2003年に制定された熱変形試験方法通則(JIS B 6193)は、マシニングセンタの熱変形に及ぼす環境温度変動、主軸回転、直進軸運動の影響を個々に評価できる工業規格である。しかし、実稼働時はこれらの要因が同時に影響し合うため、JISの方法を利用して実稼働時の熱変形挙動を間接的にでも予測するのは難しい状況にある。また、現状では実稼働状態の熱変形挙動を把握する試験法の規定は存在しない。本論文では、特に金型加工のような長時間加工を対象として、マシニングセンタの実稼働時の熱変形挙動を評価するための試験法を新たに開発した結果を報告している。