日本気管食道科学会会報
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症例
  • 松田 慶士, 松崎 洋海, 中村 一博, 矢部 健介, 西山 秀徳, 藤原 大, 和智 勝哉, 大島 猛史
    2025 年 76 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2025/02/10
    公開日: 2025/02/10
    ジャーナル 認証あり

    症例は,51歳男性。約3カ月前から嗄声症状を自覚していた。初診時,内視鏡検査で左仮声帯に表面平滑で黄色調の腫瘤性病変を認めたが,喉頭ストロボスコピーでは声帯振動に異常は認められなかった。画像検査でも同部位に腫瘤性病変が認められた。全身麻酔下に直達喉頭鏡下で喉頭腫瘤摘出術を施行し,病理組織検査を行ったところ,喉頭に発生した異所性唾液腺組織と診断した。異所性唾液腺は頸部のさまざまな部位への発生が報告されているが,喉頭に発生した報告は,現在までに渉猟し得た限り12例であった。今までに報告された12例を検討すると,中高年男性に多く,片側の仮声帯に好発していた。喉頭の異所性唾液腺は,比較的稀な疾患ではあるが,片側の仮声帯に表面平滑な腫瘤性病変を認めた場合には,鑑別すべき疾患になりうると考えられた。

  • 柴﨑 隆正, 塚本 遥, 仲田 健男, 浅野 久敏, 大塚 崇
    2025 年 76 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2025/02/10
    公開日: 2025/02/10
    ジャーナル 認証あり

    気管支平滑筋腫は稀な良性腫瘍で,近年内視鏡的に切除されることが多い。症例は69歳の女性。健診で胸部X線異常を指摘され,胸部CTを施行したところ,左下葉気管支内に腫瘍を認めた。気管支鏡で左下葉気管支入口部を閉塞する可動性良好な腫瘍を認めた。生検で平滑筋腫と診断され,当科紹介受診した。全身麻酔下に,硬性気管支鏡と軟性気管支鏡を併用し,高周波スネアで腫瘍を分割切除した。術後合併症なく,術後3日目に退院となった。病理診断は平滑筋腫であった。硬性気管支鏡と軟性気管支鏡併用下で切除した左下葉気管支を閉塞する平滑筋腫の1例を経験したため報告する。

  • 須鴨 菜花, 清水 顕, 岡本 伊作, 渡嘉敷 邦彦, 平澤 一浩, 三宅 恵太郎, 塚原 清彰
    2025 年 76 巻 1 号 p. 12-17
    発行日: 2025/02/10
    公開日: 2025/02/10
    ジャーナル 認証あり
    電子付録

    喀痰細胞診は非侵襲的で簡便に施行でき,肺門部扁平上皮癌を早期に発見できるスクリーニング方法である。肺癌症例における喀痰細胞診の検出感度は約40%にすぎないが,ハイリスク喫煙者を対象とした肺門部肺癌の検出においては有用性が示されており,推奨されている。一方,喀痰細胞診は口腔・咽喉頭といった上気道からの剥離細胞が混入するため,頭頸部扁平上皮癌が発見されることもある。今回われわれは,喀痰細胞診で扁平上皮癌が検出されたものの肺病変がなく,8年の経過を経て上咽頭扁平上皮癌と診断した1例を経験したので報告する。

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