行動経済学
Online ISSN : 2185-3568
ISSN-L : 2185-3568
15 巻, Special_issue 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
第16回大会プロシーディングス
  • 川越 敏司
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S1-S4
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,リスク選好・時間選好・社会的選好が互いに独立であるという属性間の独立性を検証する実験を行い,リスク選好と時間選好,リスク選好と社会的選好が関連した設問において属性間の独立性が成り立たないことを見出した.その上で,こうした選択の傾向性を説明するために,リスク選好・時間選好・社会的選好・認知能力が相互依存したモデルに対する構造推計を実施した.

  • 野尻 哲史
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S5-S8
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,60代6486人のオンライン調査結果をもとに,退職後生活の満足度に対する資産水準の影響を重回帰分析などで分析した.生活全般の満足度を目的変数に,健康状態,仕事・やりがい,人間関係,資産水準の各満足度や世帯保有資産,世帯年収,家族構成など14項目を説明変数とした.分析の結果,世帯年収と世帯保有資産はともに有意に生活全般の満足度に影響を与えており,退職世代の60代において世帯年収より世帯保有資産の影響の有意性が高いとする証左はみつからなかった.ただセグメント毎に分析・比較すると退職者,年金未受給者,保有資産2000万円以下層において,世帯保有資産の影響が有意に表われた.

  • Jie Qin
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S9-S13
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    This study examines the effects of counterfactual thinking on asset pricing and market efficiency in a noisy rational expectation model. Emotional traders with counterfactual thinking trade an equity with informed and uninformed rational traders. An equilibrium exists wherein shocks to emotional traders’ counterfactuals are aggregated and are incorporated into equity price. Counterfactual thinking reduces the informational efficiency of the equity market. The stronger traders’ counterfactual thinking, or the noisier the shocks to counterfactuals are, the lower the price informativeness. Counterfactual thinking also reduces price responsiveness and market liquidity.

  • 宋 永圭
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S14-S17
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,2013年以降の月次データを使って,日銀の量的緩和によるマネタリーベースの引き上げが,日経平均VIに与えた影響に関する時系列分析を行う.VARモデルによる直交化インパルス応答関数分析は,マネタリーベースの引き上げに対して,日経平均VIは有意に低下することを示す.また,VARモデルの推定にもとづく動的予測は,マネタリーベースと日経平均VIは,将来,安定的に収束することを示す.本稿の結果は,米国においてリーマンショック後に行われた量的緩和が,投資家心理を改善したことを示す先行研究の結果に整合的である.よって,本稿は,量的緩和が,日本において投資家心理の安定に寄与したことを示す統計学的根拠になる.

  • 小林 春佳, 新保 佳奈, 三村 理沙
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S18-S21
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,(株)インテージのネットリサーチモニターの新規登録者を対象として,半年以内の退会や1ヶ月に一度も回答しない(以下,離脱)要因を探るため,行動経済学特性を含む個人特性に着目した独自調査を実施した.また,離脱者の特性に応じた施策を検討実行し,効果検証を行った.分析の結果,10代,20代の離脱が全体の離脱モニター数に影響を与えていたため,10代,20代の離脱モニターを対象としロジスティック回帰分析を行ったところ,後回し傾向,思いやり,自信過剰傾向が有意に離脱に影響を与えていることが明らかになった.今回は,後回し傾向の低減に有効なプレコミットメントと情報提供ナッジを用いた施策を実行した結果,3ヶ月後の離脱モニター数は,コントロール群に比べ,有意に低減した.

  • 加藤 大貴, 佐々木 周作, 大竹 文雄
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S22-S25
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究は,日本の風しん追加定期接種において2019年度から実施されたクーポン券送付施策の効果を,地方自治体の行政データと全国規模のオンライン調査データを用いて検証する.追加定期接種は,日本が風しんに対する集団免疫を獲得するために,抗体保有率の低い40~57歳の男性を対象に実施されるものである.クーポン券は自治体を通じて段階的に送付され,初年度の2019年度には,40~46歳の男性に限定して送付された.47~57歳の男性がこの年度中にクーポン券を受け取るには,居住地域の自治体に自分から申請する必要があった.分析では,年齢によって2019年度にクーポン券が自動的に送付されるかどうかが決まることを利用した回帰不連続デザインで,クーポン券の送付の効果を推定した.その結果,クーポン券の送付は,申請の取引費用の抑制と追加定期接種の認知度の向上を通じて,抗体検査の受検率とワクチン接種率を高めることが明らかになった.

  • 孫 明超, 田村 輝之, 川西 諭
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S26-S29
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,NPOで活動するボランティアメンバーを対象にしたアンケート調査に基づいて,コミュニティ感覚に基づく組織内ソーシャル・キャピタル尺度の3因子の相対的重要性に男性と女性で違いがあるかを統計学的に検証する.分析の結果,男性にとって第一因子「理念共感と貢献意欲」が相対的に重要であり,愛着と幸福感に強いプラスの影響を持つのに対し,女性にとっては「居心地の良さ」の相対的重要性が高く,人間関係が良好で居心地がよいと感じている女性ほど団体への愛着とコミットメントが高くなる傾向が男性よりも強いことが明らかになった.第一因子ほど顕著ではないものの第二因子「自己有用感」の相対的重要性は男性の方が女性と比べて高いことも明らかになった.

  • 寧 東来
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S30-S32
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,経営者の自信過剰という経営者の認知バイアスが配当と投資の意思決定にどのような影響を与えているのかを分析している.2001年から2019年の間に日本の東証上場企業を分析対象とし,経営者の自信過剰を計測するために,売上高に対する経営者予想をベースに独自の尺度を作成した.分析結果として,自信過剰な経営者は配当水準を低くする傾向があることが分かった.また,投資機会が多いほど,配当の抑制効果が大きいことも分かった.これより,自信過剰な経営者が投資の拡大を意図して,配当を抑制するメカニズムが示唆される.さらに,自信過剰な経営者は全体的には過大投資する傾向があるものの,興味深いことに,設備投資よりは,むしろ研究開発やM&Aなどリスクの高いプロジェクトに投資する意欲が高いことが分かった.

  • 川西 諭, 阮 金澤
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S33-S35
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,鉄道会社のICカード降車タッチデータから,自動改札ゲートのない駅や無人時間帯のある駅における不正乗車の実態を調査した.現在のシステムでは自動改札ゲートがあり駅員がいる駅で降車する場合は不正乗車が極めて難しいが,駅員がいない駅では不正がしやすく不正乗車が問題となっている.不正乗車をする利用者は,駅員のいない駅で,タッチをしないで降車をしていると考えられるため,自動改札ゲートのある駅と無人の駅との間の往復の降車タッチ数を比較すると,無人駅での降車タッチ数が少なくなると予想され,その比率を不正乗車の代理変数として,不正乗車の割合の決定要因を統計学的に分析した.分析の結果,自動改札ゲートのない駅,無人時間帯の長い駅ほど,また往復運賃が高い区間ほど不正乗車が多くなる傾向が明らかになった.

  • 山本 祐一, 渡邉 文隆
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S36-S39
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/20
    ジャーナル フリー

    本研究では,寄付型クラウドファンディング(以下CF)において,寄付メニューの金額や目標額等の「値決め」が成果(寄付総額・高額寄付件数)に及ぼす影響を検討した.既存研究で指摘されていたコンテンツに関する要因を統制し,値決めに関する要素の影響を分析した.具体的には,429の寄付型CFプロジェクトのhtmlファイルからスクレイピングで変数を取り出し,重回帰分析と一般化線形回帰分析を行った.その結果,寄付総額の変動のうち約70%が説明され,目標額や最小メニュー額の高いプロジェクトでは,寄付総額が大きい傾向にあった.最小メニュー額の最適な水準は実際より高く約5,457円であった.目標額の高さは,高額寄付件数の多さにも関連していたが,その効果は観察できていない媒介変数によるものと思われる.NPOによるCFは,他の条件が同じならば,寄付総額や高額寄付件数が少ない傾向にあり,政策的・実務的対応を検討すべきである.

  • 藤澤 美恵子, 庫川 幸秀
    2022 年15 巻Special_issue 号 p. S40-S43
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/03/25
    ジャーナル フリー

    不動産広告に関する実験を実施し,ロジスティク回帰分析をおこなった.情報開示された処理群は,対照群より省エネ住宅を選択している.エネルギーラベルには文字情報による補完が必要であることが示唆された.

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