システム農学
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29 巻 , 2 号
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研究論文
  • 都日娜 , 長澤 良太, PATANAKANO Boonrak
    29 巻 (2013) 2 号 p. 29-39
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    アジア地域の新興諸国では、都市化は急速な経済成長と産業の一極集中により、都市部への極端な人口集中が進む巨大都市化が顕著である。タイ王国の首都、バンコク大都市圏はその典型的な事例と言える。そこで、本研究では最新の高分解能衛星画像と既往のGIS データとを統合的に活用し、時系列的な土地利用/被覆図(1994 年、2000 年、2009 年)を作成することによって、都市の拡大プロセスと近郊地域における農業景観の変遷について検討を行った。解析の結果、都市的土地利用の割合は16.5 %(1994 年)、28.2 %(2000 年)、35.4 %(2009 年)と増加の一途を辿り、その増加率は1994~2000 年間で171 %、2000~2009 年間で126 %であった。一方、緑地空間の割合はそれぞれ71.4 %、56.1 %、43.3 %となり、1994~2000 年間で71.4 %、2000~2009 年間で56.1 %と大きく減少した。バンコク中心部は西暦2000 年までに完全に都市化されており、都市的土地利用はバンコク大都市圏を構成する周辺5 県へと拡大して、スプロール化を引き起こした。これにより、近郊地域の伝統的な農業景観は都市的土地利用景観へと急速に転換され、結果として都市と農村の土地利用が著しく混合した競合的土地利用景観が創出した。景観指標を用いた分析結果においても、その傾向は明瞭に表されており、農業的土地利用は密で小規模なパッチから構成され、景観の分断化が明瞭に示唆された。こうした都市の拡大は、現行の土地利用計画図ではバンコク特別市周縁部の農業地域あるいは農業保全地域に集中しており、適切な土地利用規制が及ばぬ範囲で農業景観の分断化、土地利用形状の複雑化が進でいるが明らかになった。これ以上の景観劣化を阻止するために、今後の都市計画立案の過程に景観分析の成果が活かされることを提案したい。
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  • 小村 陽平, 田中 樹, 佐々木 夕子, 真常 仁志
    29 巻 (2013) 2 号 p. 41-50
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    半乾燥地域である西アフリカ・サヘル地域の人々の主な生業は農耕と牧畜であるが、不規則な降雨や農作物への病害虫被害などにさらされ、しばしば干ばつや飢餓に見舞われる。本研究は、このような問題を抱えるサヘル地域の村落に暮らす2 つの民族(農耕を主な生業とするハウサと牧畜を主な生業とするフルベ)の生業を捉え、それぞれが認識した「危機の年」とその対処行動、村落の立地条件や民族による「危機の年」の認識と対処行動の違いを明らかにすることを目的とした。調査地はニジェール南部のマラディ州テッサウア県テッサウア・コミューンに位置するハウサの2 村落とフルベの1 村落である。調査は各村25 世帯ずつに対し、主に質問票による聞き取りを行った。聞き取りの内容は、ハウサとフルベが認識した「危機の年」とその対処行動、世帯の基本情報などである。調査の結果、主要な「危機の年」には現地呼称が付され、その経験は口承により記憶されていたことがわかった。ハウサの村落間においても「危機の年」の認識は異なり、その認識の違いは村落の立地条件、漁労や野菜栽培のような副生業による「危機」への対処の仕方の違いを反映していることが示唆された。ハウサとフルベという異なる民族間において認識された「危機の年」は共通し、それはフルベの「危機の年」の判断基準が家畜の損失に加えハウサと同じく収穫の多寡となっていたからであり、「危機の年」の認識における民族間比較を通じて、フルベの生業が定住による家畜の飼養と農耕というハウサに類似した形態にあることを捉えることができた。そして、「危機の年」の対処行動においては、各対処行動の内容を捉え、「危機の年」による差異、地域的差異、民族的差異により取られた対処行動が異なることがわかった。また、対処行動にはいくつかの優先順位があることがわかり、「危機の年」には各世帯の困窮度に合わせた対処行動が取られることが示唆された。
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  • 山口 文夫, 塩見 正衞, 竹内 孝, 白岩 昭年, 石田 紀久
    29 巻 (2013) 2 号 p. 51-57
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    2011年3月12日に東京電力福島第一原子力発電所において水素爆発が発生した。爆発以降、水戸市内に所在する測定点の大気中で測定された放射線量(空間放射線量とも呼ばれる)が急上昇しており、放射線による生活への影響が心配されている。本研究では、大気中放射線量の変動を予測するモデルを構築し、水戸市における今後の放射線量の動きを示した。本モデルは、原発事故由来の放射性物質からの線量の半減期に依存した指数関数的な減少を数式化し、環境蓄積している放射性物質の風雨等による自然除染線量による補正を行った。このモデルを用いて、2011年6月~2012年3月の大気中放射線量の実測値を回帰分析し、2012年4月から2014年3月までの大気中放射線量の予測を行った。予測では、水戸市の放射線量は原発事故2年後の2013年3月には事故以前の自然放射線量の最大値(0.056 μSv/hr)より若干高い値(0.065 μSv/hr)を示したが、事故3年後の2014年3月には自然放射線量の水準まで低下した。毎時・毎日の大気中放射線量を積算した大気中累積放射線量の予測値は、原発事故1年目、2年目ともに1 mSv/年を下回った。一方、頻繁に見られた大気中放射線量が突如上昇する現象は、短時間の「強い降水」と「強風」によって引き起こされることが重回帰分析によって示された。
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  • 蒲原 弘継, 久保 親, 後藤 尚弘
    29 巻 (2013) 2 号 p. 59-66
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    近年、環境への配慮と健康志向の高まりから自然農法や有機農業が注目されている。こうした農法は無農薬、無化学肥料で行われるため、エネルギー投入が少ないと考えられる半面、除草や水田管理に多くのエネルギーを費やしていることが予想される。したがって、本研究ではこうした無農薬、無化学肥料で行われている水稲栽培農家の実態を調査し、そのライフサイクルにおけるエネルギー消費量を明らかにすることを目的とした。本研究では、愛知県新城市で有機農業を行っているA、B 農家と、岐阜県白川町で有機農業を行っているC 農家及び同町で自然農法を行っているD 農家を調査対象とした。いずれの農家も中山間地域に位置する0.5 ha 未満の小規模農家であり、各農家ともに無農薬・無化学肥料による栽培を行っている。また、各農家では、手作業や天日干しを取り入れており、特に、B、C 農家では、消費者や学生とこうした農作業を通じて交流している。本研究では、これらの農家と既往研究の15 ha と大規模で化学肥料や農薬を用いて行われる慣行栽培を比較した。その結果、調査した農家の単位面積当たりのエネルギー消費量は、4.3~9.5GJ/ha と、各農家の取り組みで大きな差が見られた。さらに、各農家では、天日干しや手作業による作業が行われていることから慣行栽培と比較して少ないエネルギー消費量であることが明らかとなった。このような結果から、本研究は、消費者との交流や、伝統的な農法(天日干し)、無農薬・無化学肥料で行う水稲栽培の経験年数が水稲栽培のエネルギー消費量を低減する要因となっていることを示した。
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技術論文
  • 築城 幹典, 日野澤 義子, 畑中 亮, 菅野 崚太, 前田 武己
    29 巻 (2013) 2 号 p. 67-73
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    東京電力福島第一原子力発電所事故により、岩手県においても放射性物質の暫定許容値を超える牧草が見つかり、一部地域で利用自粛や除染が行われている。2011 年6 月から7 月に、市販の簡易線量計を用いて、自動車内および地表面での空間線量率の測定を行うとともに、この調査結果を用いて岩手県全域の空間放射線量率の等値線マップを作成した。その結果、車内および地表面のいずれも奥州市、平泉町、一関市の境あたりに空間放射線量の高い地点が見られた。この結果は、文部科学省の行った航空機モニタリングによる空間放射線量率のマップと、高線量地域の所在がほぼ一致していた。このことから、簡易線量計を用いても、ある程度の信頼性があれば、相対的な空間線量率の分布を走行サーベイや地表面での測定により推定可能であると考えられる。岩手県の空間放射線量率の変化予測マップを作成した結果、降下した放射性セシウム由来の線量率は、30 年で13.5 %に減衰する結果となった。
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  • 石塚 直樹, 牧野 司
    29 巻 (2013) 2 号 p. 75-80
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    輸入穀物価格・飼料価格が高騰していることから、自給飼料の割合を増加させるために、各地で飼料作物の生産量が増加している。一方、飼料用トウモロコシの作付面積は、2007 年度以降、公表される統計値は都道府県単位のみとなり、市町村単位での客観的な情報を得ることが困難となった。この背景のもと、衛星データを用いた飼料用トウモロコシ作付圃場の把握に期待が寄せられている。今回は非常に狭い範囲であるが、飼料用トウモロコシ作付圃場抽出の可能性を探るため、時系列ALOS/PALSARデータを用い、各圃場の後方散乱係数の平均値をもとに教師なし分類を行った。その結果、複数時期に観測されたALOS/PALSAR データの後方散乱係数の変化をもとに、飼料用トウモロコシが作付されたと思われる圃場を抽出することに成功した。ALOS/PALSAR データから作成した飼料用トウモロコシ作付圃場図は、TMR センターの作成した飼料用トウモロコシ作付図と非常に良く一致し、衛星データから飼料用トウモロコシと判定された29圃場のうち27 圃場(93.1 %)がTMR センター作付図において飼料用トウモロコシであった。一方、飼料用トウモロコシ以外の作物は、牧草圃場の85.2 %が同一カテゴリに分類されたが、誤分類に規則性がなく、あまり良い結果を得ることができなかった。これは、ALOS/PALSAR に使用されているマイクロ波がSAR としては波長が長いL バンドであるため、飼料用トウモロコシのようにバイオマスの大きな農作物の作付圃場の抽出に適していたためと考えられた。
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短報
  • 岡本 勝男
    29 巻 (2013) 2 号 p. 81-86
    公開日: 2015/06/04
    ジャーナル フリー
    多時期のLandsat MSS (Multispectral Scanner System)/TM (Thematic Mapper)/ETM+ (Enhanced Thematic Mapper Plus)データを用いて、静岡県の天竜川河口周辺の遠州灘海岸の変化を評価した。画像ごとに改良型正規化水指数(MNDWI: Modified Normalized Difference Water Index)と正規化植生指数(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)を計算した後、水域と土・人工構造物、植生の3 カテゴリに分類した。潮位が高位のデータ同士、低位のデータ同士を比較して、海岸土地被覆の変化を評価した。その結果、天竜川河口で砂浜の後退が認められた。一方、中田島海岸で砂浜の前進があり、これは1961 年以降築造されている離岸堤の効果と推察される。
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