システム農学
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24 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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研究論文
  • 佐藤 寿樹, 藤田 泉
    24 巻 (2008) 1 号 p. 1-10
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    本論文では、コンパートメントモデルを使用し、耕畜連携営農集団の窒素循環について解析した。特に、シミュレーションにより耕畜連携システムの窒素循環における作物利用の効果について検討した。この解析から以下の結果が得られた。1.耕畜連携システムの窒素循環と農地単位面積当り牛飼養頭数とに顕著な相関が認められた。2.水田面積率、飼料作物単収、堆肥化過程における窒素損失率が窒素循環に大きな影響を与えた。3.中国地方の営農集団と都府県酪農の窒素循環比較において、農地単位面積当り牛飼養頭数が小さいにも関わらず、中国地方の営農集団の窒素循環率および窒素効率は低くなった。この結果は、中国地方の営農集団の水田面積率が大きいことと飼料作物単収が小さいことが主な理由と考えられた。
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  • 白木 達朗, 橘 隆一, 立花 潤三, 後藤 尚弘, 藤江 幸一
    24 巻 (2008) 1 号 p. 11-17
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    本研究では野菜の生産過程に着目し、CO2排出量の変遷を作物ごと、あるいは露地、施設加温などの栽培体系ごとに解析した。その結果、1975年には野菜生産によって約4百万tのCO2を排出していたが、1984年には約3百万t まで減少していることが示唆された。特に葉茎・根菜類野菜生産によるCO2排出量が減少していた。これは化学肥料の生産量減少、あるいは有機農業等の運動に起因するものである。一方で、果菜類野菜による排出量が全体の半分以上を占めた。特に、トマトときゅうりは全体の生産量の1 割程度にもかかわらず4割近くの排出量に達していることがわかった。さらにトマト生産によるCO2排出量は1980年代から上昇した。中でも光熱動力による排出量は1975年から20年間で約5倍になっている。また、施設加温のトマト生産の環境効率を推計したところ、CO2排出量増加に伴って非常に悪化していることがわかった。しかし、無加温のトマト生産、特にハウス無加温は平均して約0.6千円/kg-CO2と環境効率が非常に高いことがわかった。また、ハウス無加温の平均粗収益は1t当り102千円と露地に比べ1.5倍高いこともわかった。
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  • EVRI Muhammad, 秋山 侃, 川村 健介
    24 巻 (2008) 1 号 p. 19-29
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    ハイパースペクトル情報による水稲生育の植生指数(本文中では区別するため、分光指数RI と呼ぶ)を選択するため、インドネシア・ジャワ島北部の水田で栽培試験と分光反射計測を行った。3品種、4施肥段階で水稲を栽培し、田植えから収穫まで11回、ほぼ1週間間隔で可視・近赤外ハイパースペクトル分光放射計を用いて分光反射を計測し、同時にサンプリングを実施した。得られた分光反射データで作成した6種類の分光指数により、水稲の葉面積指数(LAI)とSPAD 値を推定した。解析に用いた波長帯は400-980nm(117波長)、対象とした分光指数は、単波長反射係数、一次微分値(FDR)、比分光指数(RRI)、正規化分光指数(NDRI)、再正規化分光指数(RDRI)、および土壌補正分光指数(SARI) の6種類であった。このうち2波長を用いる4種の分光指数については、作成したプログラムにより6,786 通りの組合せを検証し、最適組合せを選択した。その結果、LAIに対する決定係数R2は0.883から0.908、SPAD値のR2は0.667から0.771 の範囲にあった。LAI推定の有効波長帯の多くはレッドエッジ帯(715-730nm)であったが、最も相関の高い波長組合せは835nm と720nm を用いたNDRI(R2=0.908)で、SARI(R2=0.906)がこれに次いだ。これに対してSPAD 値の推定には715nm と720nm を使ったSARI(R2=0.771)が最も高く、同波長によるNDRI(R2=0.705)がこれに次いだ。検証用データセットを用いた結果でも高い相関が得られたことから、ハイパースペクトル分光放射計により、LAIとSPAD値を推定するための波長帯と分光指数を効率的に選択できると推定された。これらの基礎データは、将来ハイパースペクトル衛星のデータが得られるようになると、適切な施肥や栽培のための管理情報を提供できるようになると期待される。
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  • EVRI Muhammad, 秋山 侃, 川村 健介
    24 巻 (2008) 1 号 p. 31-42
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    インドネシア・ジャワ島北部の水田で3品種、4施肥レベルで栽培した水稲の生育変数(葉面積指数LAIとSPAD計測値)を、ハイパースペクトル反射計測データを使った主成分回帰PCRと部分最小二乗回帰PLSRモデルで推定した。本研究では多変量解析であるPCR、PLSR の有効性と実用性について、全波長の反射率と一次微分値FDRデータで比較した。モデルの性能は、決定係数(R2)、クロスバリデーションの決定係数(R2CV)、検証データ中の二乗平均平方根誤差(RMSEP)、クロスバリデーション中の二乗平均平方根誤差(RMSECV)、校正データ中の二乗平均平方根誤差(RMSEC)によって検証した。LAIとSPAD値推定に対する予測精度はR2の向上と潜在変数NLVの減少で示され、PLSRモデルの方がPCRよりわずかに良好であった。とりわけPLSRで求めたLAIは、反射率(R2=0.956)でもFDR(R2=0.956)でも良かった。LAI、SPAD値推定に関してPCR、PLSRなどの多変量解析は著者らが以前行なった単純線形回帰と比較しても良い結果が得られた。生育変数の実測値と予測値を検証した結果でも、PLSRがPCR より推定精度が高いことが判った。
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  • 金本 麻衣子, 田中 真哉, 川村 健介 , 松古 浩樹, 吉田 一昭, 秋山 侃
    24 巻 (2008) 1 号 p. 43-56
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    東海地方では,水田転換作物としてしばしば冬小麦が栽培される。しかし,乾燥地域を原産地とする小麦を水田輪作地で栽培すると,穀実中のタンパク含有率が低くなるうえ圃場内のばらつきが大きいため,品質の管理が困難である。そのため,圃場内および圃場間における小麦の品質分布について,精密かつタイムリーに観測する技術の構築が求められている。本研究では,現地観測で得られたハイパースペクトル反射計測データ(400~950 nm,111 波長)の中から,小麦の地上部現存量と葉面積指数(LAI),ならびに葉身中の窒素含有率の推定に生育期間を通じて有効な波長を選び出すために,(1)2 バンドの全組み合わせによる正規化植生指数(NDVI)と,(2)Partial least square(PLS)回帰分析を試みた。分光反射計測は,2004 年の冬小麦生育期間中における5 時期(2/11,3/11,4/1,4/15,4/29)に,4 段階の施肥設計(0,5,9,11 kg N m-2)のもとで栽培した各サイト3地点で行った。全波長の組み合わせによるNDVIを比較した結果,現存量(R2 > 0.8),LAI(R2 > 0.4),窒素含有率(R2 > 0.5)の全てについて,既存の赤(red)と近赤外(NIR)の波長を利用したNDVI の結果(R2 = 0.39,0.27,0.01)よりも高い寄与率が認められた。さらにPLS を用いることで,すべて3 つの作物変数(R2 = 0.93,0.80,0.83)に対して,組み合わせNDVIよりも高い推定精度を得た。また,一次微分の反射スペクトルを利用することで,現存量(R2 = 0.95)と窒素含有率(R2 = 0.88)のさらなる推定精度の向上が認められた。これら,組み合わせNDVI およびPLS 回帰分析の結果から,冬小麦の現存量とLAI の推定にはgreen(525–570 nm)とred edge(720–780 nm),NIR(930–950 nm)の波長が,窒素含有率の推定にはblue(425–490 nm)とred(645–685 nm)の波長がとくに重要であると示唆された。
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  • 小田 正人, 小倉 力
    24 巻 (2008) 1 号 p. 57-64
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    東北タイ、コンケン県内の近接する2つの小流域において、2005年から2006年にかけての乾季に、地下1mまでの土壌水分をプロファイルプローブ(Delta-T Devices社PR-1)を用い、総計76地点でモニタした。観測地点では10月から乾季に入り、11月に時期はずれの30mm程度の降水があったが、観測期間中は1mm以上の降水はなかった。両小流域の地下1mまでの平均土壌水分量は、12月初旬で132 mm、2月初旬で109 mmであった。見かけ上の減少量23mmは、この期間の蒸発ポテンシャル324mmより大幅に小さかった。土壌水分は観測点により大きな違いがあったが、小流域の谷線方向および横断方向、いずれも標高による地形の影響は明瞭でなかった。一方、植生の影響は大きく12月の植生別土壌水分量は、森林25、休閑畑(雑草)79、キャッサバ96、サトウキビ131、休閑田(雑草)147、水稲後(ほぼ無植生)163mmであった。また、2月までの減少量は、森林3、休閑畑(雑草)19、キャッサバ30、サトウキビ26、休閑田(雑草)28、水稲後(ほぼ無植生)18mmであった。土層別の分布についてみると、一般に深い層ほど水分が高かった。ただし森林は例外で、地表から地下1mまで水分分布が均質であった。これは観測開始時点ですでに乾燥しきっていたためと考えられた。そこで、森林土壌の水分22mmは無効水分と仮定すると、調査サイトにおける12月初旬時点の利用可能水分量は、水稲後で141mmあると推察された。蒸散係数はトウモロコシで約100、一般の作物では200~500とされている。141mmの水分は、トウモロコシで約1.4、一般作物で0.7~0.3 kg・m-2の乾物生産が可能な量である。
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  • 石塚 直樹, 芝山 道郎, 神田 健一, 坂西 研二, 菅原 和夫
    24 巻 (2008) 1 号 p. 65-76
    公開日: 2015/09/20
    ジャーナル フリー
    農耕地に代表されるような排出元を特定しにくい汚染源を非特定汚染源(面源)という。農業起源の面源汚染問題を解明し、対策技術の効果を評価するためには、農耕地から排出する栄養塩類や懸濁物質(SS)を、面的、時間的に変動しつつある土地利用と関連させて環境影響を定量的に評価する必要がある。そこで本研究では、衛星画像を用いて集水域ごとの土地利用別の農地面積を算出し、これと各集水域末端の河川水の水質分析および流量調査結果とを結びつけることにより、土地利用分布および管理方法とその面積あたりの負荷量との関係を評価する手法を開発しようとした。愛知県内の中小河川集水域(4河川、解析対象面積約3600ha)を対象地として、代かき期に相当する5月の平水時のSSおよび全リン(TP)濃度と流量測定値および水稲作付面積より水稲作付面積1ha あたりの負荷増大量を推算した。その結果、SS負荷増大量は平均で462kg/ha、TP負荷増大量は3河川の平均で1.69kg/ha だった。上流域に市街地を含む一河川を除き、TP 負荷増大量 とSS 負荷増大量との間にはr=0.97 の相関関係が認められた。しかし互いに隣接する各集水域による推算値の変化幅は数倍におよび、土地利用、測定方法の両面からさらに検討を要することが示唆された。
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