喉頭・下咽頭癌に対する喉頭機能温存治療の一つとして経口的喉頭・下咽頭部分切除術がある。本手術では基本的には気管切開を行わず,再建術も不要であることから,手術の低侵襲化,合併症発生率の低下,術後嚥下機能の早期回復が可能である。当科における特徴として拡張型喉頭鏡,喉頭内視鏡を用いて広い視野と両手操作が可能となるスペースを確保し腫瘍の一塊切除術を行っている。また最近ではさらに広く喉頭・咽頭を展開できるFK laryngopharyngoscope
®も使用しており,中咽頭癌の経口的切除にも有用である。切開,凝固,止血操作には径3 mmの内視鏡外科手術鉗子類や,サクションコアギュレーター,止血用クリップ鉗子などを用いて手術操作を円滑に行うことが可能である。本術式では直達鉗子類を使用するので,喉頭微細手術に慣れた耳鼻咽喉科医にとって習熟しやすいものである。
現在までに下咽頭癌,声門上癌38例 (初回治療32例,救済治療6例) に本術式を施行した。1年以上観察しえた26例においては3年疾患特異的生存率,粗生存率,喉頭温存率は95%,80%,95%であり,手術侵襲を抑えながら良好な成績を保つことが可能であった。
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