日本鳥類標識協会誌
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27 巻 , 1 号
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一般論文
  • 平井 正志
    27 巻 (2015) 1 号 p. 1-13
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
     スズメ目鳥類の越冬地への回帰について5越冬期にわたり標識調査により調べた.調査地は三重県中部の河岸林に囲まれ,灌木の混じる草地,葦原および裸地の河川敷であった.調査した種はアオジ,メジロ,ホオジロ,カシラダカ,ウグイス,エナガであった.全期間を通したリターンとしての再捕獲率(回帰再捕獲率)はウグイスとアオジでそれぞれ0.37および0.26と高く,一方エナガ,メジロ,ホオジロ,およびカシラダカは0.14以下であった.ウグイス回帰再捕獲率とエナガ,カシラダカ,メジロ,ホオジロ,のそれとの間には有意な差が見られた.アオジの回帰再捕獲率はカシラダカ,メジロのそれより有意に高かった.さらに調査地内のどこで再捕獲されたかを詳しく知るため,調査地を3つのサブサイトに区分し,捕獲されたサブサイトを個体ごとに記録した.アオジとウグイスは同一サブサイトへ正確に回帰する傾向が強く,カシラダカでは低かった.アオジやウグイスは茂みの中で越冬期を過ごす.一方カシラダカ,ホオジロは開けた草地で,また,エナガ,メジロは樹冠内で過ごす.越冬期の行動,生息環境の差が,越冬地への回帰する率に反映されると推定される.
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  • 川路 則友, 中田 達哉
    27 巻 (2015) 1 号 p. 14-22
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル オープンアクセス
     札幌市の南東部に位置する森林総合研究所北海道支所実験林(42°59N, 141°23E)の落葉広葉樹林内(標高 180~210 m)において,2013~2014年の2年間,標準化された標識調査による鳥類の繁殖モニタリング(以下,繁殖鳥モニタリング調査)を行った.調査期間中,捕獲したクロジのうちオスには顕著な総排泄腔の突出,またオス1羽,メス3羽に顕著な抱卵斑が見られた.また全身に幼羽の残る幼鳥を8羽捕獲した.調査地でクロジの巣は見つかっていないものの,クロジのさえずりも記録されていることも考え合わせると,繁殖の可能性がきわめて高いことが示唆された.繁殖鳥モニタリング調査は調査地における長期間の繁殖鳥類個体群の動向を把握するのみならず,これまで繁殖の確実な証拠が得られていない鳥類についても繁殖の有無を検証するために有効な補完的手段となる.
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観察報告
  • 山根 みどり
    27 巻 (2015) 1 号 p. 23-34
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
     兵庫県宝塚市内のゴルフ場敷地内で,2012年9月24日,エゾセンニュウLocustella fasciolata amnicolaが1羽標識放鳥された.兵庫県内の観察記録は数件あるが,標識記録は本個体が初めてである.捕獲場所は林縁部の草藪で,狭い範囲で3羽の地鳴きが同時に聞かれたため,秋は小群で渡ることが推測できた.形態を他の類似種と比較した結果,種名をエゾセンニュウ,亜種名amnicolaと同定し,性不明,第1回冬羽と判断した.
     また,未知の部分が多い本種の渡り生態について,山階鳥類研究所より提供された過去30年間のエゾセンニュウの放鳥データと,過去の文献を分析して推測を試みた.本種は,北海道で繁殖し繁殖期に多数標識放鳥されているものの,春と秋の渡りのデータは少ない.別の文献による,灯台に衝突死した個体数の記録と照らし合わせながら場所と個体数を地図に落として,本種の春と秋の渡りについて,それぞれの開始と終了の時期,そのルート,渡り中継地における滞在日数の推測を行った.
     標識調査の結果と過去の知見を組み合わせて,さまざまな角度から分析することにより,鳥の渡り生態の解明に貢献できる可能性があると考えられた.
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