睡眠時無呼吸症候群 (sleep apnea syndrome : SAS) 患者において,簡易検査と終夜睡眠ポリグラフ検査 (polysomnography : PSG) を施行し,両検査の間でAHI, AI, HIについて比較検討した。対象は,2011年4月から2015年9月までの4年6カ月の間に,睡眠呼吸障害随伴症状を主訴に当院耳鼻咽喉科を受診し,簡易検査とPSGの両者を施行した67例とした。SASの診断に関し,簡易検査のAHIは,PSGのAHIとの間で,重症では相関を認めたが (
p<0.01),軽症~中等症では相関を認めなかった。またAIについては簡易検査とPSGとの間に相関を認めたが (
p<0.01),HIについては相関を認めなかった。米国AASM (American Academy of Sleep Medicine) による分類で,タイプ3とタイプ4の簡易モニター機器によるAHIをPSGのAHIと比較したところ,タイプ3の方がよい相関が得られ,特異度も高かった。簡易検査にてAHIが低値の場合でもSASを完全には否定できないため,日中過眠症状の有無に加え,循環器疾患,脳血管障害等の合併に注意しながら,PSGを実施するかどうかを総合的に判断することが重要である。
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