システム農学
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Print ISSN : 0913-7548
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研究論文
  • 瀬戸口 暁, 大石 風人, 熊谷 元, 今井 裕理子, 川本 康博, 広岡 博之
    2017 年 33 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

    亜熱帯地域における周年放牧肥育生産システムに対して、ライフサイクルアセスメント(LCA)による環境影響評価を実施した。沖縄県石垣地域で行われた集約輪換放牧による褐毛和種去勢肥育生産を評価対象とし、補助飼料として、国内産副産物飼料(ビール粕・砕米)を活用した完全混合飼料(TMR)を給与した生産システムを想定した。機能単位は増体重1 kg あたりとし、エネルギー消費、地球温暖化、酸性化、富栄養化への影響を算出した。評価の結果、想定した生産システムにおいて、副産物飼料の利用により飼料生産・飼料輸送による環境影響を軽減できる一方、放牧地管理がいずれの環境影響項目においても環境影響の大きな割合を占めるということが示唆された。これは、肥育を目的として高生産性を目指した放牧地への多大な施肥により、環境影響が増大したためであると考えられた。副産物飼料からの環境影響の扱い方として、経済アロケーションまたは重量アロケーションを用いた場合、および廃棄物とみなした場合の3 通りを検討した結果、重量アロケーションを用いた場合では、経済アロケーションおよび廃棄物とみなした場合より、エネルギー消費が大きい結果となった。

技術論文
  • 綽 宏二郎, 芝山 道郎, 坂西 研二, 神田 英司, 板橋 直, 阿部 薫, 木村 昭彦
    2017 年 33 巻 1 号 p. 11-21
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/11/30
    ジャーナル フリー

    傾斜農地で発生する表面流出は、土壌中の肥料成分や重金属等を流域水系へ流入させ、圃場周辺水域の自然生態系に悪影響を及ぼすことが懸念される。従来の表面流出量の観測法としては、集水のために傾斜枠圃場下端を狭め、貯留ますやパーシャルフリュームおよび水位計などを設置して流出量を計測するものが多い。ところが、表面流出により侵食された土壌粒子などが、取水口や水位計周辺に堆積することにより取水が阻害され、滞留水が発生して計測データの一部が信頼性に欠けることがあった。そこで、降雨時に自動で1分間インターバル撮影するカメラを、黒ボク土壌を充填した傾斜枠圃場に設置して観測実験を行った。撮影された画像から、滞留水を目視によって判別し、さらにスケールから読み取った水深と合わせて幾何学的な方法で滞留水体積の推定を試みた。推定滞留水体積は降雨強度に応じて増減していた(r = 0.79***)。実験観測した全5回の降雨中に8回発生した比較的大きな流出において、流出ピーク時とその10分前の滞留水体積の差分は、同時間帯の実測流出量を超えることもあった。真の流出量は実測流出量と滞留水体積増加分との和になるとの仮説モデルに基づき、流出ピーク時10分間の実測降雨量と流出量および推定滞留水体積の差分とから推算した表面流出率は、12~59%だった。

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