日本醸造協会誌
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105 巻, 8 号
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解説
研究
  • 古浦 二郎, 玉置 雅彦, 荒巻 功, 猪谷 富雄
    2010 年105 巻8 号 p. 539-545
    発行日: 2010年
    公開日: 2016/01/25
    ジャーナル フリー
    白米の浸漬における水温と浸漬時間の影響を水溶性赤色色素を用いて顕微鏡下で観察し,厚さ軸に直角な切口面における吸水面積率を求めた。水温10°Cを境としてそれ以下では,急激な吸水面積率の低下が認められた。水温及び浸漬時間をそれぞれ変化させ吸水面積率を調べ,それらの蒸米の糊化状態を観察したところ,白米への水の浸入は,(1)米粒組織への吸水,(2)胚乳細胞への吸水,(3)デンプン粒への吸水の順で起こると考えられた。
  • 髙峯 和則, 大山 修一, 吉崎 由美子, 玉置 尚徳, 鮫島 吉廣
    2010 年105 巻8 号 p. 546-555
    発行日: 2010年
    公開日: 2016/01/25
    ジャーナル フリー
    本格焼酎の付加価値を高めるためストーリー性があり,また,従来の芋焼酎と比べて蒸芋の柔らかな風味を有する商品開発を目的として,篤姫ゆかりの地の土壌から焼酎酵母の分離を行い,芋焼酎の製造試験を実用規模で試みた。
    焼酎酵母の耐酸性と耐アルコール性の特性を見出し,初発培地pH3.2およびアルコール濃度5%のYPD液体培地を用いて集積培養した。この培地を用いることで多種多様な微生物が存在する土壌から効率よく焼酎製造に利用できる酵母の分離ができた。この酵母は小仕込み試験の結果,蒸芋の柔らかな風味を持つ芋焼酎を製造できることがわかった。しかし一次および二次仕込み後の発酵経過が遅れた。そこで,一次もろみでは初発酵母濃度を従来の2倍にすること,二次仕込みは一次仕込み後三日経過したもろみを使用することで発酵経過を改善できた。実用化試験では,鹿児島2号酵母と遜色ない発酵経過を示した。酒質は蒸芋の柔らかい風味を持つ芋焼酎となり,カプロン酸エチルの生成量がK2と比べて1.5倍以上高いことがわかった。分離したNo.6–5株は形態観察,生理性状試験からSaccharomyces cerevisiaeと推定できたが,26S rDNA–D1⁄D2塩基配列解析の結果では,S. cerevisiaeまたはS. patorianusと推定された。この酵母は実用性のある酵母であることが確認でき,芋焼酎の商品化に成功した。
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