粘液産生モデルの移植気管と正常気管の電気生理学的特性の違いを検討した。電位差測定時,粘膜側の環流溶液をかえることにより,粘膜面に存在するNa
+チャンネル,およびCl
-チャンネルの機能を調べた。環流溶液は以下の(1)~(5)を用いて検討した。(1)HEPES溶液,(2)HEPES溶液+アミロライド100μM,(3)HEPES溶液+アミロライド100μM+Cl
-フリー(Cl
-の代わりに145mM gluconateを用いた),(4)HEPES溶液+アミロライド100μM+Cl
-フリー+CPT-cAMP 200μM+フォルスコリン10μM,(5)HEPES溶液。
結果:(1)の平常状態の環流液を用いた時には,移植気管のほうが正常気管に比べ,電位差は高い傾向を認めたが有意差は認めなかった。また,溶液を(2)~(5)へ変化させた時の電位変化は,移植気管においても保たれていた。以上より,移植気管においてもNa
+およびCl
-チャンネルの電位変化の検討が行えると考えられた。
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