有史以来,人類は異物症に悩まされている。19世紀末まで異物症に対する治療は民間療法の域を出ていなかった。硬性直達鏡や軟性気管支鏡の開発により異物診療は確立した。成人の気道異物では軟性気管支鏡による摘出が多いが,小児においては硬性鏡による摘出が主流である。
気道異物は,幼小児期と高齢者の2峰性に認められる。小児は植物性(主に豆類),成人では歯科関連異物が多い。気管食道科医が扱う気道異物は窒息をまぬがれた比較的状態が安定している患者が多い。治療対象が幼小児,高齢者になるので問診が困難であることも多いので,家人を含めた詳細な問診が重要となる。診断には,CTが有用であり,可能な限り実施する。画像上異物を認めなくとも,異物が疑わしい場合には,気管支鏡検査にて確定診断をつけることが枢要となる。
治療は,硬性ないし軟性気管支鏡による摘出となる。成人では,局所麻酔でも可能な場合もあるが,状況が許せば全身麻酔下に摘出することが患者に対する負担の軽減や安全性にも繋がる。小児は,全身麻酔で行う。硬性鏡は使用頻度が低いため事前に組み立てやシミュレーションを行い操作に慣れておくこと,また,麻酔科や小児科など関連各科との情報共有を密にして診療にあたることが肝要である。
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