T3, T4喉頭癌の局所制御と生存率に関与する因子を検討した.1967年より1985年の間に大阪大学附属病院で43例のT3, T4喉頭癌に根治的放射線治療が行われ, 35例に対して術前照射が行われた.根治照射例の他因死を除く5年生存率はT3で48%, T4で52%であり, 術前照射例ではT3で71%, T4で43%であった.根治照射例と術前照射例で有意の差を認めなかった.根治照射例ではNO例の5年および10年生存率は67%, 67%であり, N+では42%, 25%であった (p<0.05).根治例の5年局所制御率はT3で48%, T4で24%であった.T4声門上部喉頭癌では舌根部まで進展した例の予後が他の症例に比べて有意に不良であった.T3, T4喉頭癌ではリンパ節転移が, T4声門上部喉頭癌では舌根部への進展が重要な予後因子であった.
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