バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌
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23 巻, 2 号
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  • 2021 年 23 巻 2 号 p. Cover1-
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
  • 2021 年 23 巻 2 号 p. Toc1-
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
  • 間山 一枝, Esther JAHNG, 栗島 一博, 本田 純久, Doosub JAHNG
    2021 年 23 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    教員は授業を行う際に,学生に伝達する内容を平易な言葉にまとめ,キーワードとして提示することが通常である.教育研修支援システム,Key Words Meeting(KWM)のWeb版は,ICTを活用した教員と学生間の双方向の学習システムであり,教員が提示したキーワードとそれに対する学生の記憶割合のデータ収集が可能である.本研究では,2014年度から2018年度の工学系大学の授業で使用されたKWM上のキーワードの形状のうち,文字数と品詞の組み合わせと学生の記憶割合との関連について分析を行った. 文字数と記憶割合との関連は,タイトルに相当するメインキーワードでは文字数が少ないもの,メインキーワードを補足説明するサブキーワードでは,文字数が多いものの記憶割合が高い傾向にあった.形態素解析結果では,品詞の組み合わせをカテゴリー分類したものと記憶割合との関連は,メインキーワードでは名詞のみのもの,サブキーワードでは名詞以外の品詞などを含むものが記憶割合が高い傾向にあった.このことから,キーワードの品詞の組み合わせと文字数の長さが記憶割合に影響する可能性があることが示された.今後,学生の記憶に残りやすいキーワードの形状についてさらに分析を深めることにより,授業の改善につながることが期待できる.
  • 新山 真奈美, 夏梅 るい子
    2021 年 23 巻 2 号 p. 11-16
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    若年性認知症を発症した場合,発症後に退職する事例も多いことから,若年性認知症者は就労継続困難であることが推測される.就労継続困難に陥ることで,本人・家族は精神的,経済的に大きな影響を受けることとなる.従って今後は,若年性認知症を発症したとしても,本人が安心して就労継続できるためのしくみ作りが重要である.そこで,若年性認知症サポート企業における若年性認知症者の就労継続支援の実態を明らかにした.全国において,若年性認知症サポート企業として各自治体に登録,紹介されている企業のうち450 社を対象に,Web による無記名自記式質問紙調査を実施した.調査内容は業種,従業員数,産業医の有無,若年性認知症の診断または疑いのある従業員の有無,認知症の従業員に対し治療と仕事の両立のために企業側が行っている支援等とした.分析は,認知症従業員の有無と他の変数間によるカイ二乗検定を行った.結果,回答率28.2%,うち有効回答率31.5%であった.業種は非製造業が85.0%,従業員数50 人以下は50.0%,産業医有は8 社20.0%,認知症従業員有は22.5%であった.認知症従業員有群で有意差が見られたのは,他従業員は若年性認知症について「知っている・ほぼ知っている」であった.さらに両立支援では,認知症従業員有の企業で「産業医との連携,相談」,認知症従業員無の企業で「上司と本人の面接」において有意差が見られた.
  • 西尾 美登里, 坂梨 左織, 木村 裕美, 久木原 博子, 古賀 佳代子, 林 大悟, 大上 渉, 内田 直樹, 尾籠 晃司
    2021 年 23 巻 2 号 p. 17-22
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    高齢化により認知症の増加が顕著である. 世帯構成の変化により, 家族役割が変化し,認知症の妻や母を介護する男性が増加している. 高齢の男性は, 介護で困難を感じた際, ジェンダー的価値観から, 社会資源を頼る自分を許容できない傾向があり, 助けを求めない傾向がある. したがって, 高齢の男性が介護役割を担うとき, 更に自分自身で解決しようとする可能性があると考えられた. 高齢の男性にとって, 介護により救援力は低下するが, 介護の経験価値は, 自尊感情を高め, 救援力を高める可能性がある. 介護中の高齢の男性に必要な支援として, 日々の生活の中で見守り合うことや, さりげない確認, 深いかかわりを持たなくとも, 異常に気づく仕組みをつくることが必要である. 介護をしながら就業する高齢の男性が, 救援力を発揮するためには, 他者からの直接的な支援を望まない男性を理解し, 受け入れる姿勢をとり, 就業を継続する制度を整えることが必要だろう. 介護を経験のある男性は, 介護の課題に対し解決した経験から, 課題を解決できる確信と自信を持ち, 自己効力感が高くなると考えられる. 高齢の男性が, 介護の経験価値を有すると, 更に自己効力感を高める可能性があり, 自己効力感が高い男性は自尊感情が高く, 救援力が高いと考えられた.
  • 前田 康成
    2021 年 23 巻 2 号 p. 23-29
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では,個人の健康管理のためのヘルスケア・ソフトウェアを対象とする.ヘルスケア・ソフトウェアは個人の健康状態に基づいて適切なアドバイスを提供する.従来研究では,健康状態の遷移確率の真のパラメータが既知の条件のもとで目標状態での滞在確率の最大化が検討されている.しかし,遷移確率が常に既知とは限らない.そこで,本研究では真の遷移確率が未知の条件のもとで目標状態での滞在確率を最大化する方法を提案する.未知の遷移確率を伴うマルコフ決定過程をモデルに採用し,目標状態での滞在確率を最大化するために動的計画法を用いる.提案方法の有効性を数値計算例で示す.提案方法による目標状態での滞在確率が比較対象よりも大きいことを確認した.
  • 前田 康成
    2021 年 23 巻 2 号 p. 31-41
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    日本農業では収益(または収入)の増大が必要とされており,農業収益の最大化については数多くの従来研究がある.従来研究では,輪作(栽培作物の選択)と栽培管理(栽培行動の選択)が1 つの統合管理問題として検討され,栽培作物の生育状態が既知という条件のもとで収益が最大化されている.しかし,近年のセンサを伴うスマート農業では真の生育状態は未知である.そこで,本研究ではセンサを伴うスマート農業における新たな統合管理方法を提案する.提案方法では,マルコフ決定過程を利用して生育状態未知の条件のもとで収益を最大化する.提案方法の有効性をシミュレーションで示す.提案方法による収益は比較対象の収益よりも大きく,作物価格の変動に応じた適応的な意思決定をシミュレーション結果で確認した.提案方法はスマート農業における意思決定の自動化への貢献が期待される.本研究は基礎研究であり,今後の拡張研究が必要である.
  • 齋藤 大輔
    2021 年 23 巻 2 号 p. 43-51
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    全ての人々が安心してインターネットを使用するためにはアクセシビリティの整備が重要である.我々は先行研究で,輝度コントラストが知覚認知過程に及ぼす影響を検討し,輝度コントラストが低下することで,可読性が低下することを報告した.しかし,可読性には,輝度コントラストだけではなく,色差も影響することが考えられる.そこで本報告では,眼球電位と脳波計測を用いて色差が知覚認知過程に影響を及ぼす影響を検討した.特に,白色背景において同一輝度の有彩色文字を用いた場合の可読性を検討した.その結果,色差および彩度が可読性に影響を及ぼしていることが示された.特に,白色背景において同一輝度の文字色を用いた場合には,比視感度が高い波長の文字色の可読性が高くなることが示された.輝度コントラストが知覚認知過程に及ぼす影響を加味すると,白色背景において可読性が高い文字色の組み合わせは,輝度コントラストが大きく,比視感度が高い波長の文字色であることが示された.
  • ―1年次と4年次の比較―
    中島 富有子, 原 やよい, 窪田 惠子, 大川内 鉄二
    2021 年 23 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,1 年次と4 年次を比較し,看護学生の口腔ケアに対する学習意欲の変化を明らかにすることである.看護学生の1 年次と4 年次に,口腔ケアに対する学習意欲の質問紙調査を行った.有効回答71 名のデータを得て,分析を行った.その結果,1年次より4年次が口腔ケアに対する学習意欲が高かったが,有意差は認めなかった.1年次は,基本的信頼感が高い方が口腔ケアに対する学習の興味が高い傾向があった.4年次には,関連が認められなかった.口腔ケアに対する学習意欲は,1 年次から4 年に変化し,関連要因として,大学生活の楽しさ,学内の友人の多さ,学外の友人の多さがあった.看護学生の学習意欲を高めるには,大学生活が楽しめ,友人関係への支援が必要であることが示唆された.1 年次と4 年次における学習意欲の状況,関連因子を踏まえ,教育する必要性があると考えられた.
  • 青木 久恵, 晴佐久 悟, 三好 麻紀, 門司 真由美, 町島 希美絵, 中島 富有子, 内藤 徹, 窪田 惠子
    2021 年 23 巻 2 号 p. 61-68
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,多職種における口腔ケアに関する役割認識を明らかにすることである. 福岡県内の歯科医師107 名,歯科衛生士85 名,言語聴覚士113 名,看護師218 名,介護福祉士106 名を対象に,研究者が作成した口腔ケアに関する21 項目の役割認識について,自身の職種が実施すべきと考える程度を3 件法により回答を求めた. 役割認識についての職種間比較の結果,歯科専門スタッフと他職種間に有意差が認められた項目は,清掃(フロス・歯間ブラシ使用),歯垢・歯石除去,フッ素物塗布,口腔の美容,口腔健診であった. 介護福祉士は,摂食嚥下と言語訓練が他職種よりも有意に低い傾向があった. 歯科医療スタッフ以外の職種が,フロスや歯間ブラシを使用する口腔清掃および口腔健診を実施すると,歯周病予防や口腔内の異常の早期発見につながることが期待される. また,看護師や介護福祉士が,摂食嚥下訓練や言語訓練を実施すれば多職種連携による継続的な訓練が可能となり,健康寿命の延伸に寄与できることが示唆された.
  • 阿部 弘之, 本田 純久, Doosub Jahng
    2021 年 23 巻 2 号 p. 69-77
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー
    本研究では診療放射線技師の国家試験で出題される放射化学の授業で,教育研修支援システムKey Words Meeting (以下KWM) のWeb 版を使用し,そこから得られた学習スコアと同科目の定期試験成績及び模擬試験成績の関連を明らかにすることを目的とした.定期試験は2 年次に行われ,対象者は68 名,模擬試験は3 年次に行われ,対象者は61 名であった.学習スコアと定期試験成績との相関係数 (ρ) は0.233 (p=0.055) であった.一方,学習スコアと模擬試験の中の放射化学の成績とのρ は0.374 (p<0.01) であり,有意な正の相関を示した.定期試験成績との相関は,学習スコアの社会性の基本点 (ρ=0.407) 及び追加点 (ρ=0.261) との間に有意な相関を示した.模擬試験の中の放射化学の成績と社会性の基本点 (ρ=0.255),追加点 (ρ=0.294) に加えて提出の基本点 (ρ=0.298),追加点 (ρ=0.334),継続学習の基本点 (ρ=0.315),追加点 (ρ=0.316) と,学習スコアのいずれの評価分野においても有意な正の相関を示した.同科目から得られた学習スコア及び定期試験成績の平均点はそれぞれ89.7 点,78.3 点であり,定期試験成績が60 点に満たない成績不振者は7 名であった.その内訳は学習スコアが平均点より高いが定期試験成績が60 点に満たない学生は3 名,学習スコアが平均点より低くかつ定期試験成績においても60 点より低い学生4 名であった.学習スコアに注視し,個々の学習過程を可視化することにより,学生の学習意欲の有無及び成績不振の原因を把握することで成績不振者の絞り込みが可能となることが示唆された.学習活動量を定量化することで,学生の学習活動に早い段階から介入,対応することが可能となり,コース開講期間中においても学習能力,意欲を高めることが期待できる.
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