日本醸造協会誌
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101 巻, 6 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 齋藤 寛
    2006 年 101 巻 6 号 p. 369
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 木内 造酒夫
    2006 年 101 巻 6 号 p. 370-375
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    木内酒造は1823 (文政6年), 常陸の国, 那珂郡鴻巣村の庄屋, 木内儀兵衛によって蔵の歴史が始まった。儀兵衛は水戸藩の藤田東湖と姻戚関係にあり, 尊王思想を支援し, 酒の名を「菊盛」とした。その基本にはすべて「こだわり」がある。顔が見える人々により作られた最上の原料と, 創業以来枯れを知らない井戸水。これらの材料と優れた技術が組み合わさり, こだわりの旨さが表現されている。
    木内酒造の歴史に新たに加わったのが,「常陸野ネストビール」である。平成6年, 酒造法が改正され, 膨大な量でなくてもビールの醸造ができるようになり, このビールが誕生した.日本酒造りで磨き抜かれた技と, 世界中からこだわりの眼で選んだ原料により最高の味を導きだした.ドイツ, イギリス, アメリカと, 世界のコンテストで金賞を連続受賞, 世界進出が本格化している木内酒造にその経営方針についてお伺いした。
  • 諏訪 芳秀
    2006 年 101 巻 6 号 p. 376-383
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    レストラン等で「とりあえずビール」と注文されるように, ビールはアペリティフとして食欲を刺激し食事を美味しく感じさせて, 我々の食生活を豊かにしてくれる。
    本稿では, 食物認知としての食物刺激ではなく, 飲用後のビールが消化管内に到達した後の普遍的な生理特性としてのビールのアペリティフ効果のメカニズムと関連成分について解説していただいた。
  • 編集部
    2006 年 101 巻 6 号 p. 384-410
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成17年の醤油の研究業績を見ると, 400余の文献が紹介されている。しかしながら, その多くは醤油に関わる, いろいろな解説や関連特許であって, 醤油や醤油醸造技術に直接立ち向かった研究は多くはない。ただ, 新しい科学技術を駆使した醤油の再検討やその機能性について検討が始められているのが注目される。ここしばらく熟成の期間を経た研究が, いよいよ新しい研究開発の目標を明確にし, より素晴らしい醤油やその製造, さらに品質保持において進化を見せてくれることを期待している。
  • 神渡 巧, 瀬戸口 眞治, 上田 次郎, 瀬戸口 智子, 緒方 新一郎
    2006 年 101 巻 6 号 p. 437-445
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    8種類のサツマイモを原料として芋焼酎の製造を行い, 種類の違いによる酒質の特性を明らかにするとともに, その酒質に及ぼす特徴香成分の検索を行った。
    1.サツマイモの種類によりデンプン価は大きく異なり, 最高と最低では約2倍の違いがみられた。またもろみのアルコール濃度もサツマイモのデンプン価と同じ傾向を示した。
    2.紫系サツマイモを原料とした製品は, 甘酸っぱく, ヨーグルト的な風味を持つ酒質であり, その風味にジアセチルが大きく影響していた。
    3.橙系サツマイモを用いた製品には加熱処理したニンジンやカボチャの香りが認められ, この香りは, β-イオノンに起因することを明らかにした。
    4.リナロールは, ジアセチルやβ-イオノンと共存した場合, それらの特徴的な香りに影響を与えなかった。
    5.ジョイホワイト製品の酒質は, さわやかな果実香を持つ軽快な香気を有し, この香気はモノテルペンアルコールの1種であるリナロールにより形成されていた。
    6.β-ダマセノンは芋焼酎の特異成分であると共に, 芋焼酎の甘い香りに関与する重要な特徴香成分であることがわかった。
  • 宇都宮 仁, 木田 信, 牧 則光, 磯谷 敦子, 岩田 博, 西谷 尚道
    2006 年 101 巻 6 号 p. 446-457
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1.ヘッドスペースSPME法による焼酎及びホワイトスピリッツの中高沸点香気成分分析条件を検討した。高級アルコールや脂肪酸エチルエステル等の共通する成分に加えて, 甘藷焼酎にはテルペン類及びサリチル酸メチル, 泡盛には1-オクテン-3-オールといった特徴のある成分が検出され, 本法は中高沸点成分の分析に有用であった。
    2.一般成分 (pH, 酸度, TBA価), 酵素法で測定したアセトアルデヒド及び酢酸, 直接ヘッドスペース法で測定した7成分, ヘッドスペースSPME法で測定した20成分を合わせた32成分を用いて, 本格焼酎 (28), 花酒 (1), 甲類 (3), 甲乙混和 (2), ウオッカ (3), ラム (3), アラック (1), テキーラ (1), ピンガ (1) のクラスター分析を行ったところ, 酒粕焼酎2点を除き, (1) 本格焼酎, (2) 甲類・甲乙混和・ウオッカ・ラム, (3) その他のグループに類別された。
    3.ステップワイズ変数選択を行い, 酢酸, 酢酸エチル, イソアミルアルコール, 1-ドデカノールを用いて「本格焼酎 (28)」,「甲類・甲乙混和・ウオツカ・ラム (11)」,「中国白酒 (4)」のカテゴリーの判別分析を行うと誤判定1で判別が可能であった。
    4.本格焼酎 (28) 間では, メタノール, 1-プロパノール, イソブタノール, カプリル酸エチルを用いて, 誤判定1で甘藷, 泡盛, 米, 麦, ソバ, 黒糖, 酒粕の判別が可能であった。
    5.本格焼酎の特徴は, 高級アルコール及び低沸点のエステルが多いことであったが, 中国白酒より酢酸, 酢酸エチル, アセトアルデヒドが少なく, 穏やかな香味を持つと考えられた。
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