歴史的に喉頭手術は局所麻酔下に額帯鏡と間接喉頭鏡と喉頭鉗子にて外来日帰りで施行されていた。現在ではその手術手技は全身麻酔下喉頭微細手術 (LMS) に移り変わっている。LMSは全身麻酔で入院が必要であり診療所では施行しにくい。診療所で施行する術式では外来日帰り手術であり術者単独施行が必要条件である。従来の諸家の報告では局所麻酔下喉頭内視鏡下手術 (LVES) は外来日帰り手術ではあるが, 術者以外に助手を必要とし特注の手術器具を推奨しているものが多い。
今回われわれは, 診療所における気管食道科診療の工夫という観点から, LVESを開業診療所で, 且つ外来日帰り, 必要最小限の器具, 術者単独で施行するための工夫を考案した。その工夫につき報告する。
咽頭喉頭麻酔の工夫として, 経鼻内視鏡下に喉頭を観察しながら2%塩酸リドカインにて咽頭表面を, 4%塩酸リドカイン喉頭内注入にて喉頭蓋谷と喉頭内と声門下を麻酔した。
次に患者自身に協力をもとめる工夫として詳細なインフォームドコンセントを施行した。説明のポイントは, 前屈み・猫背・顎突出の姿勢・頭位の指示, 廷舌の徹底である。術中の患者自身による頭位の変換により, 声帯の病変が鉗子先端に接近してくることを説明して協力を得た。
内視鏡操作の工夫は左手片手操作である。左手に内視鏡を右手に喉頭鉗子を持つことで術者単独で施行できるようにした。
使用器具の工夫として特殊で高価な器具を使わないことに留意した。
診療所における気管食道科診療の工夫という観点から, LVESの術式につき工夫を考案した。それによりLVESは診療所においても施行可能な術式となった。
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