日本気管食道科学会会報
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52 巻, 3 号
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原著
  • 河野 尚, 中村 光士郎, 菊池 孝
    2001 年52 巻3 号 p. 229-234
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/08/25
    ジャーナル 認証あり
    愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科において1991年から2000年の10年間に,気管切開術を施行した乳幼児13例(男児6例,女児7例)について検討した。患児の基礎疾患は,7例が上気道狭窄で,他の6例の内訳は中枢神経障害が3例,多発先天奇形が1例,Fallot四徴症術後が1例,低フォスファターゼ血症が1例であった。気管切開孔の広くきれいな開存が得られることを企図して,全症例に,逆Y字状の皮膚切開,甲状腺峡部の結紮切離,気管壁の横H字状切開(観音開き状のフラップ形成)による気管切開術を施行した。術後の合併症として2例に気管切開孔周囲の肉芽形成が認められた。本法による気管切開は,患児の気道管理に効果的で,13例のうち2例は在宅にて生存中である。
  • 田中 良太, 雨宮 隆太, 朝戸 裕二, 清嶋 護之, 輿石 義彦, 呉屋 朝幸
    2001 年52 巻3 号 p. 235-239
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/08/25
    ジャーナル 認証あり
    われわれは気管分岐部を中心に縦走襞の走行と形状を検討した。1998年1月から2000年9月まで画像強調装置を用いて詳細な縦走襞の観察が可能であった86例を対象とした。平均年齢67歳,男性72例,女性14例であった。縦走襞の気管から両側主気管支の走行形態と襞の数について検討した。気管分岐部における縦走襞の分岐型は以下のように分類した。気管膜様部の縦走襞が左右主気管支に連続走行するタイプと,気管膜様部の縦走襞はすべてが右主気管支に連続走行し,左主気管支膜様部の縦走襞は新しく出現するタイプに分類される。前者は左主気管支に連続する襞が多いタイプ(type A)とその数が少ないタイプ(type B)に亜型分類できた。後者は左主気管支の縦走襞が気管から新生されるタイプ(type C)と気管分岐部より末梢側で左主気管支の範囲になって縦走襞が出現するタイプ(type D)に亜型分類された。気管の襞の平均本数は6.1±1.7。左主気管支と右主気管支の襞の平均本数はそれぞれ2.4±1,4.9±1であった。頻度はtype A が35%,type B が15%,type C が42%,type D が8%であった。左主気管支の襞は,右と比較しほとんどの症例で細かった。今回のわれわれの結果では,気管の縦走襞は右主気管支優位に分岐していた。
  • 石田 良治, 山田 弘之, 藤田 健一郎
    2001 年52 巻3 号 p. 240-244
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/08/25
    ジャーナル 認証あり
    甲状腺髄様癌4例を経験した。4例全例でカルシトニンの異常高値を認めたが,CEAの異常高値を認めたのは1例のみであった。穿刺吸引細胞診(FNA)ではclass IIIと診断された症例が3例あるものの,悪性を確信させるclass IV以上のものはなかった。
    RET遺伝子検索を4例中3例に行ったが,いずれの症例においても遺伝子変異は認められなかった。甲状腺髄様癌はFNAでは診断困難なことも多く,カルシトニンは髄様癌のスクリーニングに有用であると考えられた。
    治療は,腫瘍が片葉に限られた2例に対しては甲状腺片葉切除を行い,残り2例は両葉に腫瘍が認められたため甲状腺全摘を行った。N陽性例のうち,術前に明らかなVII群リンパ節腫大を認めた1例に対しては,患側の保存的頸部郭清(D2b)を行ったが,V,VI群に限局するリンパ節転移を認めたlateral neck dessection (D2a)にとどめた。
    4例全例再発は認めておらず,甲状腺髄様癌の良好な予後を考えると腫瘍が片葉に限局し,遺伝子検索にて散発性と確認された症例に関しては甲状腺片葉切除で十分であると考える。
症例報告
短報
  • 北原 哲, 田村 悦代, 古川 太一, 北川 洋子, 村川 哲也
    2001 年52 巻3 号 p. 264-269
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/08/25
    ジャーナル 認証あり
    発声時声門閉鎖不全による音声障害の非観血的手術に声帯内注入術がある。近年注入物質として自家脂肪を用いる報告がみられるようになったが,その方法や効果に対する詳細な報告がない。そこで,われわれは,脂肪の声帯内注入術を追試し,その結果について報告する。症例は,一側喉頭麻痺症例8例と声帯溝症2例で,全例,経口挿管による全身麻酔下に,腹部皮下より直接あるいは市販の脂肪採取器を用いて脂肪を採取した。注入は14Gアンギオカットを用いて経皮的に施行した。注入後の音声は,注入1ヵ月後に評価し,全例に最長発声持続時間の延長がみられた。
  • 佐藤 公則, 中島 格
    2001 年52 巻3 号 p. 270-274
    発行日: 2001/06/10
    公開日: 2008/08/25
    ジャーナル 認証あり
    われわれが旭光学工業株式会社のもとに試作し,臨床で使用してきた細径処置用下咽頭・頸部食道ビデオスコープ(電子内視鏡)を用いて異物摘出術を行った。従来のファイバースコープあるいは硬性上部食道直達鏡による異物摘出術に比べ,1)鮮明な画像が得られ,内視鏡を明視下に安全に挿入できた。2)細径で患者の苦痛が少なく,耳鼻咽喉科の診療ユニットで表面麻酔下に座位で短時間に人手をかけずに異物摘出術が可能であった。3)外来日帰り手術としての下咽頭・頸部食道異物摘出術の適応が拡大される可能性があった。4)異物把持鉗子の性能のため,形状によっては摘出できない異物もあり今後の課題といえた。5)このビデオスコープは異物摘出術に対しても有用な下咽頭・頸部食道用内視鏡であると考えられた。
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