日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成15年度日本風工学会年次研究発表会
選択された号の論文の91件中1~50を表示しています
  • 花房 龍男
    p. 1
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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  • 吹き上げ、吹き降ろしの風が風向風速計に与える影響
    河野 良坪, 加藤 信介, 大岡 龍三, 高橋 岳生
    p. 2
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    起伏の多い地域において風況観測を行う場合、観測器に対して吹き上げ、吹き下ろしの風の影響が懸念される。
    本報では風況観測に用いられる3種類の風向風速計について、同一条件の下で風速を比較することにより、各観測器の測定性能について風洞実験を行い検討した。
    風向風速計は三杯型風向風速計、エエロベーン風向風速計、三次元超音波風速計を用いた。
  • 喜々津 仁密, 奥田 泰雄, 小林 隆久, 山内 洋, 田村 哲郎
    p. 3
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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     地形の起伏の少ない開けた平坦地としてつくば地域を対象とした上空の風観測を行った。南北方向に約10km離れた異なる二地点(独立行政法人建築研究所及び気象研究所)において、ドップラーソーダと風車型微風向風速計をそれぞれ用いて観測しており、2003年3月3日から21日までの観測結果について考察した。 二地点の平均風速及び風向に関して、それぞれ一定の相関があることが確認された。平均風速の鉛直分布に関しては、気象研究所での鉛直分布のべき指数の平均値のほうが建築研究所でのそれよりも大きく、かつ、西風による場合より北風による場合の方が大きくなった。これは、気象研究所北方に位置する市街地による地表面粗度が寄与していると考えられる。また、10分毎の鉛直分布のべき指数から求めた二地点間の相互相関係数を求めたところ、時間遅れ10から20分で係数が最大となっており、数十分程度の時間スケールの移流を考慮した鉛直分布評価の有意性が確認された。
  • 久田 由紀子, 杉原 裕司, 松永 信博
    p. 4
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    福岡では1980年以降平均風速の減少が報告されている.本研究では、この平均風速の減少に着目し,過去26年にわたる風系の変化を季節ごとに詳細に調べ,福岡市域に流入する風の変化とヒートアイランド効果の関係について検討した.その結果,福岡平野では,夏季において風速と気温との間に良い相関が見られ,熱対流によって引き起こされる局地風が卓越することが示された.また,冬季にはヒートアイランドに伴う対流ドームが強固となり,外部流である季節風の侵入が阻害され,風速が減少する傾向にあることが示唆された.この効果が,福岡平野の平均風速の減少に寄与しているようである.
  • 又吉 直樹, 奥野 善則, 小瀬 善則, 前山 徳久, 曽 平統
    p. 5
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    東京都の青ヶ島で設置が検討されている新ヘリポート候補地は,三方を断崖に囲まれており,強風時に風の乱れが生じる懸念がある。このため,東邦航空(株)がとりまとめとなって行われた設置可否調査の一環として(財)日本気象協会により風況の数値シミュレーション解析が実施されると共に,独立行政法人 航空宇宙技術研究所の実験用ヘリコプタMuPAL-Epsilon(三菱式MH2000A)を用いた同島周辺の風計測飛行実験が行われ,候補地上空に発生する局所的な風の乱れが計測された。数値解析で全体の風況を把握して風の乱れが発生しやすい条件を特定し,その条件下における瞬間的な気象場を航空機を用いて確認するという今回の手法により,飛行安全に対する風の影響をより正確に評価することができた。
  • 糸井 達哉, 高田 毅士, 神田 順
    p. 6
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    合理的な耐風設計を行うためには、建設地点における強風の発生頻度の風向依存性を考慮する必要がある。以上のような風向特性を評価するためには、台風の経路などの強風の発生原因の評価とともに風向毎の地表面粗度および局所地形の影響評価が重要である。本報告では、地理情報システム(GIS)を用いて地表面粗度を評価するために、既往の研究の問題点を把握することを目的とする。既往の研究のひとつである亀井・丸田の式は、比較的実験・実測記録と一致するが、平面密度 が0.3 _から_0.4以上の地域には適用できないことがわかった。
  • 松井 正宏, 田村 幸雄
    p. 7
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    日本における風向別の設計風速の設定方法について検討した。気象台記録と台風の経路を元に成因別(台風、非台風)に強風を取り扱い、その結果を合成した。台風については台風モデルを用いたモンテカルロシミュレーションをPOD気圧場モデルと実測と計算値をハイブリッドに用いた地上風の予測手法を開発し、予測精度の向上を図った。風向別の設計風速は再現期間100年の風荷重を与える風向別の再現期間(等価な荷重を与える再現期間)を逆算して求める方法を提案した。
  • 宮田 利雄, 山田 均, 勝地 弘, 斉藤 智久
    p. 8
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    台風による風速を予測する手法として,台風シミュレーション手法が国内外で研究されている.また,日本の気候的特徴として,年最大風速はほとんどの地域において台風を成因としている.一方,世界の数多くの機関で,地球温暖化に伴う気候変動の数値予測が行われているが,一例として,気象庁の予測によると,日本南海において今後100年間で最大3_から_4℃の海面温度の上昇が見込まれている.本研究では,台風シミュレーションに地球温暖化による海水表面温度の影響を組み込み,日本各地での地球温暖化に伴う風速強度変化を検討した.
  • 古澤 卓士, 田村 哲郎, 坪倉 誠, 曹 曙陽
    p. 9
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    本研究では、空間発達する温度成層乱流境界層を解くためのモデルとして、Lundの手法を用いて十分発達した乱流中に温度をパッシブスカラー量として入れた中立乱流場をドライバ部で作成し、温度成層性を伴う本計算部に流入させる事で成層性乱流境界層を空間発達させる。この方法を用いる事で、空間発達境界層を解析するための長い吹送距離をも不必要とした。また、今までの多くの研究では主に境界層での床面近傍(接地層)の領域における乱流構造の研究が行われてきており、その一方で、乱流境界層上部での乱流構造の詳細な研究はまれである。そこで本研究では空間発達した安定・不安定成層性乱流境界層のLES解析を行い、生成された流入データの使用によって、間欠性といった、成層性境界層の外層部での考察をも行う事を目的とする。
  • 稲葉 貴人, 田村 哲郎, 坪倉 誠, 曹 曙陽
    p. 10
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    乱雑に立ち並び、密集した建物群上空の乱流構造を予測し、汚染ガスの拡散過程を明らかにすることは都市域の空気清浄を考える上で極めて重要である。本研究では、LESと準周期的境界条件を用いて粗面上を空間発達する乱流境界層を作成し、ランダムに配置されたラフネス上での流れと拡散の挙動を解析することを目的とする。ランダムラフネス上の特徴を把握するためラフネス密度を一定とした2つのケース(一様ラフネス配置とランダムラフネス配置)を実行する。その結果、ラフネス高さ近傍では、ラフネスの局所的な特性により一様ラフネスより早いタッチダウンが見られた。一方、上空では、一様ラフネスとランダムラフネスで乱流強度の明確な変化がないにもかかわらず平均濃度と変動濃度に大きな差が生じた。
  • 曹 曙陽, 田村 哲郎, 大野 修, 奥田 泰雄, 岡田 恒, 山内 洋
    p. 11
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    実在都市の地表被覆特性と風速の鉛直プロファイルとの関係は設計基準風速の決定に関わる重要な問題である。本研究では、既往の研究成果からラフネス密度と鉛直プロファイルとの関係を明らかにし、実在都市の風速鉛直プロファイルについてラフネス密度に基づいた予測およびLESによる予測を行ない、両者を比較した。都市中心領域において、建物の平均高さをラフネス高さとして評価するのは過少評価になることを示した。
  • 河野 孝昭, 田村 哲郎, 曹 曙陽, 奥田 泰雄, 岡田 恒
    p. 12
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
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    計算格子に沿わない物体形状を扱えるImmersed Boundary Method を用いて、各々異なる壁面方向を有して近接している実在の高層ビル群周辺における風の流れのLES解析をビルの本数及び接近流の条件が異なる3つのケースに対して行った。まず、流入風を一様流とした解析を単体及び三体の高層ビルを対象に行い、両者を比較する事で、複雑な建物形状や配置形態により生み出される渦構造及び風圧特性を把握した。さらに、実在の大気乱流境界層下の状態を模擬する為に、速度勾配を有する変動風を流入条件とした解析を近接した三体の高層ビルを対象に行い、一様流入風の結果と比較することによって、複数建築物を対象とした流れ解析に果たす流入風条件の重要性を考察した。
  • 持田 灯, Yu Fat LUN, 吉野 博, 白澤 多一
    p. 13
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、2次元の様々な角度の上り斜面と下り斜面を対象に長野・服部らにより提案されたS-Ωモデルの予測精度を検討した。
  • 飯塚 悟, 近藤 裕昭
    p. 14
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    筆者らはこれまでに標準型及びdynamic型のSmagorinskyモデルを用いたLESにより2次元山岳地形上流れの解析を行ってきた。この解析において、標準Smagorinskyモデルは良好な予測結果を示しているが、壁面減衰関数の用い方等に問題も残す(一方、dynamic型の予測精度には大きな問題あり)。そこで本研究では、稲垣ら(2002)が提案する壁面減衰関数を必要としないnon-Smagorinsky型渦粘性モデル(静的モデル)を導入し、その予測精度の検証を行う。
  • 新藤 貴子, 曹 曙陽, 田村 哲郎
    p. 15
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    乱流境界層中に丘陵がある場合、その形状的な曲がりの影響や、圧力勾配の影響が顕著である。このような流れは、加減速を伴い、剥離、再付着といった現象を引き起こしている。本研究では、このような流れ場を精度良く予測するために、時間的、空間的に変化する流入風と DNSを用いて、乱流境界層中の急峻な2次元丘陵地周りの流れの解析を行った。このDNS解析より、平均速度、レイノルズ応力、乱流エネルギー収支などを算出し、二次元丘陵地まわりの剥離乱流構造の特性を明らかにした。
  • 田中 透一, 林 吉彦, 大宮 喜文, 佐賀 武司, 若松 孝旺
    p. 16
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    市街地火災では、複数火災家屋から大量の熱気流が発生するが、強風下においては、熱気流は風下側に傾斜し、予熱により延焼を促進するほか、救出、救護、避難、消火活動の妨げにもなる。市街地火災の延焼防止策や、指定避難場所の安全性を検討するためには、火災家屋群から生じる熱気流性状について、有風下を前提とした知見が必要になってくる。 本研究では、複数火災家屋からの有風下傾斜熱気流を対象に、火災風洞模型実験を行い、実験結果に基づき、3次元空間温度分布に関する予測モデルの提案を行った。実験では、市街地火災の初期を想定して、単独火源と2個火源を扱った。
  • 田村 哲郎, 曹 曙陽, 柳 貴之, 奥田 泰雄, 奥田 恒
    p. 17
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    近年、都市には高層建物が密集して立ち並び、その外観もガラス面が増加するなど大きく変化している。それに伴い、建物からの飛散物(フライングデブリ)による被害が注目されてきており、強風時における飛散物の建物への被害予測は重要である。そこで、東京都心部でのラージエディーシミュレーションによる三次元非定常流れ場の数値解析データを利用して、球状・平板状物体のフライングデブリの軌跡予測を行った。その結果、平均場では現れない瞬間的に大きな負圧力や風速により飛散距離が大きくなることが確認された。また、回転平板の飛散距離も、球に比べて揚力によりかなり大きくなることが確認された。
  • 友清 衣利子, 前田 潤滋
    p. 18
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本報は、1999年台風18号時でのNeWMeKとAMeDASでの風速記録から最大風速の継続時間を求め、九州地区での住宅の被害分布との関係について整理した。NeWMeKおよびAMeDASの観測記録によれば、それぞれ平均風速25m/s以上、20m/s以上の強風では継続時間の増加とともに被害率を増加させるが、平均風速がそれ以下の場合には風速継続時間が長くなっても被害は増加しない。また、それぞれ平均風速25m/s、20m/sを越えると、平均風速の増大にともなって同程度の被害が発生するまでの風速継続時間が短くなる。つまり、住宅被害の拡大には強風の継続時間が大きく影響しており、強風時にはその風速値とともに風速の継続時間にも注目する必要がある。
  • 軒のシールの影響
    河井 宏允, 西村 宏昭
    p. 19
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    強風による瓦の飛散原因を調べるため,自然風中において寄せ棟屋根上の瓦の表面と裏面に作用する風力を測定した。測定は,強風地帯で行われている軒先を完全にシールした場合と,軒先をシールしない場合の両方の状態で行った。軒先をシールすることによって,風上屋根面の野地裏の平均圧力が低下し,瓦に作用する正味の平均揚力も低下する。瞬間的に瓦に大きな揚力が働くのは,風が軒に対してほぼ正面から当たる場合の風上側の屋根面であり,この場合,瓦の表面に作用する風力が瞬間的に大きく低下する一方,野地裏の圧力即ち瓦の裏面の圧力はほぼ平均値を保つ。軒先をシールした場合には,瓦の表面の圧力が大きく低下する時,野地裏の圧力も追従して低下する結果,瓦に作用する正味の圧力がそれ程低下しない。したがって,軒先のシールは瓦の飛散防止にとって効果的な方法の一つと考えられ。
  • 大岡 龍三, 加藤 信介, 黄 弘, 林 吉彦, 大竹 宏
    p. 20
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    飛火の飛散性状を予測するための第一段階として、建物が木造と仮定し、木材の熱分解により生成された一酸化炭素が気中で燃焼する火災モデルを用いて、水平流がある場合の火災プルームのシミュレーションを行った。建物屋上面単位面積あたり可燃物積載重量は35kg/m2と仮定し、一つの建物が燃焼する発熱量は1.6MW/m2となった。流入風速が比較的低速の場合は、熱上昇気流が卓越し、強風の場合は、熱上昇気流が抑制される。2棟火災のとき、風下側の建物後の熱上昇気流が単棟火災より強くなることが分かった。
  • 加藤 信介, 黄 弘, 大岡 龍三, 林 吉彦, 大竹 宏
    p. 21
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、都市火災の伝搬要因の一つである火の粉飛散による飛び火現象の物理モデルを作成し、建物周辺の風の流れを再現するCFD解析と火の粉飛散モデルを連成させて都市火災伝搬を解析しようとするものである。本来、火の粉の形状は多様であり、また延焼能力の大きい火の粉は寸法・重量ともに相当に大きいと考えられる。このような場合、正確な予測を行うためには飛散する火の粉に対して働く重力、抗力を考慮し、個々の火の粉の輸送をラグランジュ方程式を解いて、解析することが望ましいと考えられる。本研究では、火の粉が球状であると仮定し、風による移流・拡散性状をCFDを用いて解析する。
  • 吉岡 英樹, 林 吉彦, 大宮 喜文, 加藤 信介, 大岡 龍三, 野口 貴文
    p. 22
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    市街地火災において、建物間の延焼を引き起こす要因としては、接炎、放射熱、熱気流、火の粉などが挙げられる。特に強風下においては、大量の火の粉が原因となって、火災発生場所から離れた所で飛び火による延焼被害が起こる事例も多い。火の粉および火の粉の原因とした飛び火は、市街地火災性状を解明する際に重要であるにもかかわらず、これまでは実験施設の制約から系統的、工学的な研究が十分進められてきたとは言いがたい。そこで本研究では、実スケールの防火木造家屋を用いた火災風洞実験を実施し、火の粉の解明を試みることとした。特に、火災進展と火の粉発生との時系列的な関係を定量的かつ定性的に把握することを主目的とした。得られた知見と今後の課題を以下に記す。 (1) 火の粉発生と火災進展の時系列的な関係を実大実験から捉える事ができた。火の粉の発生を促進する火災の進展現象は、フラッシュオーバーの発生、部材(屋根、壁、垂木など)の崩壊、開口噴出火炎や煙の発生等を挙げることができる。 (2) 有風化の火災家屋から発生した火の粉を実験後収集して、形状と質量を具体的に計測した。 (3) 風速等の条件を変化させて引き続き火災風洞実験を行い、火の粉の発生性状を比較検討する。
  • 数値解析手法
    林 吉彦, 大宮 喜文, 岩見 達也, 佐賀 武司, 後藤 伸寿, 加藤 信介, 大岡 龍三, 吉岡 英樹, 野口 貴文
    p. 23
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    都市部で大地震が発生すると、同時多発的に火災が発生し、一部の放任火災が市街地火災へと進展する可能性がある。市街地火災に備えて、延焼防止策を講じたり、広域避難場所の安全性について確認しておく必要があるが、まず初めに、市街地火災性状そのものを把握しておかなければならない。市街地火災は、強風下で被害を増大させるため、火災性状と風との関係を把握することが特に重要となる。有風下の市街地火災の延焼要因としては、開口噴出火炎や家屋の炎上火炎からの接炎、火炎からの放射伝熱、熱気流からの対流伝熱のほか、火の粉による跳躍延焼を挙げることができる。接炎、放射、対流については、火災研究の環境整備や都市防災関連プロジェクト等と連携して、地道に研究が進められてきたが、火の粉による延焼加害性については、火の粉が発生し、延焼に至るまでの過程に、工学的にはモデル化しにくい多くの要因があり、市街地火災対策上、重要な現象でありながらも、系統的、工学的研究が十分に進められてきたとは言えない。火の粉は、(1)発生、(2)飛散(飛散性状、飛散範囲)、(3)着床着火の3つのフェーズに分類される。この中で、飛散に関しては、火炎から遠く離れた領域までが視野に入ってくるが、このような領域では、気流温度はそれほど高くはなく、ほとんど流れ性状だけが問題となることから、火の粉の飛散範囲を予測するには、建築都市環境工学分野等で実用的ツールとなりつつあるCFD(計算流体力学)の適用が有効と考えられる。本稿は、火の粉の飛散範囲をCFDを用いて予測するものである。火の粉の発生量、大きさ、密度、飛散時に受ける抗力等をパラメータとして飛散範囲を計算し、計算結果と実態調査結果を比較した。実態調査報告は、火の粉の飛散と飛火に関するもので、1998年11月17日に発生した和歌山県白浜温泉ホテル火災を受けて実施された現地調査とアンケート調査に基づいている。
  • 計算結果と実地調査結果の比較
    林 吉彦, 大宮 喜文, 岩見 達也, 佐賀 武司, 後藤 伸寿, 加藤 信介, 大岡 龍三, 吉岡 英樹, 野口 貴文
    p. 24
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    都市部で大地震が発生すると、同時多発的に火災が発生し、一部の放任火災が市街地火災へと進展する可能性がある。市街地火災に備えて、延焼防止策を講じたり、広域避難場所の安全性について確認しておく必要があるが、まず初めに、市街地火災性状そのものを把握しておかなければならない。市街地火災は、強風下で被害を増大させるため、火災性状と風との関係を把握することが特に重要となる。有風下の市街地火災の延焼要因としては、開口噴出火炎や家屋の炎上火炎からの接炎、火炎からの放射伝熱、熱気流からの対流伝熱のほか、火の粉による跳躍延焼を挙げることができる。接炎、放射、対流については、火災研究の環境整備や都市防災関連プロジェクト等と連携して、地道に研究が進められてきたが、火の粉による延焼加害性については、火の粉が発生し、延焼に至るまでの過程に、工学的にはモデル化しにくい多くの要因があり、市街地火災対策上、重要な現象でありながらも、系統的、工学的研究が十分に進められてきたとは言えない。火の粉は、(1)発生、(2)飛散(飛散性状、飛散範囲)、(3)着床着火の3つのフェーズに分類される。この中で、飛散に関しては、火炎から遠く離れた領域までが視野に入ってくるが、このような領域では、気流温度はそれほど高くはなく、ほとんど流れ性状だけが問題となることから、火の粉の飛散範囲を予測するには、建築都市環境工学分野等で実用的ツールとなりつつあるCFD(計算流体力学)の適用が有効と考えられる。本稿は、火の粉の飛散範囲をCFDを用いて予測するものである。火の粉の発生量、大きさ、密度、飛散時に受ける抗力等をパラメータとして飛散範囲を計算し、計算結果と実態調査結果を比較した。実態調査報告は、火の粉の飛散と飛火に関するもので、1998年11月17日に発生した和歌山県白浜温泉ホテル火災を受けて実施された現地調査とアンケート調査に基づいている。
  • 内田 孝紀, 大屋 裕二
    p. 25
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    我々はRIAM-COMPACT(Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, Computational Prediction of Airflow over Complex Terrain)と称する局地的風況予測モデルを開発している。本研究では、局所風況場のリアルタイムシミュレーションを目的とし、数(十)km以上の広域スケール(メソスケール)を対象とした地域気象モデルCSU-RAMS(Colorado State University, Regional Atmospheric Modeling System)との接続法を検討した。
  • その1 力学・統計的局所化手法
    石原 孟, 山口 敦, 鵜野 伊津志, 藤野 陽三
    p. 26
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では観測によらない新しい風況精査手法,すなわち力学・統計的局所化手法を提案し,以下の結論を得た.1)地域気象モデルを用いることにより,大地形や大気の安定度の影響を反映した地域風況の予測に成功した.2)本研究で提案した手法により風観測によらず全国任意地点の詳細風況の予測が可能になった.
  • その2 実測による検証
    山口 敦, 石原 孟, 鵜野 伊津志, 藤野 陽三
    p. 27
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    地域風況から局所風況への変換手法として標準・実風況変換を提案し,地域気象モデルRAMSと局所風況予測モデルMASCOTを用いて竜飛岬での局所風況を予測し,実測結果との比較検証を行った.その結果,以下の結論を得た.1)本手法により,観測を行わずに1週間以内に風況精査を行うことが可能となった.2)本手法により8%程度の誤差で年平均風速は予測可能であり,従来の手法に比べ,予測誤差は3分の1程度に低減した.
  • 嶋田 健司, 日比 一喜, 石原 孟, 山口 敦
    p. 28
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    風力発電で発電量の予測にあたっては風車建設地点における正確な風況予測が必要である.このためのプログラムとして従来からWAsPが多く用いられている.ただし我が国では風車建設地点が欧州に多く見られるような平坦な地形ではないことから,WAsPの適用性に関しては従来から議論の余地があるとされている. MASCOTは流体の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式を乱流モデル(k-eモデル)を用いて解く解析プログラムである.これまでに風洞実験による検証の他,竜飛ウィンドパークに適用したときの年平均風速の予測精度について検討し,急峻な地形まわりに形成される,剥離や再付着といった複雑な流れ場をより正確に再現できることが報告されている.本論文では複雑地形に囲まれた某ウィンドファームについて両解析法による風況解析を行ない,発電量予測の比較を試みた結果を報告する.
  • 西田 暁子, 片岡 浩人, 木梨 智子, 川口 彰久
    p. 29
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    近年、自然エネルギーの利用が注目されている。そこで市街地で発生するビル風を利用し風力発電量を予測し、高層建物近傍の風利用の可能性について、数値計算を利用し検討を行った。
  • 岡島 厚, 木綿 隆弘, Issac Gutierrez, 脇坂 義太郎, 岩崎 久弥
    p. 30
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、風力タービンの性能向上を目的として、プロペラ式小型風車にClark Y翼型とMEL002翼型を用いて風洞実験で性能特性を調べ、回転中の翼面上の流れの挙動を油膜法とタフト法により可視化観察した。さらに、翼負圧面の前縁部に細いテープを貼ることで、境界層制御により性能特性及び流れパターンの変化の対応を調べた。その結果、Clark Y翼型風車はV=4m/sでテープを貼ることにより効率が若干上昇し、可視化による流れパターン変化との関連を明らかにした。一方、MEL002翼型風車はV=8m/sで出力効率が2つのピークを示した。また、回転中の翼負圧面上の可視化により、層流剥離、剥離泡の形成、再付着、乱流剥離の流れ様相の変化を確認し、周速比の影響で境界層の挙動が大きく変化することを明らかにした。
  • 本郷  剛, 中山 かほる
    p. 31
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    風環境の評価手法の一つとして用いられる村上らの方法では,評価尺度である日最大瞬間風速をガストファクターにより日最大平均風速に換算している。このガストファクターの取り方により,評価結果大きく変わるため,ガストファクターの適切な決定法の提案が望まれている。本研究はこれまでに行ってきた実測結果を基にガストファクターを提案し,その妥当性について検討したものである。
  • 岩田 達明, 木村 敦子, 持田 灯, 吉野 博, 大岡 龍三, 吉田 伸治
    p. 32
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    近年、樹木の流体力学的影響を考慮した種々の植生モデルが提案されているが、多くの場合、その精度の検証は風洞実験との比較により行われている。本研究では、実測結果が報告されている出雲地方の築地松後方の風速分布を対象に、2つのTypeの植生Canopyモデルを用いて数値解析を行い、実測結果と比較することで植生Canopyモデルの予測精度を検討した。ここでは特に、植生Canopyモデルのモデル係数であるCpε1 およびCpε2に着目し、その最適値についての検討を行った。
  • 佐々木 澄, 持田 灯, 大岡 龍三, 吉田 伸治, 村上 周三, 吉野 博
    p. 33
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    都市の温熱環境悪化に伴い、環境負荷を低減する都市計画が必要となっている。都市の温熱環境を適切に制御するためには、都市への流入熱、流出熱、発熱、蓄熱を考慮した都市域全体の熱収支を考えることが必要となる。本報では、「都市の熱代謝モデル」における都市空間の定式化を用いて、これを関東地方の局地気候解析に適用した東京都区部の熱環境評価を行う。現状の東京の土地利用を境界条件とするケースと東京都区部の建物用地が全面緑化された状況の2ケースの解析を行い、都市緑化に伴う顕熱レベル、潜熱レベル、そしてエンタルピーレベルの熱収支構造の変化について評価し、緑化が都市気候に及ぼす影響について検討する。
  • -仙台都市域における気温多点同時測定に基づく分析-
    十二村 佳樹, 渡辺 浩文, 鈴木 博司
    p. 34
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、夏季に仙台都市域を対象とし気温多点同時測定を実施し、そこに及ぼす海風の影響について分析を行った。
    測定点は30-38点である。測定器は百葉箱に設置し、自然通風状態にて測定間隔10分で測定した。
    分析を行った結果、広域気温分布の地域特性を把握した。また、都市熱環境に及ぼす海風の影響について分析を行った結果、
    海風による気温上昇緩和効果が確認され、その到達範囲は海岸付近測定点から約10-15kmが多いことが確認された。
  • 福島県原町市を対象とした夏季屋外温熱環境実測
    岩谷 賢, 持田 灯, 吉野 博, 佐々木 澄, 渡辺 浩文
    p. 35
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地方中小都市においても夏季における屋外温熱環境の悪化が指摘されており、その対策の一つとして、海風の利用の有効性が注目されている。本研究では、典型的な夏季晴天日のデータを得ることを目的とし、東北地方の太平洋沿岸に位置する福島県原町市を対象として長期屋外実測調査を行った。その結果、海風の吹かない日では気温が高く、海風の吹く日では気温が大幅に低下する傾向がみられ、海風による暑熱緩和効果が確認された。
  • Mohamed Yassin, 加藤 信介, 大岡 龍三, 高橋 岳生, 河野 良坪
    p. 36
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
  • 岸田 岳士, 田村 哲郎, 佐田 幸一
    p. 37
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    大気境界層中に短い時間放出されたトレーサガスの濃度変動を調べるため風洞実験を行った。濃度変動の測定には高応答性の全炭化水素分析計を用いて行い、平均濃度、瞬間的に発生する高濃度値について検討を行った。 短時間放出時のアンサンブル平均濃度Cflatと連続放出時の時間平均濃度Cmeanは非常に似た性質を示す。高濃度値c99(全測定時間で大きい方から1%の値)は連続放出時に比べ非定常性が強いためばらついた分布となり、その分布形はガス中心軸上では対数正規型、離れるに従い指数型の分布となる。また、両測定点ともにグンベル分布による近似で概ね傾向をとらえることができる。
  • 地形や建物粗度の影響を受けた場所における室内通風特性
    明賀 真美, 野津 剛, 田村 哲郎, 曹 曙陽, 奥田 泰雄, 岡田 恒
    p. 38
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    通風とは、在室者の体感温度を下げ室温上昇を抑制する自然換気のことを指し、その現象は建物内外の気流が相互に干渉を及ぼす複雑乱流現象である。よって建物外部環境が重要な要素の一つとなる。特に地形の起伏を多く含む我が国においては、建物粗度に加え地形起伏への配慮が重要となる。しかし現段階では、不連続な地形効果や建物粗度に起因して生じる気流性状の変化や非定常な流れ場が通風に及ぼす影響を議論した研究はほとんど無い。そこで本研究では、より実際の環境に即した状況下での流れ場の把握を目的とし、典型的な日本郊外の都市計画地に、緩やかな起伏や川筋などを含む地形の起伏を有した実在市街地(横浜市・港北ニュータウン)を選定、その地表面細密粗度データを活用することによって、地形効果が加味された建物粗度のLES数値解析を実行する。また然る後、地形効果に起因して生じた気流変化や非定常な風況パターンが、建物の通風特性に与え得る影響を議論するためのモデル構築を目的とし、ネストグリッドを用いた局所域における高解像度LES解析を実行する。
  • 4:4:1角柱モデルを対象とした解析条件の概要
    富永 禎秀, 義江 龍一郎, 持田 灯, 片岡 浩人, 野津 剛, 白澤 多一
    p. 39
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    ビル風等の風環境の予測・評価にCFDを適切に利用するために、境界条件や乱流モデルなどの各種計算条件の設定あるいは手法の選択に際しての問題点を明らかにする目的で、種々の形状の建物モデルを対象にベンチマークテストを実施した。本報(その1)では、4:4:1角柱モデルの解析条件の概要を報告する。境界条件やメッシュ分割を変化させた検討を行った結果、計算結果の差異は小さく、今回設定した標準条件の妥当性が確認された。
  • 4:4:1角柱モデルにおける各種改良k-εモデルの比較
    白澤 多一, 持田 灯, 富永 禎秀, 義江 龍一郎, 片岡 浩人, 野津 剛, 吉野 博
    p. 40
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、前報で示した同一の解析条件のもと4:4:1角柱モデルを対象に行ったベンチマークテスト結果について、乱流モデルの違いが予測精度に及ぼす影響について検討した。標準k-εモデルは建物風上コーナー部でkの過大評価が見られ、屋上面や側面の強風域の再現性に問題があることが確認された。また改良モデルは建物側面付近の強風域の風速分布に改善が見られが、角柱後方の循環流を標準k-εモデルより広めに評価する傾向にあった。
  • 複合建物を対象とした検証用モデルの風洞実験
    野々村 善民, 小林 信行, 富永 禎秀, 持田 灯
    p. 41
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    9つの複合建物の中心建物周囲の街路における風速比を計測した。得られた知見を以下に示す。(1)風向0°に比べ、風向45°における街路内の風速比は高くなる。(2)中心建物の風下側では、交番的に風速が変化しているため、サーミスター風速計による計測値が若干高くなっているものと思われる。
  • 複合建物モデルにおける各種計算条件が予測精度に及ぼす影響
    野津 剛, 持田 灯, 富永 禎秀, 野々村 善民, 義江 龍一郎, 片岡 浩人, 白澤 多一
    p. 42
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    その3では横浜市の風害マニュアルにCFD手法の検証用として指定されている建物群モデルを対象とした風洞実験を行った.そこで本報告は,建物群モデルのCFDを対象にベンチマークを行い,先に示された4:4:1角柱モデルで得られた数値計算に対する種々の知見の一般性を確認するとともに,対象の違いによって新たに現れる問題について検討を行うことを目的とする.
  • 片岡 浩人
    p. 43
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    4:4:1角柱周り気流のLESを行い、平均速度場に関して実験結果と良い一致が得られた。また時刻歴データから統計量を算出し検討を行ったところ、平均ベクトルの絶対値と乱れ速度から、スカラー風速の平均値が再現できることを示した。
  • 石原 孟, フック ファバン, 藤野 陽三
    p. 44
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではPCクラスターを構築し,流体解析コードを用いて性能評価を行い,以下の結論を得た.PCクラスターの性能はネットワーク性能に大きく依存し,格子数の少ないケースではその影響が顕著である.コストパフォーマンスの面ではGigabit Ethernetを採用したシステムが優れている.PCクラスターの加速率は通信時間と演算時間との比から簡易式により予測できる.
  • 菊川 裕規, 宮城 弘守
    p. 45
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
     大気境界層の変動気流を風洞内で再現する試みとして,多数の小型送風機を個々に独立に制御する形式のマルチファン型アクティブ制御風洞の開発を行ってきた。個々の送風機の回転数を独立に時間変動させることでアクティブに変動する気流の再現が可能である。これまでこの風洞を用いて気流制御特性を明らかにし,目標とする気流を得るための制御方法を開発した。本報では時系列変動データを自己相関分析することで,制御目標とする気流変動および制御された気流変動の特徴を分析した。その結果,積分スケールの大きな制御データに対する低周波の制御性が高いことが明らかとなった。また,制御データ数について今後検討が必要であることが明らかとなった。
  • 小園 茂平, 宮城 弘守, 長友 誠, 加藤 英明
    p. 46
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    マルチファン型風洞は多数のファンを一面に並べそれぞれのファンをパソコンで制御することにより乱流を生成しようとするものである。本報告の目的はマルチ型ファン風洞の三つの基本的な運転方法を整理し、その可能性と限界を明らかにすることである。これら三つの運転方法により生じる乱れ特性を比較しそれぞれの流れ構造を調べた。
  • 宮城 弘守, 小園 茂平
    p. 47
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    通常の実験室規模の風洞中に格子乱流より大きな乱れ強度を持つ乱流場を生成するには、マルチファン型風洞(宮崎大ほか)や乱流発生装置(豊技大・高知大)によるアクティブな乱れ生成法が有望と考えられている。
    本研究では、1つの時間変動信号の位相をランダムにずらしてマルチファン型風洞の99台の送風機に与え、生成された乱流場の気流特性を解析した。その結果、風路内に一様な気流特性を分布させるには試行と修正を繰り返す必要があり、吹出し気流の混合が期待したほど進んでいないことも分かった。
  • 野田 稔, 宇都宮 英彦, 長尾 文明, 白石 展博, 足立 浩一
    p. 48
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,従来の2次元乱流を生成するアクティブ乱流生成装置の翼列をスパン方向に分割し,風速変動のスパン方向の空間相関特性をアクティブ制御することで,準3次元的な乱流の生成を可能とするアクティブ乱流生成装置を開発し,各翼列間の位相差を制御することによって鉛直成分の風速変動の空間相関特性を制御することを可能とした.また,今回開発した乱流生成装置を用いて扁平矩形断面を有するタウトストリップ模型に対してガスト応答実験を実施した結果,2次元乱流と準3次元乱流の間で応答の差異が存在することを確認した.
  • 松本 武雄
    p. 49
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
    風洞測定部風上側に鉛直の板をピン支持し、モーターにより強制的に振動させることにより、風向変動のある流れを作ることを試みた。風直角成分は板の振動数で変動したが、風方向成分は、板の振動数およびその2倍の周波数の変動を含んでいた。
  • 河村 良行, 権 彰起, 高橋 貴臣, 武永 智靖, 呉 鍾彬, 鳥井 浩平
    p. 50
    発行日: 2003年
    公開日: 2006/01/26
    会議録・要旨集 フリー
     福岡工業大学で開発された測定部の断面が40cm×40cmで消費電力の低いことを特徴とする磁力支持天秤装置について、その特徴と、動作性能について述べる。本装置は測定部の上下に大型の永久磁石を配置することを特徴とする。小型の永久磁石を内蔵する空力試験用の模型に作用する重力をこれらの二つの大型永久磁石と小型永久磁石の間に作用する磁力で支えることにより、空力的な負荷がないときの消費電力をほぼ零とした。
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