システム農学
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32 巻 , 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
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研究論文
  • 瀬戸口 暁, 大石 風人, 堺 久弥, 北浦 日出世, 熊谷 元, 家入 誠二, 広岡 博之
    32 巻 (2016) 2 号 p. 57-69
    公開日: 2016/10/31
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    褐毛和種の周年放牧肥育生産システムに関するライフサイクルアセスメント(LCA)による環境影響および経済性の評価を実施した。試験区としては、放牧区(G区)、飼料用米給与放牧区(GR-1区、GR-2区)および慣行の生産を想定した舎飼区(H区)が設定された。放牧3区(G区、GR-1区、GR-2区)においては、補助飼料として配合飼料と冬季に乾草が与えられた。飼料生産、飼料輸送、飼養管理、ふん尿処理および家畜からの環境負荷物質排出量を算出し、エネルギー消費、地球温暖化、酸性化、および富栄養化への環境影響を評価した。機能単位は平均日増体量1 kg とした。富栄養化においては、化学肥料や堆肥からの硝酸およびリンの流出を考慮に入れた。加えて、放牧地の炭素隔離が及ぼす影響を検討した。結果として、地球温暖化、酸性化および富栄養化への影響においてG区がH区に対して有意に大きい結果となった(P<0.05)。放牧地による炭素隔離を考慮した場合、放牧肥育生産システムからの地球温暖化に対する実質的な環境影響を大きく減少できる可能性が示唆された。経済性に関して、年間枝肉売上価格はG区がH区と比べ有意に減少し(P<0.05)、年間生産費は生産システム間に有意差は見られなかった。

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技術論文
  • 宮下 昌子, 村松 康彦, 川島 知之
    32 巻 (2016) 2 号 p. 71-80
    公開日: 2016/10/31
    ジャーナル フリー

    乾湿繰返し(AWD)節水灌漑管理は、灌漑水使用量の削減に加え温室効果ガスの放出量削減に副次効果を有する技術であり、将来、広域的な普及が望まれる。ベトナム国アンジャン省(AG省)では、本技術が急速に普及したとされ、その普及要因および障害要因を特定することは、将来の水不足、地球温暖化緩和策を広域的に普及する上で貴重な情報となる。そこで、AG省の農家や政府職員を対象に、技術普及の背景、水管理方法などについて調査を実施した。その結果、簡易な水位測定パイプを用いて水位を確認するなど客観的判断に基づいた水位管理は定着していないことが確認された。一方で農家は経験に基づき落水湛水を行うなど、現場の営農実態に応じた技術の応用が確認された(農家によるAWD節水灌漑技術)。農家によるAWD節水灌漑技術導入の動機付けは、ポンプの燃料費用削減と考えられたが、現在のポンプ所有形態および賃借条件では、その便益を享受できるのはポンプ所有者のみと判断され、適切な賃借条件の設定も農家によるAWD節水灌漑技術普及の重要な要件と考察された。各圃場は立地条件が多様であり、画一的な技術普及は容易ではなく、各農家が立地条件の多様性という課題を克服してきたことも確認された。優良種子の利用と同時に技術パッケージとして普及することに加え、優良農家の起用、アクセス容易なモデル水田の設置、近隣農家のグループ化というアプローチが重要と考えられた。将来、広域的な温室効果ガスの放出量削減のためには、農家が簡易な水位測定パイプを用いて水位確認の実施を条件とし、その実施状況を第三者機関がモニタリングし妥当である場合に、新規農業技術の導入や低利融資を行うといった事業に二国間クレジット制度を活用することが有用と考えられる。また、ポンプの賃貸条件変更に係る社会的受容可能性の評価、AG省における普及体制の他地域への適用可能性の評価が必要となる。

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  • 綽 宏二郎, 芝山 道郎, 神田 英司, 板橋 直, 坂西 研二, 阿部 薫, 木村 昭彦
    32 巻 (2016) 2 号 p. 81-89
    公開日: 2016/10/31
    ジャーナル フリー

    近年わが国では、突発的な豪雨が多発しており、傾斜畑における表面流出の発生頻度が高まっている。傾斜畑で発生する表面流出は、土壌中に含まれる肥料成分や重金属等を流域排水系へ流入させるため、自然生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。表面流出量の計測は、水位計などの計測機器を傾斜畑下端に設置して、直接的に流出量を計測する方法が一般的である。ところが、表面流出に伴い流出する作物残渣や土壌粒子などが計測機器周辺に堆積し、これによって生じる計測トラブルにより、取得したデータが信頼性に欠けることがあった。そこで、流出物の堆積による影響を受けない非接触的なセンシング手法として、自動で表面流出現象を動画撮影する装置を開発し、この装置を屋外の傾斜枠圃場に設置して観測実験を行った。撮影された動画に、流れの速度分布を調べる方法のひとつであるPIV 解析を適用した。PIV 解析には流れの目印(浮子)が必要であり、表面流出時に浮遊する作物残渣や土壌粒子等を浮子として利用した。解析の結果、それらの流速が推定され、表面流出量の時間的変化を把握する手がかりを得ることができた。

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