システム農学
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28 巻 , 4 号
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研究論文
  • 福田 夏子, 粟屋 善雄, 児島 利治
    28 巻 (2012) 4 号 p. 115-122
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では、大八賀川流域における森林植生タイプの分類精度向上を目的として、フェノロジーの観点から多時期Quickbird(QB)画像の利用と、樹冠高の観点からLiDARデータの有効性を検討した。QB画像は、2007年4月12日と5月23日を取得し、それぞれ幾何補正と地形補正を行った。樹冠高データはLiDARデータ(岐阜県、2003年)から作成した。研究方法は、対象地の森林をLiDARデータとQB画像を併用して分類し、その分類結果を4月QB画像による分類結果と5月QB画像による分類結果と比較した。はじめに4月QB画像と5月QB画像を最尤法で分類した。次に、LiDARデータとQB画像による分類について、1) 森林を、樹冠高3 m以上かつ正規化植生指数(NDVI、5月QB画像から作成)の値が0.001以上のエリアとして分類した。2) 森林のエリアを、地盤高データ(岐阜県)によって標高1,200 m未満(MapA)と標高1,200 m以上(MapB)に分けた。各エリアを4月QB画像によって最尤法で落葉樹林と常緑針葉樹林に分類した。標高1,200 m以上の落葉樹林のみ、5月QB画像によって最尤法でカラマツ林と落葉広葉樹林に分類した。最後に、MapAとMapBを統合して、流域の森林植生タイプ分類図を作成した。3) 検証用画素をランダムサンプリングで選び、分類総合精度とKHATを算出した。その結果、非森林と森林の分類では、LiDARデータとQB画像を併用した分類総合精度は96 %(KHAT 0.90)と高く、次いで5月QB画像による非森林・森林の分類総合精度は94.5 %と高かった。LiDARデータとQB画像を併用した分類では、LiDARデータによって非森林の森林への誤分類を回避できたと考えられる。森林領域内における森林植生タイプの分類では、4月QB画像によって常緑針葉樹林を高い精度(0.96)で分類できた。分類総合精度は4月QB画像では66.8 %(KHAT 0.54)、5月QB画像では68.8 %(KHAT 0.50)であったのに対して、LiDARデータとQB画像による分類総合精度は93 %(KHAT 0.91)となり、多時期QB画像とLiDARデータの複合利用によって森林植生タイプの大幅な分類精度の向上が認められた。
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  • 内田 諭
    28 巻 (2012) 4 号 p. 123-135
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    水稲の作付時期が多様な熱帯アジア地域の代表例として、インドネシア・ジャワ島を対象に、MODISデータによる水稲作付の時間的・空間的分布状況を把握する手法を開発し、作付時期の経年変動特性の解析を行った。MODISの16日間合成データセット(MOD13Q1)から求められる植生および地表湛水状態を表す指標値の時間変化から、16日間隔で水稲作付域を抽出し、2000年4月から2011年12月までの水稲作付分布データを作成した。月別の水稲作付面積を表す統計データと時間変動特性を比較したところ、両者は良い相関を示した。一方で、画素内での他の土地利用との混在、あるいは、異なる作付時期の混在等が影響し、イネの作付地であっても作付時期が判別されない場合があり、作付面積を精度良く算定することはできなかった。本手法を、水田が広く存在するジャワ島に適用した結果、雨期の端緒となる9月以降の第1作および第2作の作付時期の全島的分布を示すことができ、各々12月から1月と3月から4月頃にピークとなるが、作付時期が相対的に早くなる地域と遅くなる地域の分布が明らかとなった。さらに、同一地点であっても作付時期は経年的に変動し、第1作が第2作に比べて大きい変動幅を持つことが示された。第1作の作付時期の変動に関し、雨期前半の降水量との関係を調べたところ、少雨年に作付時期が遅れる傾向が明瞭となる地域、また、逆の傾向を示す地域の存在が明らかとなり、前者は、天水に依存する地域および灌漑網の末端部に現れる傾向があることが判明した。
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資料
  • 秋山 侃
    28 巻 (2012) 4 号 p. 137-144
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    この報告は、リモートセンシング技術を使った生態系機能の計測について、筆者らのグループの研究の足跡について述べたものである。草地生態系に端を発し、農業、森林を経て里山に到る生態系研究のなかで、リモートセンシングと出逢い、これを基軸に衛星データを用いた新たな生態系研究の手法の可能性を探求した。衛星生態学の曙光は、西暦2000年頃を境に、衛星搭載センサの空間分解能(地上解像度)・分光分解能(観測スペクトルの多様化と細分化)、ならびに時間分解能(観測周期の短縮等)の飛躍的向上と軌を一にしている。これら衛星分解能の進化とハードウェア、ソフトウェア両面の革新に伴って、地上で実験的に把握できる生態学の成果を衛星リモートセンシングデータによって直接確認できるようになった。筆者は草原生態系、農業生態系、森林生態系ならびに里山生態系の実験生態学によって得られた各生態系機能情報と、衛星情報を比較・解析した。その際、生態系を分断・細分化して調べるのではなく、生態系のままの状態で解析することにより、生態系がもつ独自の機能が抽出できるのではないかと考えた。リモートセンシングは裾野の広い総合科学で、生態系機能を解析するには広汎な学問領域のシステム化が求められる。システム農学会が「農学関連諸科学の仮説、概念、原理、方法論などを既存の専門分野の壁を越えてシステム化し、研究課題の境界領域を拡大ないしは変更し、未領域科学としての農学の学際研究を推進すること」を目的とする点で、衛星生態学と考え方を共有する点が多い。
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