始めに:内視鏡機器の進歩に伴い,頭頸部表在癌が多数発見されるようになったが,経口内視鏡では観察困難部位も存在する。
目的:観察困難部位の一つである舌根を詳細に観察する工夫として経鼻内視鏡による中咽頭反転法を考案した。その手技と有用性を明らかにする。
使用機器:使用スコープはEG-580 NW, EG-530 NW (FUJI FILM,東京) を用いる。画質が良好で,画角が140°と広角で,FICEを標準装備している。アップアングル210°とスコープ先端の強い彎曲が可能である。
対象と方法:2012年4月から10月までに経鼻内視鏡による中咽頭反転法を行った172例を対象とした。口腔内観察後,鼻から内視鏡を挿入し,口蓋垂を超えた辺りで大きく口を開け,舌をできるだけ前方に突き出し,「エー」と発声させながら,内視鏡のアップアングルをフルにかけ,反転し観察する。動画記録装置に記録し,舌根から舌尖まで観察しえたかを検討した。
結果:160例 (93%) に舌尖までの観察が可能であった。これまで経口的には接線方向でしか観察できなかった有郭乳頭の正面視が容易となった。
結語:経鼻内視鏡による中咽頭反転法は中咽頭観察に有用である。
抄録全体を表示