The Journal of JASTRO
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15 巻, 4 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • Hideo KUBO
    2003 年 15 巻 4 号 p. 239-246
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    This paper is based on my invited talk at the Brachytherapy Subcommittee of JASTRO meeting in June of 2003 in Tokyo. It presents basic information regarding seed implant, specifically, iodine 125 (I-125) seed implant history, characteristics and dosimetry of I-125, minimum equipment requirements for implant and snapshots of pictures taken during a seed implant procedure in the operating room. It can not be stressed enough that the seed implant program is only successful when one has a good collaborative team including members from Urology, Radiology, Radiation Oncology, Medical Physics and other medical support staff.
  • 大西 武雄
    2003 年 15 巻 4 号 p. 247-250
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    日本における医学教育に放射線生物学の教育が始まって約40年近くなる. 医学にかかせない放射線医学の診断学と治療学を支える学問として, 放射線生物学の教育がなされてきた. 放射線・放射能が発見されて以来, それらの効能は大きな進歩をとげてきたと同時に, それらによる障害も危惧されて, いくつかの危険性も指摘されてきた. 一方, 分子生物学のめざましい発展が放射線生物学の発展に大きく貢献してきた. 診断・治療におけるしくみを分子のレベルから理解することができるようになってきた. また, 放射線・放射能の人体影響, 特に細胞死・突然変異・発がんを分子レベルから理解できるようになってきた. 放射線・紫外線・化学物質によるDNA損傷とその修復機構, がん関連遺伝子の機能などの研究成果が放射線・紫外線・化学物質に対する感受性やそれらによる発がんのしくみを究明しつ2ある. また, 生物学に生命の誕生から, 進化, 生きているしくみに関する多くの科学的情報を与えてきたことを紹介した.
  • 田中 良明
    2003 年 15 巻 4 号 p. 251-262
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    放射線治療において, 原体照射法の概念が登場してから40年以上が経過した. 原体照射法の理念は, 放射線治療において癌の病巣部に対してはその領域にできるだけ一致した高線量を照射し, しかも周囲の健常組織への線量を減することにより, 局所制御の向上と障害発生の低減を得ようとするものである. この治療指針は現在でもそのまま通用するものであり, その後, コンピュータを応用した画像診断の進歩や治療計画システムの普及, 多分割絞り (multi-leaf collimator: MLC) の改良など, 周辺機器類の技術的改良をもふまえて一段と発展してきた. その代表例が定位照射法であり, 三次元原体照射法であり, IMRT (innsity modulated radi6therapy) である. このような状況から, 原体照射の種類も, その技術的内容からみてさまざまなものが含まれるようになり, 用語の使われ方も多様化してきた. いっぽう放射線腫瘍学に関する基礎的研究も進み, これまで原体照射法は主として物理的線量分布の改善に主眼が置かれていたが, 今後は生物学的観点をもふまえた至適照射法を求めて, より理想的な照射法へと発展するであろう. 本稿では, これまでの原体照射の発展の足跡を概説し, 今後の展開の見通しについて触れることにする.
  • 佐藤 智春, 石田 寿城, 萬 篤憲, 戸矢 和仁
    2003 年 15 巻 4 号 p. 263-269
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    この論文の自的は, ヘッド散乱係数の測定においてミニファントムとビルドアップキャヅプを比較することである. 我々は, ミニファントムとビルドアップキャップを用いて, 4MV, 6MV, 10MV (Varian社Ch照c600C, 2100C) と10MV, 14MV, 20MV, 21MV, 25MV, 50MV (Scanditmnix社マイクロトロンMM22, MM50) の光子ビームのヘッド散乱係数を測定した. 10MVよりも高いエネルギー領域において, ビルドアップキャップを用いて測定したヘッド散乱係数は, ミニファントムによるヘッド散乱係数よりも高い値を示した. その相違は, 照射野が大きいほど, また10MVより高いエネルギーの光子ビームほど著しかった. 一方, Ginacの4MV, 6MV, 10MVについて, 明らかな差はなかった. 我々は, 10MVを越える光子ビームにおけるビルドアップキャッップによる測定は, 混入電子の影響が大きいことを確証した. 各エネルギーについてミニファントムとビルドアップキャップの有用性を検討すると, ビルドアップキャップは10MVよりも小さいエネルギーにおいて有用である. ミニファントムは10MVよりも高いエネルギーにおいて有用である. 10MV光子ビームについては, ミニファントムとビル, ドアップキャップの両方を用いて測定し, 高い精度のヘッド散乱係数が得られる方を選択すべきである.
  • 鈴木 実, 奥村 雅彦, 中松 清志, 金森 修一, 西村 恭昌
    2003 年 15 巻 4 号 p. 271-275
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    【目的】肺癌に対する放射線治療において, 不均質部補正アルゴリズムの適用の有無が照射線量に及ぼす影響をファントム実験と臨床症例を用いて検討した.
    【対象と方法】本研究では, Cadplan Helios ver. 6.01に搭載されたBatho法とequivalenttissue-air-ratio (ETAR) 法の2つの不均質部補正アルゴリズムを用いた, ファントム実験は6MVと10MVのエネルギーを使用し, 5cmおよび10cmのコルク層をWater density materialの層で挟み作成した肺ファントムを用いて施行した. 臨床症例の検討は, 肺癌の放射線治療に用いた50照射ビームに関して, 不均質部線量アルゴリズムを使用する場合としない場合のMonitor Unit (MU) の値を比較検討した.
    【結果】ファントム実験においては, 不均質部補正を用いない場合, 実測線量は計算線量に対し6.7~21.8%の過線量の照射となった. 臨床症例の検討では, Batho法とETAR法を用いた場合のMU値は, 不均質部補正アルゴリズムを用いない場合の照射線量と比較した場合, それぞれ平均値で4.2%, 5.6%低い値を示した.
    【結論】不均質部補正アルゴリズムを使用することは, 肺癌の照射線量計算において有効である. 放射線腫瘍医は, 不均質部補正アルゴリズムを適用する場合, 適用しない場合と比較して数%の低線量の照射になる可能性があることに注意する必要がある.
  • 徳植 公一, 秋根 康之, 塩山 善之, 影井 兼司, 菅原 信二, 井垣 浩, 幡多 政治, 大原 潔, 橋本 孝之
    2003 年 15 巻 4 号 p. 277-283
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    筑波大学陽子線医学利用研究センターでは, 本格的な治療臨床試験を押し進めるために二基の回転ガントリーと二つの研究用水平ラインを持つ病院付設型の陽子線治療施設が建設され, 2001年9月から治療機の安全性を確認するための臨床試験が開始された. 陽子線治療以外では治療が困難と考えられる6症例 (卵巣癌の肝転移, 肺癌2例, 胆管細胞癌, 直腸癌の骨盤内再発, 乳癌の後頭蓋窩転移) を対象とし, これまで筑波大学旧陽子線医学利用研究センターで行ってきた方法に準じて治療し, 治療装置の安全性, 治療関連の有害反応について評価した. 全経過を通じて治療装置の不具合からくる問題はなく, グレード2以上の有害反応は皮膚反応のみであった. この結果から, この陽子線治療装置は安全で, 治療の続行に問題はないことが示された.
  • 脇坂 昌紀, 不破 信和, 松本 陽, 立花 弘之, 古平 毅, 古谷 和久, 鎌田 実, 森 宣
    2003 年 15 巻 4 号 p. 285-289
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    近年血管肉腫に対しInterleukin-2 (IL-2) の有効性が報告されている. 我々はIL-2持続動注併用放射線治療により良好な抗腫瘍効果をえたものの, 有害事象としてmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) 感染を生じた血管肉腫の2例を経験したので文献的考察を加え報告する.
    症例1は73歳の男性で, 右頭頂部に暗赤色の腫瘤が出現し近医にて血管肉腫と診断され愛知県がんセンター放射線治療部へ紹介入院となった. 電子線照射と両側外頸動脈からのIL-2の持続動注を開始し腫瘍は急速に縮小したが, 左側カテーテル挿入部皮膚より排膿を認めた. 細菌検査によりMRSAが検出されたため, カテーテルを左浅側頭動脈に再挿入しIL-2の動注を続けた. 症例2は75歳の男性で, 頭頂部に結節が出現し近医にて血管肉腫と診断され愛知県がんセンター放財線治療部へ紹介入院となった. 電子線照射と左外頸動脈からのIL-2の持続動注を開始し腫瘍の縮小を認めたが, カテーテル挿入部皮膚より排膿を認めた. 細菌検査によりMRSAが検出されたため, カテーテルを抜去しvancomycinの投与を行った.
    これまで我々は頭頸部領域の扁平上皮癌に対してcarboplatinによる選択的持続動注併用放射線治療を行い良好な治療成績を報告したが, 本治療中にMRSA感染を呈した症例は1例も認めなかったことより, 今回報告したMRSA感染はIL-2によって惹起された可能性が高いものと推測される. 血管肉腫に対するIL-2の動注療法においてMRSA感染を生じた報告は我々の調べえた限りではこれまで見られない. しかし, 高用量IL-2の有害事象の一つとして感染症が報告されており, この原因として好中球走化性の欠如や細胞性免疫応答の障害の関与が挙げられている. 予防法として抗生剤の予防投与や, カテーテルをポートごと皮下に埋め込む方法が報告されている.
    IL-2持続動注併用放尉線治療はIL-2の投与量や放射線治療との供用の時期など今後検討する課題は多いが, 血管肉腫に対する有効な治療法の一つとなりうる可能性があり, MRSA感染予防のために今後ポートの埋め込みなど動注方法そのものを検討する必要があると思われる.
  • 吉田 賢史, 丸田 力, 山田 和成, 小島 芳夫, 副島 俊典, 杉村 和朗
    2003 年 15 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
    症例は67歳男性, 蛋自尿, 両下肢の浮腫を認め入院した. 臨床上, ネフローゼ症候群を呈しており, 腎病変は膜性腎症であった. 糖査の結果原発性肺癌及び腫瘍随伴性ネフローゼ症候群と診断された. 全身状態が不良であったため, 70Gy/35frの放射線単独療法が施行された. 治療に伴い腫瘍は縮小し蛋白尿は減少, 浮腫は溝失した. 治療後2年間は明らかな腫瘍の再増大及びネフローゼ症候群の再発を認めなかった. 腫瘍随伴ネフローゼ症候群はさまざまな悪性腫瘍において認められるが, 腕癌は最も頻度の高いもののひとつである. 原発巣の治療が成功すれば多くの場合ネフローゼ症候群の改善が得られる. 放射線治療は原発巣が切除不能の場合, 第一選択蕪なり得ると考えられた.
  • JASTRO H13, H14年度研究課題報告
    直居 豊, 赤松 将之, 伊藤 佳菜, 渡辺 太志, 笹井 啓資, 青山 英史, 白土 博樹, 永田 靖, 平岡 真寛, 藤川 章
    2003 年 15 巻 4 号 p. 297-306
    発行日: 2003/12/25
    公開日: 2011/07/11
    ジャーナル フリー
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