日本風工学会年次研究発表会・梗概集
平成21年度日本風工学会年次研究発表会
選択された号の論文の81件中1~50を表示しています
  • 小林 文明, 河合 克仁, 保野 聡裕, 加藤 亘, 三須 弥生
    セッションID: 105-106
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    積乱雲に伴う突風は竜巻やダウンバーストに代表されるように,しばしば顕著な被害をもたらす。突風予測の社会的なニーズも高まっているが,突風の構造,統計的な特徴に関する研究は少ない。冬季日本海沿岸では季節風卓越時に断続的な降雪が続くため,何時何処でどの程度の風速の風が吹くか,突風の実態を把握することは重要である。本研究では庄内平野を解析対象にし,最上川沿いに設置された風速計(地上高10 m)の前1分間最大瞬間風速値とXバンド・ドップラーレーダーデータを用いて,降雪雲に伴う突風(ガスト)の統計的特徴を調べた。
  • 佐々 浩司, 谷脇 和博, 林 泰一, 川端 康弘, 加藤 亘, 三須 弥生
    セッションID: 107-108
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    庄内平野に地表面に10数台配列した超音波風速計の観測データより、最大瞬間風速が20m/sを超える突風について条件付き抽出を行い、その統計的特性を調べた。その結果、冬季に突風イベントの大半が集中し、その主風向が北西から西風であること、日中に発生頻度が高いこと、平均的なイベントの最大風速差は16m/sで持続時間が7分程度であることなどがわかった。また、突風の水平スケールは数百メートル程度であった。
  • 荒木 啓司, 楠 研一, 保野 聡裕, 竹見 哲也, 今井 俊昭, 福原 隆彰, 別所 康太郎, 星野 俊介
    セッションID: 109-110
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    庄内平野に展開した地上気象観測網で得られた26地点の風速データを分析し、2地点間の風速相関と短時間の風速増加量を調べた。
    2地点間の風速相関では、最も内陸部にある観測点を含む2地点の相関係数が他の2地点間の相関係数より小さい傾向がみられた。また、風速増加量の出現度数を他の地域で観測された風速増加量と比較すると、庄内平野では山越え気流の卓越する地域と同程度の頻度で大きな風速増加量が生じていたことが分かった。
  • 原 豊, 竹下 慎哉
    セッションID: 111-112
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    小型風車の応答にとって重要な数秒から数十秒の時間スケールにおける自然風の風速変化挙動を明らかにするため、相関値とRMS値を併用して、自然風から特定の風速変化パターンを検出する方法が提案された。相関係数の閾値は0.98以上、RMSの閾値は0.35以下と決定された。本手法を用いて、ランプ状に風速が増加するパターンとランプ状に減少するパターンについて2007年の1年間のデータを対象として検出を行った結果、自然風の風速増加は比較的短い時間であるが減少は緩やかになる傾向があること、風速レベルが高い場合は1秒程度の短い時間で風速が増加する割合が高くなる傾向があることなどが示された。
  • 服部 康男, CHIN-HOH MOENG, 須藤 仁, 平口 博丸, 田中 伸和
    セッションID: 113-114
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    大規模擾乱影響下の中立大気接地層の乱流構造の同定に資するべく風洞実験を行った.測定部に滑面平板を設置し,その上部に境界層を発達させた.そして,境界層対数領域の乱流統計量が観測値と一致するようにアクティブ乱流格子の動作を調整した.PIV計測により得られた2次元風況場は組織構造の存在を示唆した.この組織構造は,これまでに提案された渦モデルの知見と整合した.
  • その1 ウィンドプロファイラ風速との比較
    後藤 暁, 大塚 清敏
    セッションID: 115-116
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    風環境評価における基準風適用性をみるため、気象庁MSM-GPV予報値について、ウィンドプロファイラーの風速データと比較を行い、その統計的特性を検証した。地上400mにおけるMSM-GPVの1時間毎の風速予報値は同時刻のウィンドプロファイラーの風観測データと比べて、バラツキはあるものの、比較的高い相関を示すことが分かった。また、風向の発生頻度についてもGPVの予測値は、各地点の風向の基本的な特徴をよく捉えている。年間統計的な取り扱いの範囲においては、MSM-GPVは上空風観測記録と概ね良好な対応を示した。
  • その2 地上風況および日変化特性
    大塚 清敏, 後藤 暁
    セッションID: 117-118
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    気象庁MSM-GPV予報値の地上風況および境界層内の風速の日変化特性について調べた。南関東地域を対象にGPV地上風の風速・風向の出現頻度を地上観測と比較した。GPVは観測にみられる風向頻度の特徴をかなりよく再現しており,それは地形や海陸分布の影響をよく反映したものであった。風速についてはやや過小の傾向が見られた。風環境評価における基準風と関連して,GPV風速の日変化の特徴についても調べた。境界層の安定度の日変化に対応した高度による風速日変化の違いが明瞭に見られた。風速日変化の高度依存性は,数値モデルの出力結果から参照風を求める際にかなり注意が必要であることを示唆している。
  • 伊藤 靖晃, 野澤 剛二郎, 若原 敏裕
    セッションID: 119-120
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    余部橋りょうの架替に伴い,施工上の安全確保の目的で風観測を実施している. 2007年11月から2009年2月までの観測記録のうち局所的な地形の影響を比較的受けにくい北北西の風の観測記録を対象に観測記録の解析を行った.コヒーレンスは従来良く用いられている指数関数型コヒーレンスで良い近似を与えたが,ディケイファクターは主流成分が15,鉛直成分が25と従来に比べ大きな値となった.この差異がガスト応答に与える影響については今後詳細な検討を行う.さらに気象モデル(MM5)とLESを組合せて風況の検討を試みたところ,風向については精度よく一致し,風速についても平均的には概ね一致する結果となった.
  • 義江 龍一郎, 持田 灯, 富永 禎秀, 白澤 多一, 田中 英之, 小林 剛
    セッションID: 121-122
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年ヒートアイランド現象や大気汚染等、弱風領域で深刻となる問題の検討にもCFDを活用していくことが期待されている。弱風領域では温度変化に伴う浮力の影響が相対的に大きくなるが、こうした都市や建物周辺の熱拡散・汚染物質拡散を対象とした非等温CFD解析の予測精度は未だ十分検証されていない。このような背景のもと日本建築学会に新たな「市街地の通風・拡散予測WG」が設置され、都市の通風、熱・汚染物質拡散を対象とした信頼性の高い実験データを提供するとともに、CFD解析の検証を行うことを目的として活動を行っている。その活動の第1段階として非等温乱流境界層中に置かれた単体建物後方のガス拡散に関する風洞実験とCFD解析を行った。
  • (その1)建物高さのバラツキがエネルギー収支の主流方向分布と粘性散逸に及ぼす影響
    持田 灯, 遠藤 芳信, 白澤 多一, 義江 龍一郎, 田中 英之, 石田 泰之
    セッションID: 123-124
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    都市空間の換気・通風を考える場合、「水平方向の風の道」のだけではなく、「鉛直方向の風の道」の効果も重要である。鉛直方向の風の道を考える上で重要となるのが「建物高さのバラツキ」である。建物高さにバラツキのある市街地では、抗力が増加し、より多くの運動量が消費されるため、着目する市街地の地表付近では風速が増加するが、風下側の領域では風速が低下するのではないかと予想される。本研究では、建物高さのバラツキの増加に伴う(1)市街地内部の風通しの改善効果と(2)風下側の領域の風環境への影響、並びにこれら一連のメカニズムの解明することを目的に、LES解析の結果を利用した市街地内の運動エネルギー収支分析を行った。
  • (その2)建物高さのバラツキが運動エネルギー収支の鉛直構造に及ぼす影響
    石田 泰之, 遠藤 芳信, 持田 灯, 白澤 多一, 義江 龍一郎, 田中 英之
    セッションID: 125-126
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    都市空間の換気・通風を考える場合、「水平方向の風の道」のだけではなく、「鉛直方向の風の道」の効果も重要である。鉛直方向の風の道を考える上で重要となるのが「建物高さのバラツキ」である。建物高さにバラツキのある市街地では、抗力が増加し、より多くの運動量が消費されるため、着目する市街地の地表付近では風速が増加するが、風下側の領域では風速が低下するのではないかと予想される。本研究では、建物高さのバラツキの増加に伴う(1)市街地内部の風通しの改善効果と(2)風下側の領域の風環境への影響、並びにこれら一連のメカニズムの解明することを目的に、LES解析の結果を利用した市街地内の運動エネルギー収支分析を行った。
  • 非定常な自然風の数値解析的予測の課題
    岸田 岳士, 田村 哲郎, 奥田 泰雄, 中村 修, 宮下 康一
    セッションID: 127-128
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    実在都市域における強風災害の発生要因を把握して防災に活用するにためには,風速の瞬間予測値を適切に予測することが重要となる.一方,予測対象とする自然風は大小様々なスケールの変動を含んだ非常に複雑な流れの性状を示し,特に,強風時の風速時系列変化には,ゆっくりとした変動(トレンド)が見られる .本研究では,非定常解析であるLESの計算結果にメソ気象モデルMM5の解析結果をその地域を代表する基準風として対応させることにより実在都市域の変動成分まで含めた強風の推定を行う.数値解析的に推定した強風予測結果が実現象とどのような関係にあるのか,その適用性と課題について検討を行う.
  • 野津 剛, 岸田 岳士, 田村 哲郎, 奥田 泰雄, 馬河 紘子, 田中 博春, 三上 岳彦
    セッションID: 129-130
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    臨海部における市街地のヒートアイランド対策は,海風の利用が有効であるとされている.そのため,海風の流入を阻害させないことが重要であるが,近年,沿岸部に建設された超高層建物群が流入する海風の壁となり,ヒートアイランドの要因の一部となっているとされている.しかし,このような高層建物群の後流域における局所温熱環境に関してはその影響範囲など不明な点が多い.そこで,本論文では温度成層を考慮した都市域におけるLES解析手法を用いて,高層建物群まわりの局所的な温熱環境について明らかにするとともに,実測値と比較することにより,本手法の精度を検証する.
  • 榎木 康太, 石原 孟, 山口 敦
    セッションID: 131-132
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,物体に作用する抗力に基き,流体力をモデル化した.提案したモデルによって任意の抵抗物による流体力を表現可能であることを示すと同時に,従来解析が不能であった高充填率流れ場にも適応可能な乱流モデルを提案した.そして,これらをあわせた一般化キャノピーモデルを構築した.構築したモデルの応用として,一般化キャノピーモデルとメソスケール気象モデルによって新木場アメダスにおける2002年の年間平均風速予測を行った.その結果,気象モデルのみの場合23.9%であった予測誤差が本手法の適用により4.6%まで低減し,本手法が空間的に不均一な都市域内の風況予測に有効であることを示した.
  • 伊藤 真二, 奥田 泰雄, 大橋 征幹, 喜々津 仁密, 作田 美知子, 野田 博, 安井 健治, 渡壁 守正
    セッションID: 133-134
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    実建物周りの風速場を調べることを目的に建築研究所の実大構造物実験棟周りの風観測を行った。地上5mに4点、基準点として地上37.5mに1点、超音波風速計を設置した。観測結果から、前面の逆流、前縁隅角部の剥離流など直方体建物周りの特徴的な流れのパターンを捉えることができた。
  • その1 問題分析と検討方針
    丸田 榮藏, 岡田 玲
    セッションID: 135-136
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    現在、対人障害に関する風環境評価は、建築物周辺地点における強風発生確率に基づいた強風発生頻度の予測が行われ、風速と発生障害を関係づけた評価基準によって許容の可否を与えている。風による建物被害や歩行障害の発生は旧来から平均風速よりもむしろ瞬間風速に強い相関にあることが示され、これまでビル風評価においても瞬間風速の発生頻度予測と評価が行われてきた。ビル風評価には瞬間風速の発生頻度予測が必要とされるが、実情は風洞実験による瞬間風速の計測にかかわる問題や発生頻度を決める最寄り観測所の確率データの地域代表風としての不確定性にからめて予測誤差等の指摘があり、実体の解明と適正な評価法の検討が望まれている。
  • その2 キャンパス内長期実測システム概要
    岡田 玲, 丸田 榮藏
    セッションID: 137-138
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本学生産工学部大久保キャンパス(以下本キャンパス)内に構築した、局地性を考慮した風環境評価法の構築を目的とした実測システム概要および評価法における実測システムの位置づけを示す。最後に2006年から風向および風速の実測を開始している高さ19メートルにセンサを設置した実測点における風の特性を、約三年弱で得られた統計データの範囲から示すとともに新規に構築した点も含めてシステムの今後の展望について示す。
  • 野村 卓史
    セッションID: 139-140
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    突風のように風速が急に立ち上がるときに正方形角柱の抗力がオーバーシュートする現象について,定常抗力に対する非定常抗力の最大値の比(オーバーシュート係数)をACサーボモータ送風機による風洞実験と有限要素法による2次元数値流体解析によって求め,これを無次元立ち上がり時間によって整理した.またモリソン公式を用いると非定常抗力の時刻歴がよく説明できること,オーバーシュート係数と無次元立ち上がり時間の関係を予測する式を導くことができることを示した.提案する予測式は実験および数値解析のオーバーシュート係数をよく予測しているといえる.
  • 西村 宏昭, 丸山 敬, 鈴木 修
    セッションID: 141-142
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    2008 年7月27日13時頃,福井県敦賀市敦賀湾に面した浜辺で突風が発生し,イベント用大型テントが吹き飛ばされ,死者1名,負傷者9名の被害が発生した。テントは幅10m×奥行き10m×高さ約3mの大きさのモジュールを4つ並べて緊結して幅40m×奥行き10mにしたもので,海に面した1壁面が開放され,他の3面は塞がれていた。テントの脚部は16個の質量300kgのコンクリート製重石に固定され,浮き上がりに抵抗するはずであった。被災箇所の近くの気象観測所での風速の記録は最大瞬間風速29.7m/sを示した。海からの突風によってテントが浮き上がり,約10m移動した。コンクリート製重石はテントとともに浮き上がった。風洞実験結果から当該テントの飛散風速は約10m/sであると推測された。
  • 吉田 昭仁, 田村 幸雄, 栗橋 寿, 佐々木 信一
    セッションID: 143-144
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年、遊園地やイベントなどでよく見かけるエア遊具の強風による事故が発生している。現在、日本においてはこのようなエア遊具の設置に関する基準等が定められておらず、エア遊具の使用を中止する判断などはイベントの運営者に委ねられている事が問題となっている。 本研究ではエア遊具の縮尺模型を用いて風洞実験を行い風力係数を求め、その風力係数を基に浮上り、横滑り、転倒が発生する風速の推定を行った。
  • 友清 衣利子, 前田 潤滋, 丸山 敬
    セッションID: 145-146
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    最大瞬間風速が住家被害拡大に強い影響を及ぼすことは知られており、構造物の耐風性能もまた被害拡大に影響を与えることが指摘されているが、その影響を定量的に検討した例は少ない。台風時の風速から実際の住家被害実態に合う被害率を推定するために,住家の耐風性能に関連した修正風速を求めて被害率を推定する手法を提案した。一例として2004年台風18号による九州の市町村別住家被害情報を整理し,最大瞬間風速だけでなく構造種別の地域分布特性に基づく住家耐風性能を考慮して被害率を推定した。風速と耐風性能を関連づけることで風速のみを用いる従来の手法に比べて住家被害の実態により対応した推定確度を得ることを示した。
  • 丸山 敬
    セッションID: 147-148
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    メソ気象モデルによる予測値を用いて,数時間から数日先までの風向・風速を求め,地図上で表示する仮想風速計を提案した.仮想風速計の出力は,市町村データベースと連携し,市町村毎の建物被害予測を行い,表示する機能を持たせた.
  • 丸山 敬, 河井 宏允, 西村 宏昭, 加茂 正人, 前田 豊
    セッションID: 149-150
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    外装材の耐衝撃試験のために加撃体を射出するエアーキャノンを試作し,ISO16932に準じた合わせガラスに対する飛散物の耐衝撃試験を行った。加撃体の衝突により無傷であれば試験に合格、加撃体が貫通すれば不合格とし、貫通せずにひびや小さな開口が開いたものは圧力試験を行った。
  • 片岡 浩人, 大塚 清敏
    セッションID: 151-152
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    実在市街地を対象としたダウンバーストの解析を試みた。対象となる領域は東京都内の10km四方の領域である。領域内の建物による空力学的効果は、都市キャノピーモデルでモデル化した。キャノピーモデルの有無の二種類の計算結果に比較から、強風分布に与える建物の影響を示した。
  • 勝地 弘, 山田 均, 羽賀 雄介, 青木 康徳
    セッションID: 153-154
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,小スケール渦成分が物体まわりの流れ状況に与える影響を調べ,風洞実験におけるより合理的な乱流相似法に関して検討を行うものである.本研究においては,既往の研究での背圧,後流特性に加えて,物体の静的空気力特性の面からも検討を行った結果を述べるものである.
  • 加藤 嘉昭, 白土 博通, 前田 耕治, 高杉 祐仁
    セッションID: 155-156
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年,日本では列車横転事故等,竜巻等による突風災害が多数報告されており,耐風設計を行う必要があることが認識されている.そのため本研究では,突風発生時において生じるとされている,抗力のovershoot現象について発生メカニズムを考察する.まず,模型表面圧力測定を行い,抗力のピークが生じている時間において,模型及び風路内の圧力等を比較した.また風速の立ち上がり時間と抗力のピーク値の関係についても検討した.次に,実験より得られた抗力と,抗力算定式で得られた抗力を比較し,抗力のovershoot現象が生じるメカニズムを考察した.
  • 白土 博通, ドバン バオ, 佐藤 祐一
    セッションID: 157-158
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は風の乱れに起因する空力振動現象であるガスト応答の解析手法に関連している.ガスト応答解析において重要なパラメータの一つが,構造体に作用する変動空気力のspan方向空間相関である.近年の研究によると,接近流の風速鉛直成分のコヒーレンスより変動空気力のコヒーレンスが大きくなるという報告がなされており,この精緻な評価が近年のガスト応答に関する研究の課題となっている.従来の研究によって変動圧力の空間相関を高める要因として,接近流の気流特性(空間相関特性),断面周りの流れ場(Bluff body flow),及び構造体後流に形成されるカルマン渦の3つであると言われている.本研究では,矩形断面を対象とした風洞実験を通して,異なる断面辺長比,断面幅及び接近流の気流特性における変動空気力の空間相関に基づいたガスト応答解析をたわみ1自由度ばね支持振動実験結果と比較することで解析手法の適合性について検討を行う.
  • 勝地 弘, 山田 均, 細川 元気
    セッションID: 159-160
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    斜張橋ケーブルの空力振動に関しては,近年,ドライギャロッピングが注目され,その発生メカニズムと制振対策について精力的に研究がなされている.本研究では,レインバイブレーション対策として開発されたインデントケーブルを対象に,振動応答,表面圧力,軸方向流強度を計測し,ドライギャロッピングの発現特性を臨界レイノルズ数,軸方向流強度の観点から検討を行った.
  • 長谷部 寛, 名取 信彦, 原嶋 崇太, 野村 卓史
    セッションID: 161-162
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,流れ方向にタンデム配置した2本の正方形角柱周辺の流れを,スプリットフィルムプローブで面的に測定し,その時間平均場および位相平均場について検討した.  時間平均流れ場に着目すると,時間平均流線は上流側角柱上面近傍よりも下流側角柱上面近傍の方が間隔は粗であり,時間平均風速の主流方向成分は,下流側角柱上面近傍の方が全体的に風速は低い.境界層厚さは,下流側角柱上方が上流側角柱上方に比べ,2倍以上厚いことがわかった.  位相平均流れ場に着目すると,下流側角柱の背後に直径が角柱辺長の1.5倍から2倍程度の渦が形成されることがわかった.
  • 川崎 貴之, 佐藤 晃, 平野 廣和
    セッションID: 163-164
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本報では, 3次元円柱の渦励振の特性を数値解析の面から検討をすることを目的とする.具体的には,河井らが行った一様流中での3次元円柱の風洞実験でのlock-in域に関して,3次元数値流体解析とを対応させることである.これにより,渦励振時における応答特性の急変現象を明らかにし,空気力特性や振動応答を検討する.風洞実験との比較・検証を行った結果,風洞実験において指摘されている円柱の励振発生機構の三つの領域に関し,解析結果からもこの指摘を確認することができた.特に励振域での空力負減衰力に伴うギャロッピングタイプの空力不安定振動を捕らえることができた.
  • 八木 知己, 白土 博通, 中瀬 友之, 成田 周平
    セッションID: 165-166
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    一般に,カルマン渦と自励空気力の関係は未解明な点が多い.本研究では,比較的カルマン渦が強く放出される断面辺長比B/D=1矩形断面及び,自己励起型渦励振が発現し,カルマン渦強度の弱いB/D=2矩形断面を対象に,振幅依存性を考慮した非定常空気力測定実験を行い,カルマン渦と自励空気力の関係を考察した.その結果,B/D=1矩形断面では,カルマン渦励振とギャロッピングが連続的に発生するため,ギャロッピング発現無次元風速は1/Stとなるが,本来のカルマン渦励振は,極めて低振幅域でのみ発生していると考えられる.また,B/D=2矩形断面では,カルマン渦励振が発生しないために,無次元風速は1/Stより高風速域からギャロッピングが発現する結果となった.但し,ギャロッピングの発現には,渦が関与していることが明らかとなっており,より詳細に検討する必要がある.
  • ファム バン フック, 菊池 浩利
    セッションID: 167-168
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年,建築物の高層化に従い,建物間の相互作用を考慮した動的応答の評価は耐風設計上で重要となると予想される.単独の構造物では断面形状により周辺流れや物体に作用する空力特性が大きく変化し,動的応答の評価に関する研究は数多く行われており,その特性も解明されつつある.一方,並列の構造物の相互作用について調べた例は少なく,並列に配置される場合には隙間の間隔により流れのパターンと構造物の空力特性も大きく変化すると指摘されているが,並列構造物間の相互作用による動的応答の特性はまだ不明である.そこで,本研究では数値流体解析を用い,隙間の間隔L=4Dの並列2正方形角柱の相互作用の評価を試み,静止ではこれらの角柱周辺の圧力分布の差が殆どなく,対称な空力特性が得られ,角柱間の相互作用が少ないことを確認できた.一方,自励振動では相互作用が顕著になり,角柱の応答が増加される傾向があることは分かった.
  • その1 シミュレーション概要及び結果
    田中 秀和, 西 将志, 神田 亮
    セッションID: 169-170
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
     本論文は,ニューハイブリッド空力振動法を用いて,密度比と発振風速の関係に着目した2次元正方形角柱の空力振動現象をシミュレーションし,現象の整理をした論文である。空力不安定振動の応答挙動は密度比と減衰定数の積により表されるスクルートン数に依存するとされていた。しかし,同一のスクルートン数でも密度比が小さいほど発振風速は低下することが報告されている。シミュレーションを行った結果,密度比が小さいほど発振風速は低下し,応答卓越振動数が固有振動数より低下することを示した。
  • その2 現象の分析
    西 将志, 田中 秀和, 神田 亮
    セッションID: 171-172
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,密度比と発振風速の関係を明らかにすることを目的とし,その1で示したシミュレーション結果の応答と外力に対し付加質量効果の概念に基づいた分析を行った論文である。付加質量効果とは外的要因が構造物に対してあたかも質量を増加させるように作用することである。分析を行った結果,密度比が小さいほど発振風速が低下し,空力不安定振動時に応答卓越振動数が固有振動数より低下する現象を付加質量により説明し,密度比と発振風速の関係を明らかにすることができた。
  • 秦 祐也, 永井 修平, 辻 美奈子, 大屋 裕二, 内田 孝紀, 烏谷 隆
    セッションID: 173-174
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    外側にポーラス状の周囲を有する2次元円柱周りの数値解析を行った。その結果。そのポーラス部の範囲、ポーラス度合いによって、円柱後流にさまざまな渦後流パターンを見出した。その渦流れは大きく分けて三つのレジームに分類される。
  • 金 容徹, 神田 順
    セッションID: 175-176
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    建築物の高層化と軽量化にともない、構造設計上風荷重が支配的になっている。特に風方向振動より風直角方向振動が大きく風直角方向振動の抑制方法は大きく構造力学的方法と流体力学的方法に大別される。そこで、流体力学的方法の一種である高さ方向で断面変化のある角柱(以下、変断面角柱)に対して空気力低減メカニズムを解明する研究の一部として風洞実験を行った。用いた模型は正方形角柱と2種類のテーパー付角柱及びセットバック角柱であり、2種類の境界層下における風力係数及び変動風力パワースペクトル特性を明らかにした。
  • (その1)平均流れ
    奥田 泰雄, 河井 宏允, 大橋 征幹
    セッションID: 177-178
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    近年,CFDやPIVの発達・普及によって,様々な物体周りの流れ場の様子が調べられている。しかし,建築物に代表されるような3次元物体の周りの流れは複雑で,その詳細については必ずしも明らかになっているとは言えない。特に,頂部を超える流れと側面から剥離した流れの非定常な干渉については,これまで様々な試みがなされてきたにもかかわらず,その状況は依然として解明されているとは言えない。 本論文では,上層は乱れの小さい境界層流中に置かれたアスペクト比2.7の正四角柱模型の後流を,PIVによる測定結果に基づいて,後流中の平均流れと非定常流れ(特に側面からの流れと頂部を超える流れの干渉に伴うカルマン渦の3次元構造)について検討した。その1では平均流れについて報告する。
  • (その2)カルマン渦
    河井 宏允, 奥田 泰雄, 大橋 征幹
    セッションID: 179-180
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
     近年,CFDやPIVの発達・普及によって,様々な物体周りの流れ場の様子が調べられている。しかし,建築物に代表されるような3次元物体の周りの流れは複雑で,その詳細については必ずしも明らかになっているとは言えない。特に,頂部を超える流れと側面から剥離した流れの非定常な干渉については,これまで様々な試みがなされてきたにもかかわらず,その状況は依然として解明されているとは言えない。  本論文では,上層は乱れの小さい境界層流中に置かれたアスペクト比2.7の正四角柱模型の後流を,PIVによる測定結果に基づいて,後流中の平均流れと非定常流れ(特に側面からの流れと頂部を超える流れの干渉に伴うカルマン渦の3次元構造)について検討した。  その2では,角柱後流中の非定常流れ,特に側面からの流れと頂部を超える流れの干渉に伴うカルマン渦の3次元構造について検討した。
  • その1 実験方法及び一般化風力係数の特性
    鶴見 俊雄, 片桐 純治, 大熊 武司, 丸川 比佐夫
    セッションID: 181-182
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,傾斜円柱に作用する風力における傾斜角及び迎角の影響について検討を行った.本論文では実験方法の概要及び一般化風力係数の性状について示した. 傾斜円柱に作用する風軸方向一般化平均風力係数と風軸直交方向一般化変動風力係数は,傾斜角及び迎角から求まる等価迎角で特徴づけられる
  • その2 風軸直交方向風力のスペクトル特性及びスパン方向位相特性
    鶴見 俊雄, 片桐 純治, 大熊 武司, 丸川 比佐夫
    セッションID: 183-184
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,傾斜円柱に作用する風力における傾斜角及び迎角の影響について検討を行った.本論文では風軸直交方向風力のスペクトル特性及びスパン方向の位相特性について示した.本研究では以下の結果がられた. 傾斜円柱に作用する風軸直交方向風力のストローハル数及びパワースペクトル密度のバンド幅は,傾斜角及び迎角から求まる等価迎角で特徴づけられる.風軸直交方向の変動風力は,風上側から風下側に一定速度で伝搬しており,伝搬速度は等価迎角の一次関数として表わされる.
  • 芝尾 尚晃, 久保 喜延, 木村 吉郎, 加藤 九州男
    セッションID: 185-186
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    現在,橋梁全体の対風振動応答を把握するためには全橋弾性模型を用いた風洞実験を行うのが一般的である.しかし,実橋梁規模から大幅に縮小しなければならず,このことによる実験精度の低下が懸念される.一方,橋桁の一部分を模型化する部分剛体模型実験は,模型の縮小を抑え,振動系を単純化することで高い実験精度を有している.しかし,得られた結果から橋梁全体系の空力弾性振動を把握するのは困難である.そこで本研究では,部分剛体模型による自由振動実験から全体系の対風応答を推定する基礎として,部分剛体模型による自由振動実験を再現することで,今までに行われていない時刻歴応答解析による応答推定法を確立することである.なお、本手法については、特許申請をしている。
  • 木村 吉郎, 川崎 恭平, 小川 祐介, 久保 喜延, 加藤 九州男, 大橋 義弘
    セッションID: 187-188
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    高風速時に斜張橋ケーブルに生じる大振幅の振動を想定して,偏角を持つ円柱の風洞実験を行った.偏角は,0,40,45,50,60度のケースについて実験し,円柱のアスペクト比は10.4~20.7である.偏角が40~50度のケースで,負減衰の絶対値が大きく,振幅が2Dを超えるような大振幅の空力振動が発現した.振動現象を安定的に発現させるには,特に上流側となる模型端部周辺の気流を乱さないことがポイントとなると考えられた.臨界レイノルズ数領域では,非対称な剥離によると思われる,不規則な振動が発現した.
  • 土居 竜二, 久保 喜延, 木村 吉郎, 加藤 九州男, 小野 元嗣
    セッションID: 189-190
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    現在の橋梁の設計段階において,耐風性の検討は構造断面が決定した後に行う場合がある.その場合の耐風制振対策として,空力的付加部材の設置が挙げられる.そこで,本研究では付加部材の一種である水平プレートに着目した.水平プレートは構造が極めて簡単で,かつ,制振効果も高いという大きな長所を有しているが,既往の水平プレートに関する研究では基本的な断面を対象とした研究はほとんど行われていない.そこで本研究では,水平プレートの諸元や設置位置を変化させることにより,水平プレートの制振効果を確認することを主な目的としている。
  • その1 加振試験による振動特性の概要
    山戸 秀晃, 本田 誠, 藤村 真弓, 海老原 修二, 森本 康幸, 前田 潤滋
    セッションID: 191-192
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    送電線吊架装置は,強風下での電線路直角方向への高圧送電線の大きな揺動によるジャンパ線と腕金部との短絡事故対策として導入された.しかし,吊架装置はその重量のため,強風下においていったん振動を始めると腕金部や塔体個材への負荷を誘発すると考えられる.著者らは,塔体や電線の振動との相互作用などによる構成部材への振動伝播に着目した振動試験を実施した.本報告では,同一の振動試験で得られた腹材の応答加速度記録を分析して腹材に及ぼす吊架ジャンパ装置の揺動の影響を検討し,強風下における吊架ジャンパ装置の揺動予測のための基礎情報の整理を行った.
  • その2 弱風下における振動特性
    本田 誠, 山戸 秀晃, 海老原 修二, 森本 康幸, 前田 潤滋
    セッションID: 193-194
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    著者グループの報告(その1)のような無風時での吊架装置を含む鉄塔-送電線連成系に対する振動特性は,強風下での応答予測を目的にした情報整理であるが,実際の強風応答データを検討した報告は現時点では極めて少ない。本研究は強風下での吊架装置を含む鉄塔-送電線連成系の振動特性の解明を目指しているが,本報告では現時点で得られている弱風下でのデータ分析を行って,基礎資料とした。その結果,弱風下では電線振動が鉄塔と吊架装置の振動に大きく影響を与えるが,電線振動が鉄塔と吊架装置に与える影響は同一ではないことがわかった。
  • その3 無線伝送技術を利用した新計測システム
    前田 潤滋, 網代 義文, 早田 友彦, 藤村 真弓, 石田 伸幸
    セッションID: 195-196
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    著者グループは,最小限のケーブル配置で,強風下での送電鉄塔の振動計測を可能にする新計測システムの実用化を目的に,無線LANによるデータ伝送を利用した計測システムに要求される性能把握や取得データの信頼性・安定性の課題を検討し,システムの改善を進めてきた. 本報告は,鉄塔振動試験の計測データを用いて,本無線伝送計測システムの基本性能を明らかにし,本システムが有線ケーブルによる計測と同一の高品質データを取得でき,実用段階に入ったことを報告する.
  • 小泉 達也
    セッションID: 197-198
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    施工作業を対象とした風揺れに対する加速度の上限値を、2つの振動体感実験に基づくアンケート調査やヒアリングから調べることを試みた。その結果、2つの実験結果から、固有周期6秒の建築物の風揺れに対するクライテリアを10cm/sec2と定めた。
  • その1 風応答評価に及ぼすアンサンブル平均のばらつきの検討および高次モードの評価
    佐藤 大樹, 鈴木 悠也, 吉江 慶祐, 岡本 有里子, 北村 春幸
    セッションID: 199-200
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、弾塑性範囲における多質点系の風応答評価を目的とする。 本報その1では、その基礎研究として、弾性範囲における風力時刻歴波形のアンサンブル数の評価および、モーダルアナリシスを用いた高次モードの影響の評価を行う。本報その2では、弾塑性構造物の動特性の同定手法の検討および、変動風力による構造物へのエネルギー入力を評価する。本報その1では、解析結果より、アンサンブル平均に用いる風力波形数は、30波以上が適切であると確認できた。また、変動風力によるエネルギー入力の高次モードの影響は、1次のみでなく2次または3次まで考慮する必要があることが検証できた。
  • その2 弾塑性範囲におけるFDD法による振動モード同定
    鈴木 悠也, 佐藤 大樹, 吉江 慶祐, 岡本 有里子, 北村 春幸
    セッションID: 201-202
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本報その2の目的は、構造物の動特性の同定手法の検討および、変動風力による構造物へのエネルギー入力を始めとした各応答を評価することである。動特性の同定手法としては、FDD法の有効性を報告する。構造物の応答は、FDD法による同定結果を用いて、各次数における時刻歴応答解析より応答を求め、その精度を評価する。解析結果より、FDD法による動特性同定の有効性を確認した。その結果を用いた応答評価は精度が良いことを示した。弾塑性範囲における多質点系の風応答評価の土台を築いた。
  • 田上 高行, 佐藤 大樹, 所 健, 北村 春幸, 笠井 和彦
    セッションID: 203-204
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、長時間ランダム振動時の粘弾性ダンパーの特性について検討を行った。実験により、長時間振動時のダンパー温度や剛性などを評価した。実験結果より、ランダム振動時においても、粘弾性ダンパーの温度は、熱伝導・熱伝達の効果により、温度が定常となることが分かった。また、熱伝達係数による温度変化への影響が大きいことが分かった。さらに、本実験では、ランダム振動を置換した正弦波による長時間振動時のダンパー特性の簡易評価手法を用いた。本手法の精度はランダム振動での結果と比較することにより検討した。
feedback
Top