注目され、ここ数年の間にこの問題に取り組む研究例が蓄積されつつある。そこで、本稿では、CO2 recyclingに関する研究の現状、これらの研究で用いられている手法、ならびに今後の課題について整理した。さらに、様々な生態系においてCO2 recyclingの定量的評価が進むことにより、炭素収支を左右する個々のフラックスがより正確に評価され、気候変動に伴う炭素収支の変動メカニズムの解明につながることを解説した。
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