職業能力開発研究誌
Online ISSN : 2424-1539
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30 巻, 1 号
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研究論文
  • 繁昌 孝二, 坪田 実
    2014 年 30 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    下塗り塗料の顔料濃度が層間付着性に及ぼす影響を明らかにする目的で、PVCの一連に異なる2種の下塗り塗料を調製して、表面粗さと塗膜の物理的強度を変化させた。これら下塗り塗膜に対する各種上塗り塗料の層間付着強さを調べた。結果をまとめると、1)層間付着性の良好な系の層間付着強さ~PVC関係曲線は1つの極大点を有し、極大点を示すPVC値は下塗り単層塗膜のそれとほぼ一致した。一方、層間付着性不良の系の層間付着強さはPVCの増大に伴い増大するが、付着強さは下塗り塗膜に比べて小さかった。2)下塗り塗料の適切なPVC範囲が層間付着性に寄与した。3)層間付着性の向上は相容性の大きい組み合わせ系で達成できることがわかった。
  • 不破 輝彦, 小野 直樹, 小島 伸吾
    2014 年 30 巻 1 号 p. 11-18
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    指導員訓練の中で人間・生体工学を扱う意義について検証した。政産官学の状況や各種のニーズ調査から、人間・生体工学は新たな価値創造、産業育成、雇用創出を期待できる技術の一つであり、人間工学の企業内教育訓練ニーズも高いことから、生体・人間工学関連の在職者訓練の必要性は十分にある。しかし、現実にはこの在職者訓練はほとんど機能していない。原因として、浸透度の低さと、訓練を担当できる職業訓練指導員の不足が考えられた。以上から、人間・生体工学関連の指導員訓練の必要性は高く、意義ある分野であることを示した。加えて、既存の人間工学カリキュラムを分析し、不足する内容として、筋電図の測定評価カリキュラムを提示した。
  • 印南 信男
    2014 年 30 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    15パズルは世界中でよく知られているゲームである。本研究ではDPSOによって15パズルの解の探索を試みた。DPSOはメタヒューリスティクスの手法のひとつであり、解空間が連続値をとるPSOを改良し離散値を扱えるようにしたものである。パズルのコマを10~50回シャッフルして生成された問題に対し、探索性能を調べるため試行を行った。計算の結果、30以下のシャッフル回数で生成された問題に対しては、50%以上の試行で解を得ることができた。遺伝的アルゴリズムによる探索をあわせて行い比較したところ、DPSOによる探索の方でより良好な結果が得られた。
  • 森永 智年
    2014 年 30 巻 1 号 p. 25-34
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、①インテリア設計者(以下、専門家と称す)に特有の認知特性を技能的側面に着目しながら、実験的手法を用いた認知心理学的アプローチで解明すること。及び②、①の実践が創造的職業の技能分析に果たす貢献について示すことである。① については、専門家が専門性に対して発揮するすぐれた情報処理能力について、2つ調査をとおしてその特性を明らかにした。調査1では評価グリッド法を用いて、専門家の評価構造を可視化することで、その評価特性を明らかにした。調査2では、二重符号化論を基に、イメージコラージュ技法を用いて、初心者と専門家の知識構造を比較することで、その特性の違いを可視化して示した。
  • ~若年者ものづくり競技大会メカトロニクス職種に焦点を当てて~
    永野 雄作, 日高 義浩
    2014 年 30 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    これまで、工業高校生を対象に高度な技能を持つ技能者育成について報告してきた。卒業後の進路先となる企業から求められる人材育成のため、新たに若年者ものづくり競技大会「メカトロニクス」職種や技能五輪「電子機器組立て」職種に生徒が出場できるように取り組んでいる。そこで本報では、若年者ものづくり競技大会「メカトロニクス」職種に焦点を当て、高度な技術・技能を必要とする競技会へ出場できる工業高校生の育成に関する現状と課題について調査を行った。その結果、①参加に至るまでに機材の面で多額な費用を要すること、②多様な知識や技術を必要とするため、指導者の指導力に関する問題が生じていること、③高度な技術・技能をもつ技術者養成には時間を必要とするため、教育課程のみで対応するには難しいこと、が宮崎県の事例を通して明らかとなった。
  • 北  正彦, 塩田  泰仁
    2014 年 30 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    著者らは、曲がり穴加工用マイクロロボットの開発1)を目指しており、その主要部品となる形状記憶合金(SMA:Shape Memory Alloy)製コイルばねは、最適化の過程で寸法解が複数存在し多様な形状を要求される。しかしながら、それらは流通量が少なく標準化が進んでいないことから、市販品から仕様を満足するものを見出すことは極めて難しい。そこで、これらの解決を目的に独自の小型旋盤式コイリングマシンの開発を行い、SMA製コイルばねの寸法形状、および変態温度、ばね定数などをある程度の範囲で選択、調整できる製作環境を構築した。本稿では装置の開発と、それを利用したSMA製コイルばねの製作、および検証について報告し、あわせて開発装置の訓練課題、教材としての展開を考察する。
  • 浅野 博, 大澤 剛, 陣内 望
    2014 年 30 巻 1 号 p. 47-55
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    関東職業能力開発大学校(以下、関東能開大と略す)は、2001年4月応用課程が設置され、翌年の2002年度より現在に至るまで、応用課程2年次に開発課題実習を実施している。本報告では、関東能開大の開発課題実習の実施法とともに、初年度の2002年度から2011年度までの10年間の開発課題テーマの分析結果を紹介する。同時に10年間の開発課題実習テーマに対する産学官の意見等から関東能開大の開発課題の有用性を述べ、今後の進め方について考察し、新科への移行に伴う開発課題実習への影響を極力抑えるためのポイントを整理した。
  • 星野 実, 村上 智広, 松本 和重, 藤田 紀勝, 中村 瑞穂, 寺田 憲司, 大島 敦史
    2014 年 30 巻 1 号 p. 57-66
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    昨今のものづくり企業は、広範な知識や技能・技術を要求し、生産プロセスに対応できる人材を求めている。公共の離職者訓練では、企業の人材育成ニーズに対応することを求められている。そこで、雇用・能力開発機構が培ったシステム・ユニット訓練と生産プロセスを再現して応用的な訓練課題とを融合させた「技能活用型」訓練を設定して試行実施した。神奈川センターでの実施結果は、求人企業に評価され受講生全員が製造業の正社員として就職を決めることができた。また、全国の能開施設でも高い就職率となった。本論文は、新たに設定された訓練の実践報告と有効性について報告する。
  • 奥 猛文, 入倉 則夫
    2014 年 30 巻 1 号 p. 67-72
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    学習者が技能要素を習得する速度と順番は個人で異なる。学習者は複数の技能要素を一つひとつ、または、関連付けて同時に習得するためである。異なる技能要素を習熟する多能工であっても前後工程で互いに作業の補完を行うことで、製造ラインへ早期投入できる。そのためには、多能工の有する複数の技能要素を互いに把握することが必要である。そこで、学習過程の個々のパターン差を考慮した技能の統計的な評価方法を提案する。2人の練習過程に適用して、技能検定の採点スコアと比較した。その結果、技能の定量的な評価の可能性を見出した。この評価方法を技能検定の実技課題に適用して実証を進める。本稿では、技能の統計的な評価方法について報告する。
  • 岡部 眞幸, 吉浦 研, 太田 和良, 光本 高野
    2014 年 30 巻 1 号 p. 73-83
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    2003年に制定された熱変形試験方法通則(JIS B 6193)は、マシニングセンタの熱変形に及ぼす環境温度変動、主軸回転、直進軸運動の影響を個々に評価できる工業規格である。しかし、実稼働時はこれらの要因が同時に影響し合うため、JISの方法を利用して実稼働時の熱変形挙動を間接的にでも予測するのは難しい状況にある。また、現状では実稼働状態の熱変形挙動を把握する試験法の規定は存在しない。本論文では、特に金型加工のような長時間加工を対象として、マシニングセンタの実稼働時の熱変形挙動を評価するための試験法を新たに開発した結果を報告している。
  • 田中 晃, 平原 英明, 山本 修, 荒 隆裕
    2014 年 30 巻 1 号 p. 85-90
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    著者らは、小容量の直流電源を用いた静止試験によって交流回転機の演算子インピーダンスを測定し、各種の運転特性を算出する方法を検討している。この方法は、静止した回転機の巻線端子間に直流電流を流した後に、この端子間を短絡した時の減衰電流をフーリエ変換することによって、演算子インピーダンスを測定できることに着眼したものである。本論文ではスイッチングによる多様な電圧印加パターンに適用可能な演算子インピーダンス算定式を示すとともに、5.5kWのかご形誘導電動機に対する実施例にもとづいて、本方法の妥当性が検証されている。
  • ―技能五輪国際大会で世界一の技能者を育てる―
    菊池 拓男
    2014 年 30 巻 1 号 p. 91-101
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    技能五輪国際大会のメダリストの数はその国のものづくり力・職業訓練力と相関関係があるとも言われている。ものづくりのグローバル化の進展は着実に広がり、その基盤となる職業訓練も国際競争に晒されている中で、技能五輪国際大会は技能のベンチマークを行う機会であり、その成績は日本の職業訓練の国際的なプレゼンスを示すものでもある。しかし、近年日本選手団は厳しい戦いが続いている。本論文では、情報ネットワーク施工職種を例に職業能力評価基準、技能五輪及び技能検定の各職業能力評価制度を連携して効果的に活用することが国内における技能五輪訓練の強化策となることを示す。また、技能五輪国際大会の職種定義を分析・活用することで、国際標準に沿った職業訓練を行う手法を提案する。この方法により日本選手の成績向上が見込める。さらには、技能国際大会を活用し、職業訓練システムの国際標準化を行うためスキル・スタンダードの策定法について論じる。この手法は海外に日本の職業訓練を普及させるために有効であることを示す。
  • 男木側の割裂破壊荷重についての検討
    塚崎 英世, 前川 秀幸, 松留 愼一郎
    2014 年 30 巻 1 号 p. 103-106
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    部材が機械加工された四号建築物の小規模な木造戸建て住宅に構造計算をおこなった場合,仕口断面不足のために接合部強度が不足している例が報告されている。その一因として仕口の寸法・形状と強度特性の関係が未精査な状況であることが考えられる。そこで実大モデルで腰掛蟻仕口における断面欠損量の変化がせん断強度特性に及ぼす影響を把握するとともに,男木の使用限界強度を割裂破壊荷重式で推定することを目的とした。その結果,断面欠損量とせん断強度特性の関係を把握し,割裂破壊荷重式で男木側の使用限界強度の推定が可能であることがわかった。
  • 山崎 尚志, 三田 紀行
    2014 年 30 巻 1 号 p. 107-112
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    本研究は、コンクリートブロック組積体の強度特性を明らかにすることを目的とした実験的研究である。実験では、コンクリートブロック組積体の構成材料である、コンクリートブロック、充填モルタルおよび目地モルタルを主な実験要因とし、各材料の強度を変化させたプリズム試験体を作製し、圧縮試験によりその強度特性を評価した。実験結果をもとに、コンクリートブロック組積体中に占める構成材料の容積とその強度によるコンクリートブロック組積体の圧縮強度推定や、重回帰分析による圧縮強度推定を試みた。その結果、コンクリートブロック組積体の圧縮強度には、充填モルタルの強度が影響し、線形重回帰式によりコンクリートブロック組積体の圧縮強度をある程度推定できることが確認された。
  • 池田 義人, 遠藤 龍司
    2014 年 30 巻 1 号 p. 113-122
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    3層フレームモデルのすべての層の水平剛性を同時に評価するために、逆問題解析によるシステム同定を行った。一般に、逆問題解析は一意解が存在しないことに起因して非適切な問題である。本研究では、正則化パラメータを含む可変的パラメトリック射影フィルタ(VPPF)に基づくアルゴリズムにより、実測された固有振動数を観測データとした逆問題解析を構成した。本アルゴリズムは繰り返し計算を必要としていることから、初期値の設定による解の精度への影響について検討を加えた。さらに、可変的に決定される正則化パラメータによるVPPFの特性について考察を加え、本手法の有効性を示した。
研究資料
  • 学習時間・到達目標・指導項目数・授業方略を考慮した比較
    新井 吾朗
    2014 年 30 巻 1 号 p. 123-130
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    近年、学修歴の相互認証を背景とする大学教育と職業訓練の接近がみられる。本稿は、職業訓練での学習、とりわけ講義での学習を、大学教育の「単位」で表現する考え方を整理した。その際、学習時間だけでなく到達目標、指導項目数、授業方略を加味して検討した。その結果、職業訓練の実施にあたって、①授業時間内で行う45時間の学習を1単位とすること、②複数の科目を組み合わせて45時間の倍数の授業を実施して、時間数に応じた単位で表現すること、③授業時間内に主体的な学修に対応する時間を確保することを導出した。
  • 市川 修, 南川 英樹
    2014 年 30 巻 1 号 p. 131-134
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    機械工学、電気・電子工学、制御工学、情報工学の分野を融合したメカトロニクス技術は、各分野の知識や技術を活用することにより、機械システムを高機能化・高性能化するものである。ものづくりを支える中核技術のひとつであり、自動生産設備、インテリジェントな運輸装置、家電機器などに応用されている。メカトロニクス技術の習得には、比較的広い範囲の知識や技術が必要であり、それらをいかに活用するかが問題となる。本論文では、複雑化しているメカトロニクス技術を限られた時間で効率よく教育するために、機械専攻の学生を対象とするメカトロニクス分野の教育カリキュラムを検討した。その検討結果として、修得すべき技術、講義・実技科目の履修内容と順序を提案する。
  • 資格枠組み構築は、人材育成上の多くの課題解決の結節点
    岩田 克彦
    2014 年 30 巻 1 号 p. 135-143
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    世界各国で、資格枠組み(各資格のレベルを比較する物差し)策定が進んでいる。資格枠組みは、能力評価の社会的認定を促進し、労働市場、教育訓練機関のそれぞれの内部、交互そして各国間での移動促進、教育・訓練の活性化などにつながることが期待されており、主要国で策定に取り組んでいないのは、今や米国と日本だけになっている。日本では職業別労働市場の育成が欧米諸国に比べ弱く、労働市場、教育・訓練をまたがる資格枠組みの策定には大きなエネルギーが必要となろう。しかし、若者、女性、中高年、障害者の能力開発、グローバル化ヘの対応など日本における人材育成上の多くの課題の解決に資するものであり、JQF(国がインフラとして策定する日本版資格枠組み)の策定がもたらす効果は他国以上に大きい。ここでは、「資格枠組み」とは何かを欧州の状況を中心に説明し、日本での資格枠組みの前段的試みを紹介した後、日本版資格枠組み策定の意義を論ずる。
  • 福永 卓己, 多々良 敏也
    2014 年 30 巻 1 号 p. 144-149
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構で実施している離職者訓練は、システム・ユニット訓練方式を採用し、その教材として、システム・ユニット訓練用テキストを基に、職業訓練が実施されている。しかし、その使用実態を把握する中で、いくつかの課題・問題点が浮かび上がってきている。このような現状から、離職者訓練におけるシステム・ユニット訓練用テキストの使用状況は、減少してきており、全国的に職業訓練に対して同水準の質の保証を行うとともに、先導的な訓練技法等を各職業能力開発関係者に普及促進するために開発された意義において、システム・ユニット訓練用教材の役割やあり方等について根本的な検討が必要となってきているところである。本報告書は、調査研究3年間の活動についてまとめたものである。
  • 五十嵐 茂
    2014 年 30 巻 1 号 p. 150-157
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    専門課程2年生の総合制作実習における超音波を応用した教材開発について、動作原理を示しながら紹介する。これらの教材は、①超音波パルスの直接波や反射波の伝搬時間により距離を計測する応用、②ドップラ効果により移動体の速度を計測する応用、③超音波を搬送波として音声等の通信を行う応用に分類される。これらによって学生は、これまでの学科の知識や実習の体験が活用でき、設計、試作、評価を繰り返して問題解決力を養い、興味に応じて創造力を発揮し、期限までに完成するための工程を管理する等ものづくりの総合力が習得でき、さらに達成感も得ることができる。
  • 谷岡 政宏
    2014 年 30 巻 1 号 p. 158-163
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    平成24年度から中学校の技術・家庭科ではプログラムによる計測・制御が必修となった。しかしながら、様々な制約の中で行わなければならないという現実がある。そのために開発された教材に浅田寿展氏の考案によるヒダピオシステムがあるがマイコン制御を学習するには市販のコンパイラをインストールするためにOSの管理者権限が必要であり厳格に管理された中学校の教室での使用は困難であった。そこでテキスト処理言語AWKによって新たにコンパイラを作成した。これは実際に中学校の授業で利用されるほか、小中学生を対象にしたものづくり教室等で電子オルゴール製作に使用される等、その有効性、実用性について実証されている。
  • 岩永 禎之, 新井 吾郎
    2014 年 30 巻 1 号 p. 164-170
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    新規学卒者の高い早期離職率が問題であるが、従来の離職予測モデルでは在学中に適用できない。本稿の目的は将来の離職者を在学中に予測する手法を開発することである。調査研究資料No.120 で実施したヒューマンスキル・コンセプチュアルスキルの能力別質問シートの試行検証結果に加え、卒業後の就業状況、指導員による総合評価と全科目の成績などを追跡調査した。これをもとに品質工学が提唱するパターン認識のためのMTシステムを用い、離職者の予測を行った。就職担当を含む複数の指導員による検証により、本手法の予測結果は概ね相対的な順位の妥当性が高いという結果を得た。在学中の離職者予測の可能性を示し、より効果的な指導に役立つであろう。
  • 戸枝 毅
    2014 年 30 巻 1 号 p. 171-174
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    福島原発事故により、日本の安全関連系エンジニアリングはその権威と威信を失った。今こそ、一般の方々が持つ「危険・不安」という科学技術への不信感を払拭し、「安全・安心」につながる信頼を取り戻さなければならない。そのため、我々エンジニアには、「リスクアセスメント、安全確認型、第三者認証」など世界で通用する安全技術を身に付け、具体的に活用することが迫られている。これら国際安全規格関連技術の教育と実践について、当社での事例を基に報告する。
  • 星野 実, 太田 和良, 前田 晃穂, 國谷 恭平, 安武 蒼一郎, 本田 雄一, 加藤 朗人, 長谷川 育哉, 長谷川 遼平, 小山田 孝 ...
    2014 年 30 巻 1 号 p. 175-184
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    日中韓大学金型グランプリは,金型について学ぶ日本・中国・韓国の大学生が同一課題で設計・製作を行い,その成果を金型の世界的な展示会である「INTER MOLD」にて展示し発表を行う。第五回大会からは、学生のサークルである「金型倶楽部」に所属する10名の学生も参加した。本論文は、大学金型グランプリに挑んだ「金型倶楽部」の設計製作手法およびその評価である。
  • 橋本 幸博, 鳥海 吉弘, 五反田 千明
    2014 年 30 巻 1 号 p. 185-190
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    オフィスワーカーのストレス緩和を目的として、室内緑化を施すことがあるが、オフィスに観葉植物を設置するには、コストや維持管理の点で困難なことがあり、維持管理がほとんど不要な人工植物で観葉植物の代用ができれば便利である。そこで、本研究では、既往研究に続いて、人工植物を混在させたときのストレス緩和効果を調査するために、被験者実験を実施した。着座席からの緑視率をパラメーターとして、被験者にストレス負荷を与えたときの回復効果について、心拍変動、脈拍値及びフリッカー値の変化を分析した。
  • 小笠原 吉張
    2014 年 30 巻 1 号 p. 191-199
    発行日: 2014年
    公開日: 2020/09/01
    ジャーナル フリー
    秋田県大館市は,2005(平成17)年6月20日に旧比内町と旧田代町を編入し,現在の「大館市」となったことを機に「新大館市総合計画」をはじめ,様々な計画の策定を始めた。策定に当たっては,従来のトップダウンではなく,ボトムアップの方法が多く採用された。「大館市都市計画マスタープラン」の策定では,策定委員長の提案により,市民を集めての数回にわたるワークショップを開催し,新大館市の現状を把握して市民の目線からの提案を盛り込む形で策定された。これが,大館市における「まち育て」の始まりとなる。本稿では,「大館市御成町南地区土地区画整理事業」が進む中,協議会が推進室の協力のもと取り組む「プログラム」を活用した「まち育て」について報告する。
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