The Journal of JASTRO
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12 巻, 3 号
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  • Lynn J VERHEY
    2000 年 12 巻 3 号 p. 191-203
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    The use of three-dimensional conformal radiotherapy (3DCRT) has now become common practice in radiation oncology departments around the world. Using beam's eye viewing of volumes defined on a treatment planning CT scan, beam directions and beam shapes can be selected to conform to the shape of the projected target and minimize dose to critical normal structures. Intensity modulated radiotherapy (IMRT) can yield dose distributions which conform closely to the three-dimensional shape of the target volume while still minimizing dose to normal structures by allowing the beam intensity to vary across those shaped fields. These IMRT dose distributions can be generated using a number of different delivery methods including static “step and shoot” segmental (SMLC-IMRT) or dynamic sliding window (DMLC-IMRT) approaches using conventional multileaf collimators (MLC) or serial tomotherapy using a special add-on MLC. Results of dose comparisons indicate that IMRT can yield significantly better dose distributions in some situations at the expense of additional time and resources. New technologies are being developed which should significantly reduce the time needed to plan, implement and verify these treatments. Current research should help define the future role of IMRT in clinical practice.
  • 香川 一史, 村上 昌雄, 菱川 良夫, 阿部 光幸
    2000 年 12 巻 3 号 p. 205-220
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    938年にLBLの速中性子線治療から始まつた粒子線治療の歴史は期待と失望の連続であった. 初期の速中性子線治療の誤りに基づいて行われたハマースミス病院のトライアルの結果は劇的であり, 速中性子線治療を世界に広める契機となった. 巨大な加速器が世界中で建造され, 大規模なトライアルが相次いで行われたが, 速中性子線の絶対的な有効性は証明されなかった. 原子炉から生じる熱中性子線を利用するホウ素中性子捕捉療法の治療成績は未だに満足すべきものではなく, 大きな期待を集めて登場したパイ中間子線治療も期待外れの結果に終わっている.1980年代後半には一時的に粒子線治療全体が衰退した.続いて登場した陽子線治療は, 眼球メラノーマや頭蓋底腫瘍などに適応を限定して好成績を示すことにより地道に存在意義を確立した. 近年の技術の進歩と社会情勢の変化に伴い粒子線治療は再び注目を集めるようになり, 1990年にロマリンダ大学で医療用陽子線治療施設が開設された後は世界中で陽子線治療施設の建設が相次いでいる. 陽子線よりも優れた生物効果が見込まれる重粒子線についても1994年に放医研で医療専用装置HIMACが稼働を始め, その真価が問われている. 病院内での実施が可能になり, 一大変革期を迎えた粒子線治療が今後も医療として定着していくためには, 過去の歴史に立ち返り適切な方法で臨床面での有用性を示すとともに, 経済効率の面からも他の治療法に劣らぬ結果を出していくことが期待される.
  • 治療後2年以上経過した症例の評価
    直居 豊, 飯塚 有応, 趙 成済, 中西 淳, 伊藤 佳菜, 赤松 将之, 前原 忠行, 佐藤 潔, 新井 一
    2000 年 12 巻 3 号 p. 221-227
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    我々は脳動静脈奇形に対してリニアックよるラジオサージェリーを行ってきたが, 今回治療後2年以上経過した症例を対象に治療効果について評価してみた. 症例は24例で男性10, 女性14であった. 年齢は16才から74才, 平均36才で経過観察期間は25ヶ月から60ヶ月である. ナイダス体積は0.2mlから8mlで平均1.7ml, 先行して血管塞栓術が施行されている症例が11例であった. ラジオサージェリーは中心線量が平均26Gyで辺縁線量が平均19Gyで一回照射にて治療した. これらの症例に1年ごとに血管造影を施行し血管造影の画像からナイダスの完全消失と, 1年, 2年での体積縮小率を計算した. 1年2年での体積縮小率から年齢, 出血の有無, 血管塞栓術の有無, ナイダス体積, 辺縁線量の各パラメータについて多変量解析を行った. 結果は1年で完全消失した症例が6例 (25%) 2年で14例 (58%) であった. ナイダスの縮小率は1年で平均71%, 2年で91%であった. 2年でのナイダス縮小率は1年時と比較し統計的有意差をもって良好であった. また各パラメータによる解析では2年での縮小率がナイダス体積と唯一相関した. 現在まで神経学的異常を伴う副作用は経験していない. リニアックによるラジオサージェリーはガンマナイフ同様に安全に行え, しかも同様の治療成績が得られると思われる. また治療効果の判定は少なくとも2年の経過観察が必要と考える.
  • 急性放射線粘膜炎に対する有効性
    勝良 剛詞, 益子 典子, 杉田 公, 林 孝文, 酒井 邦夫, 土田 恵美子, 松本 康男, 笹本 龍太
    2000 年 12 巻 3 号 p. 229-235
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    【目的】口腔内衛生管理の急性放射線粘膜炎に対する緩和効果を評価すること.
    【症例と方法】本学医学部放射線科にて術後放射線治療を行った舌及び口底癌患者のうち舌および口腔底が照射野に含まれた18人. 放射線治療は1回2Gyの通常分割で50Gy以上照射された. 放射線治療中に歯科放射線科医により衛生管理をされた8人を衛生管理群, 衛生管理をされなかった10人を標準管理群とした. 急性放射線粘膜炎をJCOG gradeとEORTC/RTOG scoreにて10Gyごとに評価した. 休止や中断した患者は以後の評価から除外した. 衛生管理の内容は粘膜炎予防のための口腔清掃の大切さの意識付けと清掃法についての患者教育および口腔内細菌の機械的な除去 (歯磨き) と化学的な除去 (洗口) である.口腔内細菌の除去は1日4回行われた. 洗口剤はポビドンヨード又はアズレンを使用した.衛生管理されている患者の口腔内の衛生状態は週1回, 歯科放射線科医により確認された.
    【結果】衛生管理群はすべての時期においてgrade3以上, score4を認めなかった. 衛生管理群は標準管理群よりも各時期でgrade, scoreともに重度の急性放射線粘膜炎が少なかった. 休止は標準管理群の4患者に認め, 理由の大半は口内痛であった.
    【考察】衛生管理群の方が急性放射線粘膜炎のgrade, soreともに標準管理群よりも良好な結果となった. そして, 他の緩和法と比べても良い結果となった. それ故に, 口腔清掃が放射線治療中の急性障害である急性放射線粘膜炎の緩和に効果的であることが示唆された. 最後に, 我々の行った緩和法は放射線治療後の晩発障害である唾液分泌障害による多発性カリエスや重度の歯周病予防にも利用できると推測される事を加えたい.
  • 余田 栄作, 平塚 純一, 今城 吉成
    2000 年 12 巻 3 号 p. 237-246
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    乳房温存術後患側乳房に50Gy/25Fr (± ブースト照射10Gy/5Fr) の放射線治療を施行した255例 (年齢22~83歳, 平均52歳) を対象とし, 照射後の皮膚変化, 胸部X線写真, 呼吸器症状について検討した (観察期間1~11年, 中央値4年). また放射線障害の危険因子として, 合併症, 補助療法, 照射野因子, 照射線量の関与を検討した. 限局性の湿性落屑ないしびらんを14例に認めたが, 全例一過性であり保存的に治癒した. 胸部X線写真で放射線肺炎を認めた症例は, ごく淡い陰影が21例, 斑状影が9例であった.治療を要する自覚症状が3例に認められたが, 全例保存的治療で治癒した. 放射線皮膚炎に対しては, 照射野に含まれる胸壁量と皮膚面積が有意な危険因子であった. 放射線肺炎に対しては, 照射野に含まれる肺の量が有意な危険因子で, 最大肺野厚を3cm以下に設定するのが望ましいと考えられた.
  • 中村 隆二, 石田 薫, 佐藤 信博, 池田 健一郎, 及川 浩, 原田 聡, 玉川 芳春
    2000 年 12 巻 3 号 p. 247-253
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    隣接臓器に浸潤する胸部食道癌の20例に対し化学放射線治療を2コース行い遠隔成績を検討した. 化学療法はシスプラチン (70mg/m2) を第1日と5-Fu (700mg/m2) を第1-5日に静脈投与し, 放射線治療は第1ー21, または7-28日に2Gy/回, 5回/週で計30Gyの照射を1コースとした.1週間の休止後2コースめを施行した. Grade 3の臓器障害が6例, 食道瘻が3例, 敗血症が2例におこった. 治療が完遂された17例で腫瘍の反応は著効 (CR) 4例, 有効 (PR) 8例, 不変 (NC) 2例, 進行 (PD) 3例であった. CR症例は1から5年生存したがPR症例は全例1年以内に再燃・死亡し, NC, PD症例と比べて予後に差はみられなかった. 全症例の生存期間の中央値は194日であった. 切除不能進行食道癌においても化学放射線治療により根治に至る可能性があるが, 合併症の頻度が高い.
  • 浦島 雄介, 中村 和正, 塩山 善之, 國武 直信, 木村 正彦, 寺嶋 廣美, 増田 康治
    2000 年 12 巻 3 号 p. 255-258
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    子宮頸癌術後に総線量54Gyの全骨盤照射を受け, 治療後約20年経て, 照射野にほぼ一致して多発骨盤骨折を認めた74才女性を経験した. 再発を疑われたが, 画像上, 再発や悪性腫瘍の新たな発生を示唆する所見なく, 腫瘍マーカーも正常範囲でinsufficiency fractureと考えられた. 骨盤内の悪性腫瘍に対して放射線治療歴を有する患者についてはinsufnciency fractureを生じうることを念頭に置くべきであると思われる. 症例を提示し若干の文献的考察を加え報告する.
  • 広田 佐栄子, 辻野 佳世子, 木村 浩司, 高田 佳木, 菱川 良夫, 河野 通雄, 副島 俊典, 児玉 明久
    2000 年 12 巻 3 号 p. 259-266
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    【目的】CT生データのオフライン転送による遠隔三次元放射線治療計画を試み, 実用性およびアイソセンターの再現精度を評価する.
    【対象と方法】宅急便にて送付したフロッピーディスクを介して, 遠隔病院で撮影した患者CT生データを基に兵庫県立成人病センターの三次元治療計画装置で治療計画を立案, 各種治療パラメーターをテキストファイルおよびJPEGファイルの形で電子メールの添付文書として遠隔病院に転送, 照合を実行した.三次元治療計画装置には遠隔病院のCTおよびビームデータを予め測定入力した. ファントーム3計画, 臨床13症例14計画のアイソセンターの再現性を検証した.
    【結果】アイソセンターの再現性はおおむね良好で, 特に頭部・頭頸部ではCTで検証したずれの三次元ベクトルが1.96±1.38mmと良好であった.
    【結論】本法は十分に実用可能な手段であり, 高価な医療機器や放射線腫瘍医などの資源を共有することによる医療コストの削減の潜在的可能性を有する有用な方法と考えられた.
  • 平成11, 12年度研究グループ報告・第一報
    今井 敦, 手島 昭樹, 佐藤 眞一郎, 井上 俊彦, 西尾 正道, 山下 孝, 三橋 紀夫, 光森 通英, 角 美奈子, 宇野 隆, 中村 ...
    2000 年 12 巻 3 号 p. 267-271
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    平成11・12年度JASTRO研究課題「医療実態調査研究による放射線治療施設の基準化 (案) の検証」の一環として, 現在の日本の放射線治療施設がどの程度の水準にあるか, JASTROユ95-97定期構造調査データをもとに検証を試みた. 医療実態調査研究に参加している106施設を対象とし, 施設基準には厚生省研究班 (8-27阿部班) で作成された「放射線治療施設の基準化に関する提案」に準じた基準案を適用した. ほとんどの施設で満たすべきとされる基準は達成されず, 約半数の施設で1ランク下の基準を達成しているにすぎなかった.患者需要の伸びを予測しながら早急に適切な基準案の再改訂を行い, それをもとにした放射線治療施設の人員面, 設備面での改善が急務である.
  • 第2回研究会抄録
    2000 年 12 巻 3 号 p. 272-279
    発行日: 2000/09/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
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