日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
105 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
解説
研究
  • 奥田 将生, 橋爪 克己, 上用 みどり, 沼田 美子代, 後藤 奈美, 三上 重明
    2010 年105 巻2 号 p. 97-105
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/13
    ジャーナル フリー
    登熟期の気温と原料米の溶解性に密接に関係するデンプン特性の年次·産地間変動との関係について解析し,以下の結果が得られた。
    1 同一品種でも産地間でデンプン特性や蒸米消化性が異なるのは,産地の登熟期気温が影響したことが主な原因であると示唆された。
    2 25品種27産地の生産年度の異なる試料について,出穂後気温とデンプン糊化温度の関係について解析したところ,登熟期気温と糊化温度は高い相関性を示し,登熟期気温が低い年は糊化温度が低く,一方気温が高いと糊化温度も高くなることを確認した。
    以上,デンプン糊化温度は蒸米消化性と高い相関性を示すので,これまでと今回の研究結果から,原料米ごとの出穂後の気温に注目すれば,かなりの精度で原料米の溶解性に関する酒造適性を予測できると考えられた。
  • 宇都宮 仁, 磯谷 敦子, 岩田 博
    2010 年105 巻2 号 p. 106-115
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/02/13
    ジャーナル フリー
    18種類の化学物質,酢酸エチル,酢酸イソアミル,カプロン酸エチル,イソアミルアルコール,フェネチルアルコール,アセトアルデヒド,イソバレルアルデヒド,ベンズアルデヒド,エタンチオール,ジメチルスルフィド(DMS),ジメチルトリスルフィド(DMTS),酢酸,酪酸,イソ吉草酸,カプロン酸,ソトロン,ジアセチル,2, 4, 6–トリクロロアニソール(TCA)を清酒の官能評価におけるにおい参照標準候補として選定し,その妥当性を検討するとともに特性表現を分析するために79名の専門家に対し評価試験を実施した。
    1) 認知率及び経験率からベンズアルデヒドを除く17物質については,清酒のにおい参照標準物質として使用可能と考えられた。
    2) 「老香」をにおい用語リストから選択した61名のうち42.6%がDMTS,23.0%がエタンチオールを「老香」としたがソトロンを「老香」としたのは1名のみであった。この結果から,専門家が「老香」に対して有する印象は,硫黄化合物のにおいに近いと考えられた。
    3) カプロン酸エチルと酢酸イソアミルの混同,TCAによる「カビ臭」を「木香」,「アルデヒド」と誤認する者などがあったが,参照標準物質を用いた今後の訓練により改善が期待される。
feedback
Top