競技スポーツにおいて,良いパフォーマンス(成績・結果)を得るためには,競技(試合)での,生理・心理学的コンディションが重要であると言われている.特に,個人的競技では,試合直前の生理.心理学的コンディションが成績を左右すると考えられている.本論文では,アーチェリー競技を対象に,主に試合前の心拍,血圧などの生理的指標,試合に対する状態不安などの心理的指標と成績との関係から,アーチェリー選手の成績にかかわる生理・心理的要因について分析した.その結果,模擬試合の競技得点は,未経験者に比べ経験者で有意に高かく,競技前(W-up前,試合直前)の血圧や心拍数は,経験者に比べ未経験者で高い傾向がみられた.また,競技成績(得点)とW-up前の血圧(拡張期,平均血圧),心拍数に有意な負の相関が認められ,競技成績(得点)と試合直前の気分尺度に有意な正の相関が認められた.
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