日本気管食道科学会会報
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54 巻, 2 号
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寄稿
特集1 シンポジウム:気管食道領域の再建
  • 吉村 博邦, 鎌田 信悦
    2003 年 54 巻 2 号 p. 64-65
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
  • 毛利 光宏, 木西 實, 天津 睦郎
    2003 年 54 巻 2 号 p. 66-72
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
    われわれは1976年以来喉頭摘出後の音声再建として気管膜様部形成法すなわち天津式気管食道瘻(気食瘻)形成術を行ってきた。
    その方法は気管膜様部からなる気管弁を作製し,気管弁と食道前壁との間を側側吻合した後,気管弁を縦に縫合し瘻孔を形成するものである。1983年からは食物路からの気道への流入を防ぐため,食道後側壁からとった筋肉弁を用いた誤嚥防止術式を併用している。
    2002年10月までに神戸大学で天津式気食瘻形成術を行ったのは376例で,297例79%で音声再建に成功した。不成功の原因は気食瘻の閉塞,気食瘻の壊死・脱落,患者の発声意欲の欠如であった。成功例における初発声日は原法,誤嚥防止術式併用例でそれぞれ術後21日,31日で,最長持続発声時間は平均16秒,18秒であった。原法73例では気道流入が見られなかったのは59%だけであったが,誤嚥防止術式を加えた現在の方法では89%と著明に改善された。
    下咽頭癌患者の根治手術では通常喉頭全摘と咽頭・食道の部分的あるいは全周性切除が行われる。われわれは切除後の食物路の再建方法に応じた音声再建法を行っている。すなわち粘膜の一次的縫合が可能な場合,残存粘膜が不十分で大胸筋皮弁でパッチする場合には気食瘻形成術を行い,全周性切除により遊離空腸移植の場合は気管空腸瘻形成術を行っている。
  • 岩井 大
    2003 年 54 巻 2 号 p. 73-77
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
    無喉頭発声法には種々あるが,この中で食道発声法とシャント発声法が最も有用性が高いと考えられ,とくに欧米ではシャント発声が第1選択となっている。筆者は今回,シャント発声では,術後早期の発声が可能となるほか,食道発声獲得までの期間が短縮できることを見出した。したがって,喉頭全摘後の発声法として,まずシャント発声法が行われ,次に患者の希望に応じて食道発声法を行うのがよいと考えた。また,下咽頭癌手術において下咽頭後壁と下咽頭収縮筋を温存すると新声門が形成され,シャント発声に有利であることを示した。さらに,長期留置型の発声器具であるGroningenにおいて,筆者が考案した簡便な二期的シャント形成術と交換法を紹介した。患者の社会復帰を含めたQOL改善のためには,術後,より早期により簡単で質の高い無喉頭発声を獲得する工夫を行うと同時に,無喉頭者と無喉頭発声の存在についての社会に対する一層の啓蒙が重要と考えた。
  • 中川 健
    2003 年 54 巻 2 号 p. 78
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
  • 品田 純, 原 英則, 後藤 尚美, 吉村 博邦
    2003 年 54 巻 2 号 p. 79-81
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
    気管・気管支形成術において,気管・気管支壁の血流をできるだけ温存することが,術後合併症の予防に重要である。また,仮想気管支鏡virtual bronchoscopyは,狭窄や変形の状態をくりかえし観察するには有用と考えられる。
  • 細川 正夫, 渡邉 昭仁
    2003 年 54 巻 2 号 p. 82-87
    発行日: 2003年
    公開日: 2007/09/25
    ジャーナル 認証あり
    1995年より2001年までの食道癌1163例中頸部食道癌45例(3.9%),胸部上部食道癌158例(13.6%)のうち頸部食道への進展例(UtCe)13例および下咽頭癌89例を対象として頸部食道切除後の再建術式を検討した。
    頸部食道癌29例に手術がなされている。EMR(内視鏡的粘膜切除)2例,咽頭喉頭頸部食道摘出8例,咽頭喉頭食道摘出17例,頸部食道摘出1例,食道全摘出1例がなされた。これらに対する頸部食道摘出後の食道再建は全例になされた。再建臓器は遊離空腸9例,胃20例(遊離空腸+胃2例を含む)で音声再建は11例(空腸2例,下部食道9例)になされた。
    下咽頭癌では外科切除42例,EMR 8例であった。切除42例中34例に咽頭喉頭頸部食道摘出がなされた。再建臓器は遊離空腸27例,胃4例,結腸1例,胃と遊離空腸2例であった。頸部食道再建は,基本的には遊離空腸法,胃を用いる術式が中心である。しかしながら食道癌には,多重癌の頻度が高い,食道内多発が多いなどの特徴があり,術前十分な検索により症例に応じた対応が必要となる。
特集2 パネルディスカッション:睡眠時無呼吸症候群 ─リスクマネージメントと後遺症予防を中心として─
特集3 ビデオワークショップ:気管食道領域の内視鏡診断術の下咽頭・喉頭への応用
特集4 教育セミナー1:気管食道領域における異物
特集5 教育セミナー2:甲状腺high-risk癌,low-risk癌の取り扱い
特集6 教育セミナー3:小児の気道狭窄
特集7 ランチョンセミナー1:慢性咳嗽
特集8 ランチョンセミナー2:Chemoradiotherapy
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