森林や畑の植生域からのCH
4発生を評価するため、南鳥島、与那国島、綾里の観測地点における10年間のWDCGGデータを用い、各地点の大気中メタン(CH
4)濃度変動とCH
4発生により生じたと推定されるCH
4濃度差を解析した。CH
4濃度差の算出のため、既存濃度を設定し観測濃度との差を利用する手法(GEP Method)を考案した。3地点ともにCH
4濃度は冬季に高く、夏季に低い傾向が認められたが、各地点におけるCH
4濃度の日変動差は認められなかった。与那国島と綾里におけるCH
4濃度に対する風速・相対湿度・気温の影響は少なかった。与那国島の年平均CH
4濃度1820ppbのうち18ppbがサトウキビを主とした植生域から、綾里では年平均CH
4濃度1854ppbのうち24ppbが主に森林の植生域からのCH
4発生に由来する濃度であることが計算され、観測地点におけるCH
4濃度の増加量のうち7~8割が主に畑と森林の植生域から発生したものと推定された。
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