1. 分縮器を備えていない蒸留機においては,対照より理論段数の大きな蒸留機で,前半は留出速度を大きく,後半は対照と同程度の小さな留出速度で蒸留(前急後援型蒸留)すると対照と比較し留出液のアルコール濃度は高く,酸度は低く,OD275は低くすることができた。
2. 分縮器付単式蒸留機では分縮器の冷却水レベルの調節による理論段数の変更により,前急後緩型蒸留が容易に実施できるほか,前半と後半の理論段数と留出速度の組合せにより多彩な蒸留が可能と推察された。
3. フルフラールは,理論段数の大きい蒸留機で時間をかけて蒸留すると,理論段数の小さな蒸留機に比べ後半著しく増加した。単式蒸留機では理論段数が大きいほど分縮液量が多くなり,それに伴って蒸留時間が長くなり,蒸留時間が長いほどフルフラール生成量が増加し,生成したフルフラールは単式蒸留機の理論段数程度では分離されず留出すると推察された。
4. 留出液中の主な香気成分の内,沸点の高いβ-フェネチルアルコール(bp.約220℃)は蒸留操作による相違が大きく,前急後緩蒸留により対照より大きく減少した。
5. 単式蒸留機の到達しうる最大の理論段数を基準にした単式蒸留機効率を定義し,分縮率1.0または全還流速度ゼロにおける最大理論段数を利用した単式蒸留機効率測定法について考察した。
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