環境変化に対する農作物の生理機能の変化を非接触かつ非破壊で測定できれば、作物の生育管理、診断、収量の予測、成分推定などに利用できるようになる。本研究は、2004年から2006年までに静岡県内の4つの茶園を観測対象として行った試験結果をまとめたものである。新芽の収量の推定のために芽重とNDVI、品質の推定のために主要成分とNDVIの関係について検討を行った。また、オンサイト・リモートセンシングにおける観測時の問題点を挙げ、精度向上のための一提案を行った。まず、新芽の生育におけるデジタルカメラによる観測結果では、NDVI(正規化植生指数, Normalized Difference Vegetation Index)と芽重および繊維などとは正の相関関係があり、全窒素、アミノ酸などとは負の相関があることがわかった。茶は葉を収穫物として利用するために、芽重は収量と直接の関係があり、化学成分は品質に関係があることから、デジタルカメラによる観測結果により茶新芽の収量および品質推定が可能であると判断した。
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