18種類の化学物質,酢酸エチル,酢酸イソアミル,カプロン酸エチル,イソアミルアルコール,フェネチルアルコール,アセトアルデヒド,イソバレルアルデヒド,ベンズアルデヒド,エタンチオール,ジメチルスルフィド(DMS),ジメチルトリスルフィド(DMTS),酢酸,酪酸,イソ吉草酸,カプロン酸,ソトロン,ジアセチル,2, 4, 6–トリクロロアニソール(TCA)を清酒の官能評価におけるにおい参照標準候補として選定し,その妥当性を検討するとともに特性表現を分析するために79名の専門家に対し評価試験を実施した。
1) 認知率及び経験率からベンズアルデヒドを除く17物質については,清酒のにおい参照標準物質として使用可能と考えられた。
2) 「老香」をにおい用語リストから選択した61名のうち42.6%がDMTS,23.0%がエタンチオールを「老香」としたがソトロンを「老香」としたのは1名のみであった。この結果から,専門家が「老香」に対して有する印象は,硫黄化合物のにおいに近いと考えられた。
3) カプロン酸エチルと酢酸イソアミルの混同,TCAによる「カビ臭」を「木香」,「アルデヒド」と誤認する者などがあったが,参照標準物質を用いた今後の訓練により改善が期待される。
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