システム農学
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31 巻, 3 号
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研究論文
  • オウスチン ビリゴ, 粟屋 善雄
    2015 年 31 巻 3 号 p. 67-79
    発行日: 2015/08/31
    公開日: 2016/02/29
    ジャーナル フリー
    中国内モンゴル自治区のエジナ河流域は、上流での工業の発展と農業開発による水需要の増加に伴い、水不足が生じて環境の悪化が続いている。この問題に対して中国国家水利部は、2002 年に居延三角州を含む下流域へ水を放流する政策をとった。この放流は居延三角州の植生の生育に影響すると考えられる。このため、現地調査に基づいて4 時期のLandsat 画像を判読して居延三角州における土地被覆と植生の変化を確認し、その要因を明らかにすることを研究目的とした。Google Earth 画像を参照しながら、2010 年6 月11 日(Landsat/Thematic Mapper)の画像を目視で判読して土地被覆を分類した。次いで2010 年の判読結果に基づいて他の3 時期の画像1977 年6 月11 日(Landsat/Multispectral Scanner) 、1991 年6 月23 日(Landsat/Thematic Mapper)および2000 年6 月14 日(Landsat/Enhanced Thematic Mapper Plus)を判読し、土地被覆変化を解析した。この結果、1977 年から2010 年の間に疎林の面積が64%と著しく増加し、紅柳の面積が32%増加して緑地の拡大が明らかになった。また、砂地とゴビと裸地の面積はそれぞれ21.4%、16.9%、28.9%減少し、疎林と紅柳とその他の林地に変わった。1940 年代から1970 年代末までの伐採記録によれば、1970 年代末までは森林が大規模に伐採されて軍用の建材や住民の燃料として使われたが、1980 年頃から薪の替わりに石炭が使われて木が伐採されなくなった。このため伐採跡地が疎林と紅柳とその他の林地に変化したと考えられた。一方、居延三角州の下流部では1990 年以降は地下水位が低下しており、1977 年から2010 年の間に植生面積が減少した。水分条件の悪化が植生減少の原因と考えられた。
技術論文
  • 岡本 勝男
    2015 年 31 巻 3 号 p. 81-90
    発行日: 2015/08/31
    公開日: 2016/02/29
    ジャーナル フリー
    Landsat TM (Thematic Mapper)/ETM+ (Enhanced Thematic Mapper Plus)/OLI-TIRS (Operational Land Imager - Thermal Infrared Sensor) のデータに対応し、大量の衛星データ使用時の誤入力を防ぐため、データとともに配布される補助情報(メタデータ)ファイルから必要なパラメータを自動的に読み込んでセンサ検知分光放射(大気上端分光放射:以下、assRad)や大気上端反射率(大気上端地表面反射率:以下、toaRef)、センサ検知輝度温度(衛星地点輝度温度:以下、asbTem)に変換するプログラム(以下、DN2RRT4TO8)を開発した。画像解析ソフトウェアERDAS/IMAGINE 上でディジタル・ナンバ(DN)からassRad、toaRef、asbTem へ変換する場合、1 シーン平均20 分かかったが、DN2RRT4TO8 では同14 分で変換できた。DN2RRT4TO8 は使用上の制約はあるが、データ変換時間を短縮でき、パラメータ入力時の誤操作を低減できる。さらに、バッチ処理を用いれば、変換作業をバック・グラウンドで行うことができ、大量データ処理時の効率化に有効である。
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