日本醸造協会誌
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104 巻, 1 号
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解説
研究
  • 神渡 巧, 瀬戸口 智子, 上田 次郎, 吉永 優, 緒方 新一郎, 瀬戸口 眞治, 高峯 和則, 鮫島 吉廣
    2009 年104 巻1 号 p. 49-56
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/01/18
    ジャーナル フリー
    原料サツマイモの成分と芋焼酎の特徴香成分の関連性を検討し,以下のような知見を得た。
    1. 原料サツマイモのデンプン価は,南九州でもっとも多く栽培されているコガネセンガンの27.9に対し,ダイチノユメ,ジョイホワイト,アケムラサキは30を超え,高デンプンの性質を持っていた。しかし,橙系のデンプン価は最大でも22.4と総じて低いものであった。
    2. サツマイモのβ–カロテン含量と製品のβ–イオノン濃度には,高い正の相関があり良好な直線関係が認められた。しかし,β–カロテン含量と製品のβ–ダマセノン濃度には明確な関係を確認できなかった。
    3. サツマイモのアントシアニン含量と製品のジアセチル濃度には,高い正の相関があり,良好な直線関係を確認できた。
    4. リナロールを特徴香成分としさわやかな柑橘香を持つ製品が得られるジョイホワイト以外のサツマイモとして,ダイチノユメを見出すことができた。
    5. ハマコマチ製品は,今回試醸した製品の中でβ–ダマセノン,リナロールおよびβ–イオノンなどの特徴香成分の濃度が最も高く,また官能評価においても,従来の芋焼酎にない魅力的な香気を持つ製品であることがわかった。
  • 松田 義弘, 上木 厚子, 上木 勝司
    2009 年104 巻1 号 p. 57-74
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/01/18
    ジャーナル フリー
    サクランボ,ラ·フランス,リンゴ,ヤマブドウ及びアケビの各果実からS. cerevisiaeを含む43菌株の香気生産性酵母を集積し,分離した。低pHでアルコール存在下での集積培養と集積されてきた酵母について18S rRNA遺伝子の部分配列のPCR–TGGE解析と塩基配列の比較による系統解析を組み合わせることで,自然環境中では稀少種であるS. cerevisiaeを効率良く分離することができた。S. cerevisiae菌株は,既報のサクランボからの分離株に加えて,ラ·フランスとリンゴから新たに13菌株が分離された。またS. cerevisiae以外でも,合計9菌種25菌株の香気生産性の野生酵母菌株が分離された。
    分離した野生酵母菌株について炭素源資化性試験を行い生理的性質を調べたところ,ほとんどの菌株では分子系統解析での最近縁種についてのThe Yeast(1998)における記載と合致した。しかし,ラ–フランスから分離した5菌株とリンゴから分離した8菌株のS. cerevisiae菌株は,それぞれL-ソルボース資化性とトレハロース資化性においてThe Yeast(1998)におけるS. cerevisiaeの記載と異なっていた。S. cerevisiae以外の菌株では,サクランボから分離されたC. ethanolica関連のCeS 3株がラクトース資化性の点で,リンゴから分離されたP. guilliermondii関連のPgR 4株がD-グルコサミン資化性の点で,ヤマブドウから分離されたH. uvarum関連のHuY 1株とHuY 2株が2–ケト–グルコン酸の資化性の点でそれぞれの関連菌株についてのThe Yeast(1998)の記載と異なっていた。
    分離した香気生産性野生酵母菌株の高級アルコールの生産性について主成分分析したところ,S. cerevisiae菌株の場合は,分離源ごとに緩やかな集まりとして判別できた。S. cerevisiae以外の菌株の場合は,種属ごとに緩やかな集まりとして区別された。その中でP. kluyveriの1菌株など菌株により特徴的な香気生産特性を示すものもあった。
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